到達目標
工学の基本的問題を解決するために必要な数学の知識,計算技術および応用能力を修得させ,この知識および技術等を工学における現象面と関連づけて活用する能力を養う。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
偏微分 | 偏微分法の基本的性質を理解し,抽象的な関数の偏導関数・高次偏導関数が計算ができる。 | 与えられた関数の偏導関数・高次偏導関数を求めることができる。 | 関数の偏導関数・高次偏導関数を求めることができない。 |
重積分 | 2重積分の持つ意味を理解し,具体的な2重積分の計算ができる。 | 具体的な2重積分の計算ができる。 | 2重積分の計算ができない。 |
評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
微分積分の理論を理解し計算ができるようになることを目標とする。理工学の基礎である微分積分の理論のうち2変数関数の偏微分,2重積分を理解し計算ができるようになることを目標とする。基礎的計算力と論理的思考力を身につける。教科書の問と練習問題の70%は自力で解けるようになる。また、補助教科書の60%は自力で解けるようになる。2変数関数の偏微分・重積分および微分方程式の講義と演習を通して,多変数関数の重要性と多様性を理解する。
授業の進め方・方法:
本科目は,直接的には応用数学A,B,Cと関連する。工学の問題に数学的な手法を用いる際の基礎になる科目である。1,2年生で学習した数学の内容(基礎数学AとB,微分積分II,代数幾何)が基礎になっているので,履修前に必ずそれらを復習し理解しておくこと。定期的に演習の機会を設けるので積極的に参加すること。
注意点:
自学自習として,次回の授業内容,テキスト内容を確認しておくこと。また学習内容の理解を深めるためには,授業後の復習を毎回欠かさず行うことが肝要である。そのためにも課題の提出は必須で,それ以外にも積極的に章末の練習問題や問題集の問題を解く努力をすること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
第1章 関数の展開 1.1 多項式による近似(1)その1 |
1次近似式の持つ意味を理解して,簡単な関数の1次近似式が計算できる。
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2週 |
多項式による近似(1)その2 |
2次近似式の持つ意味を理解して,簡単な関数の2次近似式が計算できる。
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3週 |
1.2 多項式による近似(2) |
n次近似式の持つ意味を理解して,簡単な関数のn次近似式が計算できる。
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4週 |
1.3 数列の極限 |
基本的な数列の極限が計算できる。等比数列の収束・発散の判定ができる。
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5週 |
1.4 級数 |
無限級数の持つ意味を理解し,基本的な無限級数の和を求めることができる。
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6週 |
1.5 べき級数とマクローリン展開 |
いろいろな関数に対してべき級数とマクローリン展開を理解し計算できるようにする。
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7週 |
1.6 オイラーの公式 |
オイラーの公式を理解し,自由に使えるようにする。
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8週 |
前期中間試験 |
これまで講義された基本的事項を理解している。
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2ndQ |
9週 |
第2章 偏微分 1. 偏微分法 1.1 2変数関数 |
2変数関数の定義域,グラフ,極限と連続性を理解している。
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10週 |
1.2 偏導関数 1.3 全微分 |
偏導関数の定義を理解し,計算できる。
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11週 |
1.4 合成関数の微分法 |
合成関数の偏微分法を利用した計算ができる。
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12週 |
2. 偏微分の応用 2.1 高次偏導関数 |
高次偏導関数を理解し,その計算ができる。
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13週 |
2.2 極大・極小 |
2変数関数の極値の判定条件を理解する。
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14週 |
2.3 陰関数の微分法 |
陰関数微分を理解し計算できるようにする。
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15週 |
2.4 条件つき極値問題 2.5 包絡線 |
陰関数微分を活用した極値問題を理解できるようにする。
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16週 |
前期期末試験の返却 |
前期期末試験の答案返却と解説
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後期 |
3rdQ |
1週 |
第3章 重積分 1. 2重積分 1.1 2重積分の定義 (その1) |
2重積分の定義を理解する。
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2週 |
2重積分の定義 (その2)
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2重積分の持つ意味を理解する。
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3週 |
1.2 2重積分の計算 (その1) |
1変数の定積分を計算できる。
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4週 |
2重積分の計算 (その2) |
累次積分の計算ができる。
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5週 |
2重積分の計算 (その3) |
2重積分を累次積分になおして計算できる。
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6週 |
2重積分の計算 (その4) |
2重積分を用いて、基本的な立体の体積を求めることができる。
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7週 |
後期中間試験 |
後期のここまで講義された基本的事項を理解している。
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8週 |
2. 変数の変換と重積分 2.1 極座標による2重積分1 |
平面上の領域を極座標で表すことができる。
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4thQ |
9週 |
極座標による2重積分1 |
極座標に変換することによって2重積分を計算することができる。
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10週 |
2.2 変数変換1 |
一般の座標変換とヤコビヤンを理解する。
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11週 |
変数変換2 |
座標変換公式を用いて2重積分を計算できる。
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12週 |
2.3 広義積分1 |
不連続関数に対する広義積分を理解し,その値を計算できる。
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13週 |
広義積分2 |
無限領域に対する広義積分を理解し,ガウス積分に慣れる。
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14週 |
2.4 2重積分のいろいろな応用1 |
基本的な曲面の曲面積を計算することができる。
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15週 |
2重積分のいろいろな応用2 |
関数の平均を理解し,基本的な平面図形の重心の計算ができる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。 | 3 | |
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。 | 3 | |
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。 | 3 | |
いろいろな関数の偏導関数を求めることができる。 | 3 | |
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。 | 3 | |
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。 | 3 | |
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。 | 3 | |
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。 | 3 | |
2重積分を累次積分になおして計算することができる。 | 3 | |
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。 | 3 | 後8 |
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |