世界のさまざまな自然環境や社会環境のなかで、人びとはどのような生活を営み、文化を育んできたのか、また、それは地球環境にどのような影響を及ぼしているかを理解し、説明できるようになる。
概要:
中学校地理で学んだことを基礎としながら,世界と日本における生活・文化に関する地域的特色と共通の課題,自然環境及び社会環境の関連,諸地域相互の関連について学習する。地球上に展開されているさまざまな事象を統合的に見る目を養う。国際社会に生きる一員として,多様な生活・文化の存在を認識し,他者や自然環境と共生する意識を養う。
授業の進め方・方法:
「事前学習」
・毎回の授業前までに、授業で行う内容と意義を考えて整理しておくこと。
「授業」
・教科書と準拠ノート(ワークブック)に基づきながら,スライドによる説明と演習,解答解説を組み合わせて授業を行う。
・地図帳や資料集を用いた作業や発表,画像・映像資料の参照やグループワークも適宜行う。
「事後学習」
・毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ活かす方法を考えること。
注意点:
日頃から新聞記事や時事ニュースなどに触れ,現在世の中で起こっている事象に関心を持つことが重要である。
主要な地名や用語は教養的知識として身につけることが必要となる。その際,単なる個々の単語として暗記するのではなく,他の地名との位置関係や用語の関連性に目を向けて,地理的事象について理解を深めるように心掛けること。常に地図帳や資料集で確認する習慣を身につけること。
授業は教科書,準拠ノートのほか,「新詳高等地図」(帝国書院),「図説地図資料世界の諸地域NOW2024」(帝国書院)の参考書類を用いて行うので,忘れ物をしないこと。授業に集中して取り組むこと。
定期試験ごとに授業ノートと準拠ノート(ワークブック)のチェックを行うことを提出物の評価とするので,授業進度に合わせてそれらの作成と演習を行うこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
導入・授業進行の説明 中学校基礎の確認 |
1年間の授業進行について確認・理解できる。
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2週 |
[地形] 大地形,変動帯,安定地域,河川がつくる地形,海岸の地形,氷河地形・乾燥地形・カルスト地形 |
人々の生活の基盤となる地形の特徴を理解できる。
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3週 |
[気候] 気候・降水と人々の生活,大気大循環と人々の生活,世界の植生と気候区分,熱帯の生活,乾燥帯の生活,温帯の生活,亜寒帯・寒帯の生活 |
ケッペンの気候区分の特徴と,それに基づく世界的な気候分布が理解できる。
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4週 |
[気候] 気候・降水と人々の生活,大気大循環と人々の生活,世界の植生と気候区分,熱帯の生活,乾燥帯の生活,温帯の生活,亜寒帯・寒帯の生活 [言語・宗教] 世界の言語と人々の生活文化,世界の宗教と人々の生活文化 |
ケッペンの気候区分の特徴と,それに基づく世界的な気候分布が理解できる。 主な民族や言語,宗教の特徴と,それらの世界的な分布や人々の生活との関わりについて理解できる。
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5週 |
[言語・宗教] 世界の言語と人々の生活文化,世界の宗教と人々の生活文化 |
主な民族や言語,宗教の特徴と,それらの世界的な分布や人々の生活との関わりについて理解できる。
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6週 |
[中国] 中国の自然,多民族国家と社会,中国の食文化と農業の変化,経済の発展と生活の変化,中国のさまざまな課題 |
中国の現代史,地形や気候の特徴,民族,人口,農業分布,工業化と経済発展,格差問題,日本との関係が理解できる。
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7週 |
[中国] 中国の自然,多民族国家と社会,中国の食文化と農業の変化,経済の発展と生活の変化,中国のさまざまな課題 |
中国の現代史,地形や気候の特徴,民族,人口,農業分布,工業化と経済発展,格差問題,日本との関係が理解できる。
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8週 |
前期中間試験 |
前期中間試験の実施
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験の返却・解説 [朝鮮半島] 韓国の自然,韓国の文化と歴史,韓国の生活と産業の変化 |
朝鮮半島の現代史,地形や気候の特徴,日本との関係,韓国の農業と工業の変化を理解できる。
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10週 |
[朝鮮半島] 韓国の自然,韓国の文化と歴史,韓国の生活と産業の変化 |
朝鮮半島の現代史,地形や気候の特徴,日本との関係,韓国の農業と工業の変化を理解できる。
