微分積分Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 微分積分Ⅰ
科目番号 1008 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 新微分積分Ⅰ(大日本図書) 新微分積分Ⅰ問題集(大日本図書)
担当教員 兼下 英司

到達目標

・ 微分法に関する概念を理解し,関数の導関数を求められるようになる。
・ 基本的な関数について増減表を作成でき,それを基にグラフの概形が描けるようになる。
・ 積分法に関する概念を理解し,不定積分と定積分を求められるようになる。
・ 図形の面積,曲線の長さ,立体の体積が計算できるようになる。
・ 数学の知識および技術などを物理学などの他の自然科学の分野,工学における現象面と関連づけて活用するための能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
微分法到達目標に関連する教科書の問と練習問題Aの殆どを自力で解くことができる。誘導を与えられれば,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の殆どを解くことができる。誘導を与えられても,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の 6 割も解くことができない。
微分の応用到達目標に関連する教科書の問と練習問題Aの殆どを自力で解くことができる。誘導を与えられれば,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の殆どを解くことができる。誘導を与えられても,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の 6 割も解くことができない。
積分法到達目標に関連する教科書の問と練習問題Aの殆どを自力で解くことができる。誘導を与えられれば,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の殆どを解くことができる。誘導を与えられても,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の 6 割も解くことができない。
積分の応用到達目標に関連する教科書の問と練習問題Aの殆どを自力で解くことができる。誘導を与えられれば,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の殆どを解くことができる。誘導を与えられても,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の 6 割も解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 工学分野についての幅広い知識と技術を活用できる実践的な能力

教育方法等

概要:
微分積分の理論を理解し計算ができるようになることを目標とする。微分については基本的な関数について増減表を作成でき,グラフがかけるようになる。積分については,図形の面積,立体の体積,曲線の長さ,回転面の側面積,広義積分ができるようになる。
基礎的計算力と論理的思考力を身につける。教科書の問と練習問題の70%は自力で解けるようになる。また,補助教科書の60%は自力で解けるようになる。
授業の進め方・方法:
【授業の進め方】解説動画を提供し,解答付き演習プリントを配付する。解説動画と解答を参考に各自で演習を進めてもらう。分からないところは授業中に個別に質問を受けて解説する。プリントを終えたら,教科書・問題集の問題で理解度を確認すること。
【準備・持参物】本授業では,PC・タブレット・スマートフォン等の使用を許可する。ただし,音声出力にはイヤホン等を使用すること。また,解説動画試聴のための準備は各自でしておくこと(接続設定,電子デバイス・イヤホン持参)。事前に試聴しておけば,教室での視聴は必須ではない。学習のサポートとしてGeoGebraを使用することがある。必須ではないが,理解を深めるためにはインストールしておくことが望ましい。
【事前学習】毎回の授業前に解説動画で内容を確認しておくこと。1年で学習した指数・対数・三角関数の内容で理解が不十分なところは授業前に復習しておくこと。
【事後学習】授業時間中に終わらなかった問題は宿題とする(提出不要)。余裕があれば,問題集の類題にも取り組むこと.
【評価】1/4期に1回小テストを行う(年間4回)。半期ごとに中間・期末試験を行う。原則として,1/4期毎に定期試験80%・小テスト20%で評価する。ただし,小テストの失敗に挽回の機会を与えるため,定期試験100%の評価も行い,高い方の評価を採用する。中間と期末の平均で半期の成績とし,前期と後期の平均で年間の成績とする。
注意点:
本科目は,基礎数学A,基礎数学B,基礎数学C,微分積分Ⅱ及び数学を基礎とする科目と関連する。1学年で学習した内容が基礎となっているので,その理解が十分でない学生は,復習しておく必要がある。
本科目で学習する微分・積分の計算は,物理や電気回路などの分野においても頻繁に使用される。したがって,本科目でその計算手法と意味を理解しておく必要がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 関数とその性質(前年度の復習)
極限の基本概念
関数の極限
極限の意味と使い方を理解する。
極限値を求めることができる。
2週 平均変化率と微分係数
導関数
平均変化率や微分係数の計算ができる。
べき関数の導関数を求めることができる。
3週 導関数の性質
三角関数の導関数
多項式とそれらの積・商の導関数を求めることができる。
三角関数の導関数を求めることができる。
4週 ネピアの数と自然対数
指数関数の導関数
指数関数の導関数を求めることができる。
5週 合成関数の導関数
逆関数・対数関数の導関数
合成関数・対数関数の導関数を求めることができる。
6週 逆三角関数とその導関数 逆三角関数を理解し,その導関数を求めることができる。
7週 連続関数の性質
(連続の定義,中間値の定理,最大・最小)
関数の連続の概念・定義を理解し活用できる。中間値の定理を活用できる。
8週 演習
2ndQ
9週 中間試験及び返却
10週 接線と法線
関数の増減と増減表
接線と法線を求めることができる。
11週 極大と極小
最大値と最小値
極大極小を理解し,増減表が書ける。
最大値と最小値を求めることができる。
12週 ロピタルの定理
高次導関数
ロピタルの定理を理解し,活用できる。
高次導関数を求めることができる。
13週 曲線の凹凸
曲線の凹凸を理解し,増減表に反映させることができる。
増減表からグラフの概形を描くことができる。
14週 媒介変数表示と微分法
速度と加速度
媒介変数表示を理解し,微分できる。
速度と加速度を理解し,活用できる。
15週 期末試験及び返却
16週 平均値の定理 平均値の定理を理解し,活用できる。
後期
3rdQ
1週 不定積分 不定積分の定義を理解し,べき関数,三角・指数・対数関数の不定積分を求めることができる。
2週 定積分の定義
微分積分法の基本定理
定積分の定義を理解する。
微分積分の基本定理を理解する。
3週 定積分の計算
いろいろな不定積分の公式
定積分の計算ができる。
不定積分の公式を使って計算ができる。
4週 置換積分法
部分積分法
置換積分を用いて不定積分を求めることができる。
部分積分を用いて不定積分を求めることができる。
5週 置換積分法・部分積分法の応用
いろいろな関数の積分(分数関数)
置換積分と部分積分を応用した不定積分ができる。
分数関数の不定積分を求めることができる。
6週 いろいろな関数の積分(無理関数,三角関数) いろいろな関数の不定積分や定積分を求めることができる。
7週 演習
8週 中間試験および返却
4thQ
9週 図形の面積 定積分と面積の関係を理解し,計算ができる。
10週 曲線の長さ 定積分を用いて曲線の長さを求めることができる。
11週 立体の体積 定積分を用いて立体の体積を求めることができる。
12週 媒介変数表示による図形 媒介変数表示を理解し,積分できる。
13週 極座標による図形 極座標表示を理解し,積分できる。
14週 広義積分
変化率と積分
広義積分の意味を理解し,計算できる。
座標・速度・加速度などを積分で求めることができる。
15週 演習
16週 期末試験および返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3前1
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前2,前3,前16,後14
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3前3
合成関数の導関数を求めることができる。3前5
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前3,前4,前5
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3前6
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3前11,前13
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3前11
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3前10,前16
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3前12
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3前14,後12,後13
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3後1,後3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3後4,後5,後6
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3後2,後14
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3後1,後3,後5,後6,後14
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3後9,後12,後13
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3後10
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3後11

評価割合

定期試験小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100