国語Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 国語Ⅱ
科目番号 0052 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合科学系(広瀬キャンパス一般科目) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書「新編現代文B」「新編古典B」(教育出版)/教材「新編現代文B学習課題ノート」、「新編古典B学習課題ノート」(教育出版)、「ちくま評論入門」(筑摩書房)
担当教員 伊勢 英明

到達目標

1学年での学習を踏まえ、より高度な国語力の涵養に努める。
現代文では、一言一句の意味や文章の展開などを正確に読み取りながら、随筆および詩歌では筆者や作者の独自なものの見方・感じ方について、評論文では論じられている問題について、小説では作中人物の心情や思想について、自分なりの捉え方や考え方を持てるようになる。
古文・漢文では、より高度な知識を習得するとともに、作品が生まれた時代状況や文学史的な流れを理解することにより、現代に至るまでの日本文化の背景を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1詩歌・小説の文意や作者の表現しようとするところを理解し、それについての自分なりの感想を持つことができる。文意を理解し、文芸作品に対する興味を持つことができる。文意の理解が十分でなく、文芸作品に対する興味を持つことができない。
評価項目2評論文や随筆を読み、文意を正しく理解した上で、論理の展開や考え方の独自性を味わい、それについての自分なりの意見をまとめることができる。論旨を把握し、文意を正確に理解することができる。文意を理解できず、論旨を把握することができない。
評価項目3古文・漢文の高度な知識を理解した上で、古典に親しみ、古典の意義を理解することができる。古典についての高度な知識を習得し、古典に親しむ素地を作ることができる。古典についての高度な知識を習得し、古典に親しむ素地を作ることができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1学年での国語学習を踏まえながら、文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについての考えを深め広げることができるような、より高度な「読む・聞く・話す・書く」国語力を総合的に養う。
また演習を通じて、国語表現の基礎(仮名遣い、送り仮名、句読点、表記符号、同音異義語、同訓異字、待遇表現、文体の統一等)を身につけ、さらに随時百人一首のカルタ取りを行うことにより、古典和歌に親しみ、日本文化の一端に触れる。
授業の進め方・方法:
通常の授業では教科書に従い、前後期それぞれ中間試験前には現代文、中間試験以降期末試験までは古文・漢文の授業を行う。現代語の語句や熟語、基本的な古語を事前に調べた上で、問題集なども用いながら教科書掲載の文章を正確に読み取り論点を明らかにし、さらにペアワークなどによってより理解を深めて行くようにする。
また、演習問題を通じて国語表現の基礎(仮名遣い、送り仮名、句読点、表記符号、同音異義語、同訓異字、待遇表現、文体の統一等)を身につけ、正しい日本語表現ができるようにする。
注意点:
授業の前に教科書を一読し、分からない語句等があれば事前に調べておくこと。また、教科書や読書の時間を通して触れた作者や筆者に関心が湧いたら、著書に当たり積極的に読書範囲を広げるよう努めること。
定期試験での成績80%、その他(日本語表現の演習、カルタへの参加状況など)20%で評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
学習目標や方法・評価などについて理解できるようになる。
2週 評論「コミュニケーションとしきり」
論の展開に注意して、論旨を把握する。
正しい仮名遣いを身につける。
文章全体の構成を理解し、大意を掴み、各段落のつながりや展開を理解できるようになる。
3週 評論「コミュニケーションとしきり」
論の展開に注意して、論旨を把握する。
正しい仮名遣いを身につける。
段落ごとに文脈に沿った言葉の意味を理解し、文意を正しく捉えることができるようになる。
4週 評論「コミュニケーションとしきり」
論の展開に注意して、論旨を把握する。
正しい送り仮名の送り方を身につける。
筆者の言いたいことを把握し、要旨をまとめ、さらにそれに対する自分なりの意見を持つようになる。
5週 小説「グレイの層」
場面の展開に即して、作中人物の心情の移り変わりを読み取る。
正しい送り仮名の送り方を身につける。
ストーリの展開に即して、小説全体の構成を理解することができるようになる。
6週 小説「グレイの層」
場面の展開に即して、作中人物の心情の移り変わりを読み取る。
正しい文字の使い分け方を身につける。
具体的な表現に即しながら、主人公の心理の移り変わりを読み取ることができるようになる。
7週 小説「グレイの層」
場面の展開に即して、作中人物の心情の移り変わりを読み取る。
正しい文字の使い分け方を身につける。
小説の表現効果に注意しながら、作品の主題をまとめ、自分の意見や感想をまとめることができるようになる。
8週 前期中間試験と答案返却
2ndQ
9週 『宇治拾遺物語』「夢を取ること」
説話に描かれた人物像の多様なものの見方・考え方を知り、古典に親しむ態度を養う。
