工業所有権基礎

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 工業所有権基礎
科目番号 0316 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 総合科学系(広瀬キャンパス一般科目) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 特許庁平成24年度 大学知財研究推進事業研究「理工系学生向けの知的財産権制度講座の在り方に関する研究」(研究機関:大阪大学知的財産センター)にて本講師も委員として参加して製作した講義用資料(著作権者:特許庁)をベースに、その後の改正、オリジナル資料等を追加・改訂した教材を準備する。
担当教員 塩谷 克彦

到達目標

この講義を通じて、知的財産制度のルールを理解し、活用できる研究者・開発者を育成する。
講義では、知的財産制度全体を概説し、どのような制度があるか、また内外の知財環境の現状などを理解してもらう。また、学生が今後、研究活動を行うに際して関わる知的財産法上の問題について理解してもらう。例えば、研究発表等、研究成果を公開することと知的財産制度の関連や、知的財産権の帰属や活用について理解してもらう。さらには、特許出願から権利化までの手続き、発明のとらえ方、明細書の書き方等を説明し、知的財産権の実際の活用事例についても認識させる。
なお、技術の研究者、開発者を育成することを目的とするため、法律の解釈論、判例解釈などの法学部門の応用知識は講義に盛り込まない。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1知的財産権制度とその周辺の制度全般を広く理解し、知的財産に関する課題を解決できる。知的財産権制度を理解し、知的財産に関する課題を発見できる。知的財産権制度の基本を理解できない。
評価項目2研究活動内での発明把握から、特許出願、権利化と、知的財産権の活用の具体的方法を理解し、実践できる。発明とは何か、発明を権利化する流れと、知的財産権の活用の方法を理解している。特許制度における発明とは何かがわからない。特許制度が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この講義を通じて、知的財産制度のルールを活用できる研究者・開発者につながる基盤づくりを行う。
講義では、知的財産制度全体を概説し、どのような制度があるか、また日本の現状などを理解してもらう。
また、学生が今後、研究活動を行うに際して関わる知的財産法上の問題について理解してもらう。例えば、研究発表等、研究成果を公開することと知的財産制度の関連や、知的財産権の帰属や活用について理解してもらう。さらには、特許出願から権利化までの手続き、発明のとらえ方、明細書の書き方等を説明し、知的財産権の実際の活用事例についても認識させる。

授業の進め方・方法:
原則として、講師が用意したテキストを説明する形式で授業を進める。
また、必要に応じて講義中に、J-PlatPatなどの知的財産情報に関する外部データベースにインターネットを介して利用し、実際の特許情報検索の方法について説明する。
演習、レポートでは、発明を捉えさせ、簡単な特許出願明細書の作製によるその発明の整理と、その発明に関連する先行技術文献調査を行わせる。
なお、法律の解釈論などは講義に盛り込まない。
注意点:
レポート、出席の総合で成績を評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 特許制度概要(1) 通常馴染みのないものと誤解されやすい知的財産権について、学生の身近にあるものであり、また学生自身の将来にも大きく関係するものとして認識してもらう。
2週 特許制度概要(2)
理工系の研究活動を行う上で、知的財産がどのような関わりをもち、さらにどのような発明が保護され、特許となるために必要な要件について、新規性、進歩性に重点をおき理解を深める。
3週 研究活動と知的財産(1)
特許マップの活用
研究者として最先端の技術を把握すると同時に特許権等の取得を目指す上で、新規性・進歩性等との関係で先行技術の調査が重要である点を、概説での説明を具体化する形で説明する。その上で、特許についてどのような方法で先行技術を調査するのかを紹介する。
4週 研究活動と知的財産(2)
研究活動と知的財産(3)

秘密情報の管理が、理工系の学生にとって、学生時代のみならず、研究者やエンジニアとして社会に出てからも極めて重要であることを説明しながら、実際の事例を通じて学生の当事者意識を高める。
在学中、あるいは就職後の研究活動において、その成果が誰にどのように帰属するのか、という点について、発明者等の認定にも触れながら理解してもらう。
5週 研究活動と知的財産(4)
特定領域分野と知的財産
知的財産の利用について、研究段階における試験研究のための実施、論文執筆や学会報告においての他人の先行研究への言及は、倫理的な問題だけでなく、法律的な問題をも含みうることを理解し、適切な研究成果の公表方法を体得してもらう。さらに、特許取得・利用の実例をあげ、その重要性を明らかにする。
特徴的な性質をもつ分野の知的財産について取り扱い、知的財産としてどのように保護されるかについて分野別に理解を深める。
6週 特許明細書の書き方 特許明細書を書くために必要な視点を、できるだけ事例を用いて説明する。
権利化をするために必要なポイントへの理解を深める。
7週 その他の知的財産制度(1)著作権
その他の知的財産制度(2)実用新案、意匠
その他の知的財産制度(3)商標
研究活動に限らず学生生活全般において、学生自身が大きく関わっている著作権法について説明する。また研究活動において、いかに多くの著作物を創作し利用しているか、またウェブ上のサービスについて、情報のアップロード、頒布等に際して生じる問題を、今までの知識を前提にして、横断的に解説する。
意匠制度、商標制度についてもふれ、制度趣旨や保護対象についての制度概要を中心に解説する。
8週 その他の知的財産制度(4)不正競争防止法、その他周辺制度 グローバルな研究活動をするにあたって必要な諸制度についても事例などを含めて紹介し、適切な研究活動の方針を示す。
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポート出席演習(レポート内)合計合計
総合評価割合000100100
基礎的能力3232361000
専門的能力1632126060
分野横断的能力160244040