地理総合

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 地理総合
科目番号 0009 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「高等学校新地理総合」新井祥穂他(帝国書院) / 「高等学校新地理総合ノート」(帝国書院)
担当教員 矢澤 睦

到達目標

世界のさまざまな自然環境や社会環境のなかで、人びとはどのような生活を営み、文化を育んできたのか、また、それは地球環境にどのような影響を及ぼしているかを理解し、説明できるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
地図でとらえる現代世界地球の姿や国家の領域に関する高度な専門用語を理解し、地図や資料を用いて特徴を明快に説明することができる。地球の姿や国家の領域に関する基礎的な用語を理解し、地図や資料を用いて特徴を大まかに説明することができる。左記内容の理解、説明が十分にできていない。または発表や課題への対応を十分にしていない。
生活文化の多様性と国際協力世界地誌に関する高度な専門用語を理解し、地図や資料を用いて特徴を明快に説明することができる。世界地誌に関する基礎的な用語を理解し、地図や資料を用いて特徴を大まかに説明することができる。左記内容の理解、説明が十分にできていない。または発表や課題への対応を十分にしていない。
地球的課題と持続可能な地域づくり国際協力問題や環境問題に関する高度な専門用語を理解し、地図や資料を用いて特徴を明快に説明することができる。国際協力問題や環境問題に関する基礎的な用語を理解し、地図や資料を用いて特徴を大まかに説明することができる。左記内容の理解、説明が十分にできていない。または発表や課題への対応を十分にしていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 4 技術者として社会的役割や責任を自覚して行動する姿勢

