国語Ⅲ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 国語Ⅲ
科目番号 0231 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合科学系(広瀬キャンパス一般科目) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 【前期】「精選現代文B」「精選古典B(古文編・漢文編」(東京書籍)/教材「精選現代文B学習課題ノート」、「精選古典B(古文編・漢文編)学習課題ノート」 【後期】教科書「日本語を書くトレーニング」(ひつじ書房) 
担当教員 武田 拓

到達目標

1、2学年での学習を踏まえ、より高度な国語力の涵養に努める。
現代文では、一言一句の意味や文章の展開などを正確に読み取りながら、随筆では筆者や作者の独自なものの見方・感じ方について、評論文では論じられている問題について、自分なりの捉え方や考え方を持てるようになる。
古文・漢文では、より高度な知識を習得するとともに、作品が生まれた時代状況や文学史的な流れを理解することにより、現代に至るまでの日本文化の背景を理解する。
表現分野では、社会生活において直面するであろういろいろな場面を想定し、その際注意すべき事項について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1詩歌・小説の文意や作者の表現しようとするところを理解し、それについての自分なりの感想を持つことができる。文意を理解し、文芸作品に対する興味を持つことができる。文意の理解が十分でなく、文芸作品に対する興味を持つことができない。
評価項目2評論文や随筆を読み、文意を正しく理解した上で、論理の展開や考え方の独自性を味わい、それについての自分なりの意見をまとめることができる。論旨を把握し、文意を正確に理解することができる。文意を理解できず、論旨を把握することができない。
評価項目3古文・漢文の高度な知識を理解した上で、古典に親しみ、古典の意義を理解することができる。古典についての高度な知識を習得し、古典に親しむ素地を作ることができる。古典についての高度な知識を習得し、古典に親しむ素地を作ることができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1、2学年での国語学習を踏まえながら、語句に注意しつつ文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについての考えを深め広げることができるような、より高度な「読む・聞く・話す・書く」国語力を総合的に養う。
授業の進め方・方法:
前期は中間試験前までは現代文、それ以降は古文・漢文を扱う。現代語の語句や熟語、基本的な古語を事前に調べた上で、問題集なども用いながら文章を正確に読み取り論点を明らかにし、さらにペアワークなどによってより理解を深めて行くようにする。
後期は文章表現について、グループごとに担当範囲を決めて順番に発表する、演習形式で学ぶ。
発表原稿作成以外については、理解を深めるために、毎回30分程度の予習または復習を前提としたい。
注意点:
授業の前に教科書を一読し、分からない語句等があれば事前に調べ、演習問題は事前に考えておいてほしい。
前期の成績評価は定期試験での成績80%、その他20%とする。後期はグループごとの発表とレポート50%、個人の予習状況と授業の取組み状況50%とする。後期については、本人の自己評価も加えることとする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 学習目標や方法・評価などについて理解できるようになる。
2週 随想「クレールという女」
話題の展開に注意して、作者の思いを把握する。
語句に注意しながら文章全体の構成を理解し、大意をつかみ、各段落のつながりや展開を理解できるようになる。
3週 随想「クレールという女」
話題の展開に注意して、作者の思いを把握する。
段落ごとに文脈に沿った言葉の意味を理解し、文意を正しく捉えることができるようになる。
4週 評論「現実と仮想」
論の展開に注意して、論旨を把握する。
語句に注意しながら文章全体の構成を理解し、大意をつかみ、各段落のつながりや展開を理解できるようになる。
5週 評論「鏡の中の現代社会」
論の展開に注意して、論旨を把握する。評論「現実と仮想」
論の展開に注意して、論旨を把握する。
段落ごとに文脈に沿った言葉の意味を理解し、文意を正しく捉えることができるようになる。
6週 評論「鏡の中の現代社会」  
論の展開に注意して、論旨を把握する。
語句に注意しながら文章全体の構成を理解し、大意をつかみ、各段落のつながりや展開を理解できるようになる。
7週 評論「鏡の中の現代社会」
論の展開に注意して、論旨を把握する。
段落ごとに文脈に沿った言葉の意味を理解し、文意を正しく捉えることができるようになる。
8週 前期中間試験と答案返却
2ndQ
9週 『徒然草』「世に従はん人は」 
時代背景・古語・古典文法に注意しながら通読する。
説話に描かれた人物像の多様なものの見方・考え方を知り、古典に親しむ態度を養う。
現代語訳を参照しながら、全体の意味をつかみ、内容について鑑賞・考察できるようになる。
10週 『徒然草』「花は盛りに」 
時代背景・古語・古典文法に注意しながら通読する。
説話に描かれた人物像の多様なものの見方・考え方を知り、古典に親しむ態度を養う。『徒然草』「世に従はん人は」「花は盛りに」
現代語訳を参照しながら、全体の意味をつかみ、内容について鑑賞・考察できるようになる。
11週 『風姿花伝』「年来稽古条々」 
時代背景・古語・古典文法に注意しながら通読する。
現代語訳を参照しながら、全体の意味をつかみ、内容について鑑賞・考察できるようになる。
12週 『世間胸算用』「小判は寝姿の夢」 
時代背景・古語・古典文法に注意しながら通読する。
現代語訳を参照しながら、全体の意味をつかみ、内容について鑑賞・考察できるようになる。
13週 諸子百家の漢文抜粋 
背景・訓読の決まりに注意しながら通読する。
現代語訳を参照しながら、全体の意味をつかみ、内容について鑑賞・考察できるようになる。
14週 陶潜『桃花源記』
背景・訓読の決まりに注意しながら通読する。
漢文を正確に音読できるようになるとともに、句型を理解し、書かれている内容を正しく把握できるようになる。また、歴史的背景も理解できるようになる。
15週 前期末試験
16週 答案返却と補講
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
学習目標と授業方法・評価について理解できるようになる。相手にとって分かりやすい文章を書こうとする態度が身につく。相手にとって分かりやすい文章を書くために、他人と検討できるようになる。
2週 練習1 発表およびその準備にあたり、注意すべきことが理解できるようにある。
3週 練習2 同上
4週 発表1 発表する、あるいは発表を聞くことにより、自分と他人の考え方や捉え方の違いを理解できるようになる。
5週 発表2 同上
6週 発表3 同上
7週 発表4 同上
8週 発表5 同上
4thQ
9週 発表6 同上
10週 発表7 同上
11週 発表8 同上
12週 発表9 同上
13週 発表10 同上
14週 発表11 同上
15週 まとめ 同上
学習内容を振り返り、身についた内容について客観的に理解できるようになる。
16週 予備日

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。3
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。3
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。3前6
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。3
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。3
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。3
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。3
代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。3
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。3
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。3
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。3
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。3
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。3
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。3
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。3

評価割合

試験またはレポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000
0000000