国語Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 国語Ⅰ
科目番号 0001 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書「精選国語総合」(東京書籍)/教材「精選国語総合学習課題ノート」(東京書籍)、「三訂版国語の常識plus」(明治書院)
担当教員 武田 拓

到達目標

現代文では、一言一句の意味や文章の展開などを正確に読み取りながら、随筆および詩歌では筆者や作者の独自なものの見方・感じ方について、評論文では論じられている問題について、小説では作中人物の心情や思想について、自分なりの捉え方や考え方を持てるようになる。
古文・漢文では、基礎的な知識を習得するとともに、音読や朗読等によって古文・漢文の独特なリズムに慣れ親しむことができるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
詩歌・小説の文意や作者の表現しようとするところを理解し、それについての自分なりの感想を持つことができる。文意を理解し、文芸作品に対する興味を持つことができる。文意の理解が十分でなく、文芸作品に対する興味を持つことができない。
評論文や随筆を読み、文意を正しく理解した上で、論理の展開や考え方の独自性を味わい、それについての自分なりの意見をまとめることができる。論旨を把握し、文意を正確に理解することができる。文意を理解できず、論旨を把握することができない。
古文・漢文の基礎的な知識を理解し独特のリズムを体感した上で、古典に親しみ、古典の意義を理解することができる。古典についての基礎的な知識を習得し、古典に親しむ素地を作ることができる。古典を学ぶための基礎的な知識が習得できず、古典に対する興味を持つことができない。

学科の到達目標項目との関係

学科ディプロマポリシー 3 国際的に通用する基礎的なコミュニケーション能力

教育方法等

概要:
中学校での国語学習を踏まえながら、文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについての考えを深め広げることができるような、より高度な「読む・聞く・話す・書く」国語力を総合的に学ぶ。
授業の進め方・方法:
基本的には教科書を用い、前期は現代文、後期は中間試験までは古文、それ以降は漢文の授業を行う。教材の課題学習ノートのほかに授業担当者作成のプリントも用いながら、文章を正確に読み取り論点を明らかにし、グループ学習などによって理解を深めていきたい。
「三訂版国語の常識plus」は各自自宅で学習することとし、取り組み度合いについて評価の対象とする。
注意点:
毎回できれば30分の予習または復習の時間をとってほしい。授業前に教科書やプリントを一読し、意味や読みがわからない語句を調べ、問題を考えてくると、授業時に余裕がうまれ、理解が深まる。
評価は、定期試験の成績80%、提出物その他20%とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 学習目標や方法・評価などについて理解できるようになる。
2週 随筆「届く言葉」 文章全体の構成を理解し、大意を掴み、各段落のつながりや展開を理解できるようになる。
3週 評論「欲望と科学」 段落ごとに文脈に沿った言葉の意味を理解し、文意を正しく捉えることができるようになる。
4週 評論「欲望と科学」 筆者の言いたいことを把握し、要旨をまとめ、さらにそれに対する自分なりの意見を持つようになる。
5週 小説「羅生門」
ストーリの展開に即して、小説全体の構成を理解することができるようになる。
6週 小説「羅生門」 具体的な表現に即しながら、登場人物の心理の移り変わりを読み取ることができるようになる。
7週 小説「羅生門」 小説の表現効果に注意しながら、作品の主題をまとめ、自分の意見や感想をまとめることができるようになる。
8週 前期中間試験と答案返却
2ndQ
9週 小説「ドライクリーニング」 具体的な表現に即しながら、登場人物の心理の移り変わりを読み取ることができるようになる。
10週 評論「時間と自由の関係について」 段落ごとに文脈に沿った言葉の意味を理解し、文意を正しく捉えることができるようになる。
11週 評論「時間と自由の関係について」 論の展開を追い、筆者の主張を理解できるようになる。
12週 評論「時間と自由の関係について」 筆者の言いたいことを把握し、要旨をまとめ、さらにそれに対する自分なりの意見を持つようになる。
13週 詩歌 表現に注意しながら音読し、鑑賞できるようになる。
14週 まとめと演習 漢文を正しく書き下し文にしたり現代語訳したりできるようになるとともに、故事成語およびそこに込められた機知や教訓を理解できるようになる。
15週 前期末試験 学習事項を振り返り、身についていない部分について復習できる。
16週 答案返却と補講
後期
3rdQ
1週 古文の基礎1
文字と仮名遣い、読み方について。
歴史的仮名遣いで書かれた文章を音読できるようになる。
2週 『宇治拾遺物語』「児のそら寝」
平易な古文を音読し、現代語訳を参照しながら、歴史的背景に基づいて内容を理解できるようになる。
3週 『徒然草』「五月五日、賀茂の競べ馬を」 平易な古文を音読し、現代語訳を参照しながら、歴史的背景に基づいて内容を理解できるようになる。
4週 古文の基礎2
用言の活用と修辞法
用言の活用や修辞法について理解できるようになる。
5週 『徒然草』「今日はそのことをなさんと思へど」 平易な古文を音読し、現代語訳を参照しながら、歴史的背景と文法的知識に基づいて内容を理解できるようになる。
6週 『伊勢物語』「芥川」「筒井筒」 現代語訳を参照しながら、歴史的背景と文法的知識に基づいて内容を理解できるようになる。
7週 まとめと演習 学習事項を振り返り、身についていない部分について復習できる。
8週 後期中間試験と答案返却
4thQ
9週 漢文入門
訓読のきまり
訓点の決まりを理解できるようになる。
10週 格言 訓点にしたがって音読し、内容を理解できるようになる。
11週 故事成語 訓点にしたがって音読し、現代語訳を参照しながら内容を理解できるようになる。
12週 寓話 訓点にしたがって音読し、現代語訳を参照しながら内容とその意図するものを理解できるようになる。
13週 唐詩 唐詩のきまりを理解し、歴史的背景を踏まえ、音読して鑑賞できるようになる。
14週 まとめと演習 学習事項を振り返り、身についていない部分について復習できる。
15週 後期末試験
16週 答案返却と補講

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。3
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。3
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。3
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。3
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。3
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。3
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。3
代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。3
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。3
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。3
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。3
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。3
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。3
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。3
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。3

評価割合

試験その他合計
総合評価割合80200100
基礎的能力80200100
0000