教育方法等

概要:
中学校地理で学んだことを基礎としながら,世界と日本における生活・文化に関する地域的特色と共通の課題,自然環境及び社会環境の関連,諸地域相互の関連について学習する。地球上に展開されているさまざまな事象を統合的に見る目を養う。国際社会に生きる一員として,多様な生活・文化の存在を認識し,他者や自然環境と共生する意識を養う。
授業の進め方・方法:
「事前学習」
・毎回の授業前までに、授業で行う内容と意義を考えて整理しておくこと。
「授業」
・教科書と準拠ノート(ワークブック)に基づきながら,スライドによる説明と演習,解答解説を組み合わせて授業を行う。
・地図帳や資料集を用いた作業や発表,画像・映像資料の参照やグループワークも適宜行う。
「事後学習」
・毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ活かす方法を考えること。
注意点:
日頃から新聞やニュースなどに触れ,現在世の中で起こっている事象に関心を持つことが重要である。
主要な地名や用語は教養的知識として身につけることが必要となる。その際,単なる個々の単語として暗記するのではなく,他の地名との位置関係や用語の関連性に目を向けて,地理的事象について理解を深めるように心掛けること。常に地図帳や資料集で確認する習慣を身につけること。
授業は教科書,準拠ノートのほか,「新詳高等地図」(帝国書院),「図説地図資料世界の諸地域NOW2023」(帝国書院)の参考書類を用いて行うので,忘れ物をしないこと。授業に集中して取り組むこと。
定期試験ごとに授業ノートと準拠ノート(ワークブック)のチェックを行うことを提出物の評価とするので,授業進度に合わせてそれらの作成と演習を行うこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入・授業進行の説明
中学校基礎の確認
1年間の授業進行について確認・理解できる。
2週 [地形]
大地形,変動帯,安定地域,河川がつくる地形,海岸の地形,氷河地形・乾燥地形・カルスト地形
人々の生活の基盤となる地形の特徴を理解できる。
3週 [気候]
気候・降水と人々の生活,大気大循環と人々の生活,世界の植生と気候区分,熱帯の生活,乾燥帯の生活,温帯の生活,亜寒帯・寒帯の生活
ケッペンの気候区分の特徴と,それに基づく世界的な気候分布が理解できる。
4週 [気候]
気候・降水と人々の生活,大気大循環と人々の生活,世界の植生と気候区分,熱帯の生活,乾燥帯の生活,温帯の生活,亜寒帯・寒帯の生活
[言語・宗教]
世界の言語と人々の生活文化,世界の宗教と人々の生活文化
ケッペンの気候区分の特徴と,それに基づく世界的な気候分布が理解できる。
主な民族や言語,宗教の特徴と,それらの世界的な分布や人々の生活との関わりについて理解できる。
5週 [言語・宗教]
世界の言語と人々の生活文化,世界の宗教と人々の生活文化
主な民族や言語,宗教の特徴と,それらの世界的な分布や人々の生活との関わりについて理解できる。
6週 [中国]
中国の自然,多民族国家と社会,中国の食文化と農業の変化,経済の発展と生活の変化,中国のさまざまな課題
中国の現代史,地形や気候の特徴,民族,人口,農業分布,工業化と経済発展,格差問題,日本との関係が理解できる。
7週 [中国]
中国の自然,多民族国家と社会,中国の食文化と農業の変化,経済の発展と生活の変化,中国のさまざまな課題
中国の現代史,地形や気候の特徴,民族,人口,農業分布,工業化と経済発展,格差問題,日本との関係が理解できる。
8週 前期中間試験 前期中間試験の実施
2ndQ
9週 前期中間試験の返却・解説
[朝鮮半島]
韓国の自然,韓国の文化と歴史,韓国の生活と産業の変化
朝鮮半島の現代史,地形や気候の特徴,日本との関係,韓国の農業と工業の変化を理解できる。
10週 [朝鮮半島]
韓国の自然,韓国の文化と歴史,韓国の生活と産業の変化
朝鮮半島の現代史,地形や気候の特徴,日本との関係,韓国の農業と工業の変化を理解できる。
11週 [東南アジア]
東南アジアの気候の特徴・自然環境,東南アジアの歴史と文化,東南アジアの農業,経済の発展とASEAN
東南アジアの植民地支配の歴史,民族や宗教の構成,地形や気候の特徴,農業分布,工業化と経済発展,地域連携が理解できる。
12週 [東南アジア]
東南アジアの気候の特徴・自然環境,東南アジアの歴史と文化,東南アジアの農業,経済の発展とASEAN
東南アジアの植民地支配の歴史,民族や宗教の構成,地形や気候の特徴,農業分布,工業化と経済発展,地域連携が理解できる。
13週 [南アジア]
南アジアの自然,ヒンドゥー教の世界と人々の生活・文化,発展する南アジアの産業
南アジアの分離独立の歴史,地形や気候の特徴,インドの言語や宗教とカースト制,農業や工業の特徴が理解できる。
14週 [南アジア]
南アジアの自然,ヒンドゥー教の世界と人々の生活・文化,発展する南アジアの産業
南アジアの分離独立の歴史,地形や気候の特徴,インドの言語や宗教とカースト制,農業や工業の特徴が理解できる。
15週 前期期末試験 前期期末試験の実施
16週 前期期末試験の返却・解説
前期のまとめ
前期の内容について,総合的に理解できているか確認できる。
