1.人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き 方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。
2.自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。
3.現代社会の公共空間の特質や課題に関する適切な主題を設定、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。
概要:
現代社会における諸問題について学ぶことで,社会の中でよりよく生きていくための人文社会的知識・思考方法を身につけることを目指す。
授業の進め方・方法:
基本的には講義形式で行うが,問題演習,ペアワーク・個人の意見発表やレポートなどを取り入れ,学生の積極的な授業参加を促す。
学生は、事前学習として1. 授業前の予習として教科書を読み、2. 日常的に新聞・ニュースを視聴して情報収集につとめること。さらに事後学習として3. 授業後に学習内容との関連を考察するように。そうした成果は口頭発表・レポートで報告することになる。
注意点:
・選挙権年齢が18歳に引き下げられ,学生諸君は2~3年後には政治に参加することになる。日頃から政治や経済などの社会の動きに関心を持ち,自分なりに考え、また討議して,投票できるようになってほしい。
・社会は常に変容し続けている。情勢に対応してゆくための前提知識として,現状を適切に理解することを求めたい。学生諸君は数年後には社会に出るわけだが,周囲に流されて安易に職業を選択することのないように,自分なりの人生観・職業観を身につけてほしい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンスと「公共の扉を開く」1:(1) 青年期の心理と課題 |
授業の学び方を理解する。また、現代社会と青年期の自己の関わり方について理解できる。
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2週 |
第1章 (2) ギリシャ思想とキリスト教 |
古代の哲学と宗教の思想に触れ,人間とはどのような存在と考えられてきたかを理解できる。
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3週 |
第1章 (3) イスラームと仏教,儒教 |
仏教・儒教、さらにイスラーム思想の基礎に触れ、我々の文化の基層となる諸思想について理解できる。
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4週 |
第1章 (4) 日本思想 |
日本の伝統思想において,日本人が仏教をはじめとする外来思想をどのように受容してきたかを理解できる。
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5週 |
第2章 (1) カント,ベンサムと現代の倫理問題 |
近代の西洋哲学の基礎概念を学び,これらの概念が現代の諸問題を考察する際の基礎となることを理解できる。
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6週 |
第3章 (1) 人文主義,デカルト,社会契約説 |
引き続き西洋哲学の基礎概念を学び,これらの概念が思想界における人権宣言となり,民主世界を形成する基礎となることを理解できる。
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7週 |
前期中間試験 |
ここまでの学習内容の定着を確認する。
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8週 |
第3章 (2) ヘーゲル・マルクス |
現代思想の基礎概念を学び,これらの概念が現代の諸問題を考察する際の基礎となることを理解できる。
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2ndQ |
9週 |
第3章 (3) 実存主義・公共性の復権 |
現代思想の基礎概念を学び,現代社会と青年期の自己形成のあり方について理解できる。
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10週 |
第3章 (4) 正義の原理 |
近年流行の正義論について基礎概念を学び,実際の問題に適用可能であることを理解できる。
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11週 |
第2編 基本的人権の尊重と法:民主政治の原理 |
日本国憲法における人権の保障について理解できる。
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12週 |
日本国憲法の三原理と平和主義 |
日本国憲法の成り立ちと三大原理を学び,日本国憲法における平和主義と日本の安全保障について理解できる。
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13週 |
平等権,自由権 |
現代日本を基礎づける平等権・自由権の内容を学び,それらの現代社会における重要性と実際の適用について理解できる。
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14週 |
社会権,参政権,「新しい人権」 |
現代日本を基礎づける社会権・参政権の内容を学び,それらの現代社会における重要性と実際の適用について理解できる。
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15週 |
前期期末試験 |
ここまでの学習内容の定着を確認する。
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16週 |
試験返却,グローバル化と国際人権 |
現在の国際社会の状況と課題について,概要を理解できる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
現代の民主政治と社会参画:総論 |
自由民主主義の成立と現代の危機,市民参加の重要性について理解できる。
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2週 |
世論の形成と政治参加の諸課題 |
世論とマスメディアの役割とその課題,さらに我々の参加の重要性について理解できる。
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3週 |
日本の政治機構:国会,内閣の仕組み |
日本の立法と行政のしくみについて理解できる。日本の選挙制度とその課題について理解できる。
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4週 |
日本の政治機構:裁判所と司法参加 |
日本の司法制度の概要を学び,裁判制度の基礎と裁判員制度の意義について理解できる。
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5週 |
日本の政治機構:地方自治 |
戦後の地方自治の制度の概要を学び,地方自治の意義と課題について理解できる。
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6週 |
国際政治の仕組みと役割:主権国家と国際社会,国連と冷戦 |
民主政治の成り立ちと世界の政治体制について理解できる。
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7週 |
後期中間試験 |
ここまでの学習内容の定着を確認する。
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8週 |
軍縮と安全保障―グローバル化の諸問題 |
国際政治・国際社会の概況とその抱える問題について理解できる。
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4thQ |
9週 |
紛争とテロ,人道・難民問題,日本の戦後外交 |
国際政治・国際社会の概況の理解のもとに,日本が国際社会で果たすべき役割について理解できる。
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10週 |
現代の経済社会と国民生活:「私たちと経済活動」 |
現代の経済社会の概況を理解し,私たちの生活との関係について理解できる。
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11週 |
経済社会の仕組みと役割:市場 |
市場経済のしくみについて理解できる。
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12週 |
金融と財政,企業 |
財政・金融の機能,企業活動の概要について理解できる。
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13週 |
公害と労働問題と老後の問題 |
公害と労働問題について事例学習を通じて概要を理解できる。また,我々の社会の課題・高齢化社会の課題について理解できる。
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14週 |
国際取引とこれから |
国際経済のしくみについて理解できる。
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15週 |
後期期末試験 |
ここまでの学習内容の定着を確認する。
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16週 |
試験の解答と持続的な社会へ向けての論点提示 |
これまでの学習内容が将来的課題の検討に利用できることを理解できる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 3 | 前1 |
公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6 |
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。 | 3 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14 |