句読点・表記符号の正しい使い方を身につける。
文法に即して正確に現代語訳できるようになるとともに、内容を味わうことができるようになる。
10週 『宇治拾遺物語』「夢を取ること」
説話に描かれた人物像の多様なものの見方・考え方を知り、古典に親しむ態度を養う。
句読点・表記符号の正しい使い方を身につける。
説話に描かれた人物像の多様なものの見方・考え方を知るとともに、文学史的な意義を確認できるようになる。
11週 『徒然草』「相模の守時頼の母は」
古典文法などの知識を活用して正確に内容を読み取り、筆者の考え方に触れる。
同音異義語の使い方に注意する。
古文についての知識を持ちより深く理解できるようになるとともに、それらを活用して正しく文意を把握できるようになる。
12週 『徒然草』「相模の守時頼の母は」
古典文法などの知識を活用して正確に内容を読み取り、筆者の考え方に触れる。
同音異義語の使い方に注意する。
筆者の考えをまとめるとともに、それに対しての自分なりの感想や意見を持てるようになる。
13週 小話「此必苦李」
漢文についての知識を活用して正確に内容を読み取り、小話に込められた機知や教訓を読み取る。
同訓異字の書き分けに注意する。
これまで学んだ漢文の知識を用いて正しく文意を把握し、小話に込められた機知や教訓を理解できるようになる。
14週 史記「四面楚歌」
漢文についての知識を活用して正確に内容を読み取るとともに、歴史的背景についても学ぶ。
同訓異字の書き分けに注意する。
漢文を正確に音読できるようになるとともに、句型を理解し、書かれている内容を正しく把握できるようになる。また、歴史的背景も理解できるようになる。
15週 前期末試験
16週 答案返却と補講
後期
3rdQ
1週 評論「原始社会像の真実」
論の展開に注意して、論旨を把握する。
類義語に注意する。
各段落のキーワードを押さえながら要旨をまとめ、対比的な構成を取りながら論を展開して行く方法を理解できるようになる。
2週 評論「原始社会像の真実」
論の展開に注意して、論旨を把握する。
類義語に注意する。
文脈に沿った言葉の意味を理解し、さらに接続詞の働きや指示語の内容の把握、比喩や言い換えの読み取りが出来るようになる。
3週 評論「原始社会像の真実」
論の展開に注意して、論旨を把握する。
慣用句を正しく使えるようになる。
主題的に論じられる歴史への向き合い方を、多角的に検討できるようになる。
4週 小説「ランドセル」
文章の構成や展開を確かめながら、作品の主題を的確に読み取る。
慣用句を正しく使えるようになる。
回想による語りという小説の基本的な構造をおさえ、どのような点に着目しながら読んでいくのかを理解できるようになる。
5週 小説「ランドセル」
文章の構成や展開を確かめながら、作品の主題を的確に読み取る。
正しい待遇表現を身につける。
語り手の私が「大人になる」ことをどのように受け止めているかを考えながら、主題を的確に把握できるようになる。
6週 小説「ランドセル」
文章の構成や展開を確かめながら、作品の主題を的確に読み取る。
正しい待遇表現を身につける。
反復法やものづくしなど、表現上の特色に着目することを通して、言語表現への関心を持てるようになる。
7週 近現代詩「樹下の二人」「表札」
詩を朗読してリズムやイメージを喚起し味わうとともに、詩の形式や表現の特色、主題を掴む。
文の乱れに注意する。
詩を朗読してリズムやイメージを喚起し味わうことができるようになるとともに、詩の形式や表現の特色、主題を理解できるようになる。
8週 後期中間試験と答案返却
4thQ
9週 『竹取物語』「蓬莱の玉の枝」
古文の音読により一層慣れるとともに、これまでに学んだ古典文法の知識を用いて内容を正確に読み取る。
文の乱れに注意する。
音読が正しくできるようになるとともに、古典文法に即した正確な現代語訳ができるようになる。
10週 『竹取物語』「蓬莱の玉の枝」
古文の音読により一層慣れるとともに、これまでに学んだ古典文法の知識を用いて内容を正確に読み取る。
明快な表現を心がける。
内容を理解し、平安時代の物語文芸に対する興味が持てるようになる。
11週 『伊勢物語』「狩りの使ひ」
物語を精読し、王朝人の感性を学ぶとともに和歌に託された心情や和歌の修辞技法について学ぶ。
明快な表現を心がける。
物語内容を正しく把握し、王朝人の感性を理解できるようになる。また、和歌の修辞技法について理解できるようになる。
12週 『伊勢物語』「狩りの使ひ」
物語を精読し、王朝人の感性を学ぶとともに和歌に託された心情や和歌の修辞技法について学ぶ。
文体を統一する。
内容を理解し、平安時代の物語文芸に対する興味が持てるようになる。
13週 史伝「四面楚歌」
漢文の音読のリズムを掴むとともに、基本的な句型を学び、正確に内容を理解する。
文体を統一する。
漢文を正確に音読できるようになるとともに、句型を理解し、書かれている内容を正しく把握できるようになる。
14週 唐詩「鹿柴」「月夜」「飲酒」
唐詩の形式や押韻などの基礎知識を確認するとともに、それぞれの詩に描かれた情景や心情を味わう。
国語表現について学んだことを復習する。
唐詩の形式や押韻などの基礎知識を確認するとともに、内容を読み取り、それぞれの詩に描かれた情景や心情を味わうことができるようになる。
15週 後期末試験
16週 答案返却と補講

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000