後期
3rdQ
1週 [中央アジア・西アジア・北アフリカ]
イスラームを中心とした生活文化,変化するムスリムの生活
[サハラ以南のアフリカ]
旧宗主国による植民地支配の影響が残る生活文化・産業,生活の変化と経済成長への取り組み
アフリカ・中東の宗教や資源の特徴,紛争問題,アフリカの植民地支配の歴史,産業,経済成長を理解できる。
2週 [ヨーロッパ]
ヨーロッパの自然,キリスト教に根ざす文化,ヨーロッパの統合,農業や工業への統合の影響
ヨーロッパの地形や気候の特徴,民族と言語と宗教,地域連携の過程と課題,農業や工業の特徴や統合の影響が理解できる。
3週 [ヨーロッパ]
ヨーロッパの自然,キリスト教に根ざす文化,ヨーロッパの統合,農業や工業への統合の影響
ヨーロッパの地形や気候の特徴,民族と言語と宗教,地域連携の過程と課題,農業や工業の特徴や統合の影響が理解できる。
4週 [ヨーロッパ]
ヨーロッパの自然,キリスト教に根ざす文化,ヨーロッパの統合,農業や工業への統合の影響
[ロシア]
ロシアの自然,ロシアの文化と生活の変化,ロシアの産業
ヨーロッパの地形や気候の特徴,民族と言語と宗教,地域連携の過程と課題,農業や工業の特徴や統合の影響が理解できる。
ロシアの気候や民族の特徴,現代史,産業を理解できる。
5週 [ロシア]
ロシアの自然,ロシアの文化と生活の変化,ロシアの産業
ロシアの気候や民族の特徴,現代史,産業を理解できる。
6週 [ラテンアメリカ]
ラテンアメリカの自然,ラテンアメリカの歴史と文化,ラテンアメリカの産業
ラテンアメリカ地域の人種・民族の融合,地形や気候の特徴,農業や工業の特徴,外国資本による工業化と経済発展を理解できる。
7週 [ラテンアメリカ]
ラテンアメリカの自然,ラテンアメリカの歴史と文化,ラテンアメリカの産業
ラテンアメリカ地域の人種・民族の融合,地形や気候の特徴,農業や工業の特徴,外国資本による工業化と経済発展を理解できる。
8週 後期中間試験 後期中間試験の実施
4thQ
9週 後期中間試験の返却・解説
[アメリカ合衆国]
アメリカ合衆国の自然,移民国家としての歴史と文化,世界の食卓に影響を及ぼす農業,世界に大きな影響力を持つ知識産業と資源
アメリカ合衆国の移民の歴史と民族分布,地形や気候の特徴,農業分布・工業の変遷と世界への影響について理解できる。
10週 [アメリカ合衆国]
アメリカ合衆国の自然,移民国家としての歴史と文化,世界の食卓に影響を及ぼす農業,世界に大きな影響力を持つ知識産業と資源
アメリカ合衆国の移民の歴史と民族分布,地形や気候の特徴,農業分布・工業の変遷と世界への影響について理解できる。
11週 [アメリカ合衆国]
アメリカ合衆国の自然,移民国家としての歴史と文化,世界の食卓に影響を及ぼす農業,世界に大きな影響力を持つ知識産業と資源
アメリカ合衆国の移民の歴史と民族分布,地形や気候の特徴,農業分布・工業の変遷と世界への影響について理解できる。
12週 [オセアニア]
オセアニアの気候の特徴・自然環境,オセアニアの歴史と多文化社会,オセアニアの産業
オセアニア諸国の気候の特徴・自然環境と産業,オーストラリアの移民の歴史,多文化社会への変遷,農業分布,鉱産資源の特徴を理解できる。
13週 [オセアニア]
オセアニアの気候の特徴・自然環境,オセアニアの歴史と多文化社会,オセアニアの産業
オセアニア諸国の気候の特徴・自然環境と産業,オーストラリアの移民の歴史,多文化社会への変遷,農業分布,鉱産資源の特徴を理解できる。
14週 [地球的課題と国際協力]
SDGs,環境問題,資源・エネルギー問題,人口問題,食料問題,都市・居住問題
[自然環境と防災]
日本の自然環境,地震・津波と防災,火山災害と防災,気象災害と防災,自然災害への備え
複雑にからみ合う地球的課題として,環境問題,資源・エネルギー問題,人口問題,食料問題,都市・居住問題などの解決に向けた,持続可能な社会づくりについて理解できる。
持続可能な地域づくりとして,日本の自然環境の特徴,地震・津波災害,火山災害,気象災害,減災への取り組みついて理解できる。
15週 後期期末試験 後期期末試験の実施
16週 後期期末試験の返却・解説
まとめ
1年間の内容について,総合的に理解できているか確認できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。2前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。2前9,前10,前12,前13,前14,前15,前16,後4,後7,後8,後9,後10,後15,後16
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。2前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後15,後16
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後15,後16
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

試験提出物合計
総合評価割合8020100
基礎的能力601070
専門的能力201030