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11週 |
[東南アジア] 東南アジアの気候の特徴・自然環境,東南アジアの歴史と文化,東南アジアの農業,経済の発展とASEAN |
東南アジアの植民地支配の歴史,民族や宗教の構成,地形や気候の特徴,農業分布,工業化と経済発展,地域連携が理解できる。
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12週 |
[東南アジア] 東南アジアの気候の特徴・自然環境,東南アジアの歴史と文化,東南アジアの農業,経済の発展とASEAN |
東南アジアの植民地支配の歴史,民族や宗教の構成,地形や気候の特徴,農業分布,工業化と経済発展,地域連携が理解できる。
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13週 |
[南アジア] 南アジアの自然,ヒンドゥー教の世界と人々の生活・文化,発展する南アジアの産業 |
南アジアの分離独立の歴史,地形や気候の特徴,インドの言語や宗教とカースト制,農業や工業の特徴が理解できる。
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14週 |
[南アジア] 南アジアの自然,ヒンドゥー教の世界と人々の生活・文化,発展する南アジアの産業 |
南アジアの分離独立の歴史,地形や気候の特徴,インドの言語や宗教とカースト制,農業や工業の特徴が理解できる。
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15週 |
前期期末試験 |
前期期末試験の実施
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16週 |
前期期末試験の返却・解説 前期のまとめ |
前期の内容について,総合的に理解できているか確認できる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
[中央アジア・西アジア・北アフリカ] イスラームを中心とした生活文化,変化するムスリムの生活 [サハラ以南のアフリカ] 旧宗主国による植民地支配の影響が残る生活文化・産業,生活の変化と経済成長への取り組み |
アフリカ・中東の宗教や資源の特徴,紛争問題,アフリカの植民地支配の歴史,産業,経済成長を理解できる。
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2週 |
[ヨーロッパ] ヨーロッパの自然,キリスト教に根ざす文化,ヨーロッパの統合,農業や工業への統合の影響 |
ヨーロッパの地形や気候の特徴,民族と言語と宗教,地域連携の過程と課題,農業や工業の特徴や統合の影響が理解できる。
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3週 |
[ヨーロッパ] ヨーロッパの自然,キリスト教に根ざす文化,ヨーロッパの統合,農業や工業への統合の影響 |
ヨーロッパの地形や気候の特徴,民族と言語と宗教,地域連携の過程と課題,農業や工業の特徴や統合の影響が理解できる。
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4週 |
[ヨーロッパ] ヨーロッパの自然,キリスト教に根ざす文化,ヨーロッパの統合,農業や工業への統合の影響 [ロシア] ロシアの自然,ロシアの文化と生活の変化,ロシアの産業 |
ヨーロッパの地形や気候の特徴,民族と言語と宗教,地域連携の過程と課題,農業や工業の特徴や統合の影響が理解できる。 ロシアの気候や民族の特徴,現代史,産業を理解できる。
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5週 |
[ロシア] ロシアの自然,ロシアの文化と生活の変化,ロシアの産業 |
ロシアの気候や民族の特徴,現代史,産業を理解できる。
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6週 |
[ラテンアメリカ] ラテンアメリカの自然,ラテンアメリカの歴史と文化,ラテンアメリカの産業 |
ラテンアメリカ地域の人種・民族の融合,地形や気候の特徴,農業や工業の特徴,外国資本による工業化と経済発展を理解できる。
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7週 |
[ラテンアメリカ] ラテンアメリカの自然,ラテンアメリカの歴史と文化,ラテンアメリカの産業 |
ラテンアメリカ地域の人種・民族の融合,地形や気候の特徴,農業や工業の特徴,外国資本による工業化と経済発展を理解できる。
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8週 |
後期中間試験 |
後期中間試験の実施
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4thQ |
9週 |
後期中間試験の返却・解説 [アメリカ合衆国] アメリカ合衆国の自然,移民国家としての歴史と文化,世界の食卓に影響を及ぼす農業,世界に大きな影響力を持つ知識産業と資源 |
アメリカ合衆国の移民の歴史と民族分布,地形や気候の特徴,農業分布・工業の変遷と世界への影響について理解できる。
