代数幾何

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 代数幾何
科目番号 1009 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「新 線形代数」 高遠節夫,ほか5名(大日本図書) 「新 線形代数 問題集」 高遠節夫,ほか5名(大日本図書)
担当教員 佐藤 健太郎

到達目標

工学の基本的問題を解決するために必要な数学の知識,計算技術および応用能力を習得する。
1.行列の演算に習熟する。また消去法による連立一次方程式の解法や逆行列の計算ができる。
2.基本変形や余因子展開を用いて行列式の計算ができる。
3.行列の固有値及び固有ベクトルが計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
行列到達目標に関連する教科書の問と練習問題Aの殆どを自力で解くことができる。誘導を与えられれば,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の殆どを解くことができる。誘導を与えられても,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の 6 割も解くことができない。
行列式到達目標に関連する教科書の問と練習問題Aの殆どを自力で解くことができる。誘導を与えられれば,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の殆どを解くことができる。誘導を与えられても,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の 6 割も解くことができない。
行列の応用到達目標に関連する教科書の問と練習問題Aの殆どを自力で解くことができる。誘導を与えられれば,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の殆どを解くことができる。誘導を与えられても,到達目標に関連する教科書の問レベルの問題の 6 割も解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 工学分野についての幅広い知識と技術を活用できる実践的な能力

教育方法等

概要:
理工学の基礎である線形代数の中で,応用の広い行列・行列式の計算法に習熟し,特に連立1次方程式の解法として,消去法を身につける。固有値を求める基礎となる行列式の因数分解を学ぶ。また、線形変換を学び,行列の意味を理解する。線形代数の重要な部分である行列の固有値と固有ベクトルを理解し計算および応用ができる。
授業の進め方・方法:
授業は指定教科書をベースに進める。自学自習として,次回の授業内容,テキスト内容を確認しておくこと。また学習内容の理解を深めるためには,授業後の復習を毎回欠かさず行うことが大切である。そのためにも課題の提出は必須で,それ以外にも積極的に章末の練習問題や問題集の問題を解く努力をすること。
注意点:
本科目の学習内容は,物理学,工学分野への応用に欠かせない。特に高学年で履修する電磁気学で用いられるベクトル解析,及び線形代数の基礎知識を身に付けるために必要である。履修にあたっては,1年次に履修した基礎数学の理解が求められる。不十分な学生は復習しておく必要がある。最も効果的な学習方法は問題演習である。その際,最初は例題を見て解き方を理解し,問題を解くときは何も見ないで解く。解答に詰まったら教科書を見て,解答を書くときは教科書を閉じる。何も見ないで解けるようになるまで繰り返し練習すると良い。日頃からテスト形式で問題に取り組み,自分の理解を確認しながら進めると身に付きやすい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 行列の定義 行列の定義を理解している。
2週 行列の和,差,数との積と行列の積
行列の和,差,数との積が計算できる。行列同士の積が定義できるかを判定し,定義できる場合は計算することができる。
3週 転置行列,逆行列
転置行列を求めることができる。逆行列の定義を理解し,2次の正方行列の逆行列を求めることができる。
4週 連立1次方程式(ガウスの消去法1)
消去法を用いて簡単な連立1次方程式が解ける。
5週 連立1次方程式(ガウスの消去法2) 消去法を用いて一般の連立1次方程式が解ける。
6週 掃き出し法による逆行列の計算 3次正則行列の逆行列を掃き出し法で求めることができる。
7週 行列の階数
行列の階数を理解し,計算することができる。

8週 前期中間試験,試験返却と解説
2ndQ
9週 行列式の定義1 2次,3次の行列式の値を求めることができる。
10週 行列式の定義2 行列式の定義を理解し,基本的な行列式の値を求めることができる。
11週 行列式の性質
行列式の性質を理解し,行列式の計算に用いることができる。また文字を含む行列式を因数分解できる。
12週 行列の積の行列式 正則性と行列式の関係を理解している。
13週 行列式の展開1
小行列式の定義を理解し,計算することができる。
14週 行列式の展開2 基本変形,行または列に関する展開の各方法で行列式を計算できる。
15週 前期期末試験,試験の返却と解説
16週
後期
3rdQ
1週 行列式と逆行列
4次までの行列の逆行列を余因子を用いて計算出来る。
2週 連立1次方程式と行列式 クラメルの公式を用いて連立1次方程式を解くことができる。
3週 行列式の図形的意味 2次と3次の行列式の幾何学的意味を理解している。
4週 線形変換の定義 線形変換の定義を理解している。
5週 線形変換の基本的性質 直線や2次曲線の線形変換による像を求めることができる。
6週 合成変換と逆変換 合成変換と逆変換を求めることができる。
7週 回転を表す線形変換,直交行列と直交座標
平面内の回転を表す線形変換を求めることができる。
8週 後期中間試験,試験の返却と解説
4thQ
9週 固有値と固有ベクトル
行列の固有値,固有ベクトルの定義を理解している。
10週 固有値と固有ベクトルの計算1
2次正方行列の固有値,固有ベクトルを求めることができる。
11週 固有値と固有ベクトルの計算2
3次正方行列の固有値,固有ベクトルを求めることができる。
12週 行列の対角化 固有値,固有ベクトルを用いて,行列の対角化ができる。
13週 対角化可能の条件
行列の対角化可能条件を理解し,対角化に用いることができる。
14週 対称行列の直交行列による対角化 対称行列の直交行列による対角化ができる。
15週 対角化の応用 対角化を利用して行列のべき乗を計算できる。
16週 後期期末試験,試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3前1,前2,前4,前5,前6,前7,前13,後6,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3前3,前6,前12,後1,後7,後12,後13,後14,後15
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3後4,後5
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3後6
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3後7,後14

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力100100