化学特論

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 化学特論
科目番号 0075 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合科学系(広瀬キャンパス一般科目) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「化学基礎」及び「化学」(東京書籍) 参考書:ダイナミックワイド 図説化学(東京書籍)
担当教員 今泉 真理

到達目標

・物質を構成する様々な元素の性質を理解し、それらの性質が電子の振る舞いによることを周期表と関連付けて理解する
・元素の組み合わせからなる向き元素及び化合物の構造、結合状態、性質について説明することができる
・物質の結晶構造や結合の種類と特徴について説明できる
・有機化合物の名前と構造を結び付けて説明できる
・代表的な官能基の構造と性質を理解できる・プラスチックなどの有機材料について、その性質、用途などについて理解する

ルーブリック

理想的なレベルの目安(優)標準的なレベルの目安(良)未到達レベルの目安
評価項目1 原子の構造および電子配置について説明でき、元素の性質を周期表と周期律から具体的な例を挙げながら考えることができる原子の構造および電子配置について説明でき、周期表と周期律を理解することができる原子の構造および電子配置について説明できない。周期表と周期律を理解できない
評価項目2金属結晶、イオン結晶、分子性結晶、共有結合性結晶について具体的な例を挙げて説明できる。金属結晶、イオン結晶、分子性結晶、共有結合性結晶について説明でき、充填率、イオン半径比などが計算できる。金属結晶、イオン結晶、分子性結晶、共有結合性結晶について説明できない。充填率、イオン半径比が計算できない。
評価項目3有機化合物の構造と官能基、命名法、代表的な反応について具体的な例を挙げて説明できる。有機化合物の構造と官能基、命名法、代表的な反応を説明できる。有機化合物の構造と官能基、命名法、代表的な反応について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は、「(C)電子工学あるいは情報工学の分野で、人間性豊かなエンジニアとして活躍するための知識獲得すること」を目標とする科目である。化学Ⅰ、Ⅱを基礎として、原子の構造や結合状態などの物質の性質を理解し、無機材料、錯体化学などの基本的な事柄について理解することを目標とする。さらに、有機材料の命名法、分子構造、化学的性質、立体化学などの基本的事項を理解し、有機化合物の製法、性質、反応などの有機化学に関する知識を身に着けることを目標とする。
授業の進め方・方法:
授業では、プリントを配布し、そのプリントに沿って講義や演習を行う。演習量を補うために学期中に2~3回、演習問題を課しそれをレポートとして提出させ、さらにその内容に関する小テストを行う。本科目は前期開講科目である。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.物質の成り立ちと元素・原子 ・物質の状態と性質を理解し、単体、化合物、同素体について説明できる。
・原子の構造について、その構成粒子を理解し、原子番号、質量数、同位体について説明できる
2週 2.原子の電子配置と周期律 ・ボーアの原子模型ついて説明できる。
・価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。
3週 ・主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。
・殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。
・パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。
・元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。
・イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる
4週 3.化学結合と分子の構造 ・化学結合の初期理論としてのオクテット則(八隅説)により電子配置をルイス構造で示すことができる。
・原子価結合法から共有結合を説明できる。
5週 ・イオン結合の形成について説明できる。
・金属結合の形成について説明できる
6週 ・電子配置から混成軌道の形成について説明できる。
・混成軌道の形成による分子の形を理解できる
7週 4.結晶構造と格子 ・金属結晶、イオン結晶、分子結晶、共有結合性結晶の違いを説明できる
8週 ・結晶の構造について説明でき、充填率、イオン半径比などの基本的な計算ができる
2ndQ
9週 5.有機化学の定義 ・有機物が炭素骨格を持った化合物であることが説明できる。
・代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。
10週 6.有機化合物の構造の結合 ・σ結合とπ結合について説明できる。
・混成軌道を用い物質の形が説明できる。
11週 ・誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。
・共鳴構造について説明できる。
・ルイス構造を書くことができ、それを反応に結びつけることができる。
12週 7.炭化水素 ・炭化水素の種類と、それらに関する性質及び代表的な反応が説明できる。
・芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。
13週 8.立体化学 ・分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について理解できる。
・構造異性体、幾何異性体、鏡像異性体などが説明できる。
・化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる
14週 期末試験の返却 試験答案の返却、問題の正答と解説を説明する
15週 9.官能基による分類と各化合物の特性、反応 ・代表的な官能基に関して、その構造及び性質が説明できる。
・それらの官能基を含む化合物の合成法及びその反応が説明できる。
・代表的な反応に関してその反応機構が説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3

評価割合

試験課題小テスト態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701515000100
基礎的能力701515000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000