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10週 |
[アメリカ合衆国] アメリカ合衆国の自然,移民国家としての歴史と文化,世界の食卓に影響を及ぼす農業,世界に大きな影響力を持つ知識産業と資源 |
アメリカ合衆国の移民の歴史と民族分布,地形や気候の特徴,農業分布・工業の変遷と世界への影響について理解できる。
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11週 |
[アメリカ合衆国] アメリカ合衆国の自然,移民国家としての歴史と文化,世界の食卓に影響を及ぼす農業,世界に大きな影響力を持つ知識産業と資源 |
アメリカ合衆国の移民の歴史と民族分布,地形や気候の特徴,農業分布・工業の変遷と世界への影響について理解できる。
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12週 |
[オセアニア] オセアニアの気候の特徴・自然環境,オセアニアの歴史と多文化社会,オセアニアの産業 |
オセアニア諸国の気候の特徴・自然環境と産業,オーストラリアの移民の歴史,多文化社会への変遷,農業分布,鉱産資源の特徴を理解できる。
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13週 |
[オセアニア] オセアニアの気候の特徴・自然環境,オセアニアの歴史と多文化社会,オセアニアの産業 |
オセアニア諸国の気候の特徴・自然環境と産業,オーストラリアの移民の歴史,多文化社会への変遷,農業分布,鉱産資源の特徴を理解できる。
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14週 |
[地球的課題と国際協力] SDGs,環境問題,資源・エネルギー問題,人口問題,食料問題,都市・居住問題 [自然環境と防災] 日本の自然環境,地震・津波と防災,火山災害と防災,気象災害と防災,自然災害への備え |
複雑にからみ合う地球的課題として,環境問題,資源・エネルギー問題,人口問題,食料問題,都市・居住問題などの解決に向けた,持続可能な社会づくりについて理解できる。 持続可能な地域づくりとして,日本の自然環境の特徴,地震・津波災害,火山災害,気象災害,減災への取り組みついて理解できる。
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15週 |
後期期末試験 |
後期期末試験の実施
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16週 |
後期期末試験の返却・解説 まとめ |
1年間の内容について,総合的に理解できているか確認できる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文社会科学 | 社会 | 社会 | 世界各地の人口、資源、産業の分布や動向、並びにそれらをめぐる地域相互の結びつき等について理解し、現代社会を地理的観点から説明できる。 | 3 | |
人間と自然環境との相互作用を前提としつつ、民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 3 | |
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。 | 2 | |
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。 | 2 | |
第二次世界大戦以降、冷戦の展開と終結、その後現在に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。 | 2 | |
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。 | 2 | |
これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにしつつ、より良いキャリア構築を含む生涯にわたる多様な自己形成に関する考え方、他者と共に生きていくことの重要性、及び望ましい社会や世界のあり方について考察できる。 | 2 | |
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理と基礎的な政治・法・経済の仕組みを理解し、現代社会の諸課題について考察できる。 | 2 | |
現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定し、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から多面的・多角的に考察、構想し、表現できる。 | 2 | |
工学基礎 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | 異文化、多文化について説明できる。 | 3 | |
多様性の概念及びその重要性を説明できる。 | 3 | |
グローバリゼーションの進展により生じた産業、経済、政治への影響及びグローバリゼーションと科学技術との相互作用を説明できる。 | 3 | |
技術者としてグローバルに活動する際に求められる知識、資質、能力について説明できる。 | 3 | |