化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0014 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 東京書籍 化学基礎および化学 / ダイナミックワイド図説化学 / レッツトライノート
担当教員 小松 京嗣

到達目標

我々の身の回りにある物質やその変化・性質を理解するため,「物質の成り立ち」,「原子の構造とそれから発現する性質」,「化学結合」,「化学反応」などの基礎を習得する。高校化学要領基礎化学の目標である「日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化への関心を高め,目的意識を持って観察,実験などを行い,化学的に探究する能力と態度を獲得し,化学の基本的な概念や原理・法則を理解し,科学的な見方,考え方ができるようになる」事を基本目標にする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
学生が、化学的な原理やルールに従い具体的な問題を解く事ができる。教科書の章末問題が独力で解ける。教科書の問題が独力で解ける。教科書の例題が解けない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 工学分野についての幅広い知識と技術を活用できる実践的な能力

教育方法等

概要:
原子の電子配置とイオンの概念を学習する。そして、化学反応における物質の量的関係が物質の量の単位「モル」比で理解されることを学習する。物質の変化や化学反応を,物質を構成する基本粒子である原子,分子,イオンの概念を通して理解していく能力を育成する。
授業の進め方・方法:
一般的な講義に加え、一部アクティブラーニングを取り入れ、調査、ディスカッション、知識の共有を行い、演習によって知識の定着を図る。必要に応じて実験を行い、レポートを提出する。
事前学習として、前回の授業内容を復習し、次回の内容に該当する教科書の記述に目を通しておくこと。事後学習として、教科書傍用問題集を用いて理解度を確認すること。
注意点:
本科目は, 「物理」, 「基礎数学A」, 「基礎数学B」, 「化学特論」に関連する。
目に見えない原子や分子の存在をイメージするうえで,化学の基本法則の理解が重要である。
また,化学では基本単位「モル」を用いる。この化学に特徴的な単位の理解のために,さらに,化学変化の定量性を理解するために,授業前の予習と, 問題集による十分な演習が必要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学と人間生活とのかかわり、数値の扱い 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて理解する。洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて理解する。科学で取り扱う数値、有効数字を理解する。
2週 原子の構造 原子の構造を理解する。同位体を説明できる。
3週 電子配置 電子殻を理解する。最外殻電子、価電子を説明できる。
4週 希ガスの電子配置 オクテット則を説明できる。
5週 物質の成分 純物質と混合物が説明できる。単体と化合物が説明できる。
6週 物質の成分 同素体が説明できる。混合物の分離を理解し、分離法を選択できる
7週 物質の三態 物質を構成する分子・原子が常に運動している事を理解する。物質の三態とその状態変化を説明できる。
8週 試験
2ndQ
9週 イオンとイオン式 オクテット則との関連からイオン化について説明できる。代表的なイオンを化学式で書ける。
10週 元素の周期表 価電子数と元素の性質、周期律を理解する。
11週 イオン結合 静電的な引力による結びつきを理解する。組成式は物質を構成する原子数の比であることを理解する。
12週 共有結合 共有結合を説明できる。構造式を書ける。
13週 電子式と分子の形、分子からなる物質 最外殻電子の重要性を理解する。電子式が書ける。電子式から分子の形を推測できる。どのような物が分子からできているか理解する。
14週 試験返却、解説
15週 電気陰性度と極性 結合に関与する電子の偏りを理解する。
16週 金属結合と金属の結晶 自由電子と金属結合を説明できる。金属の性質を説明できる。
後期
3rdQ
1週 原子量・分子量・式量 相対質量を説明できる。
2週 原子量・分子量・式量 同位体を説明できる。
3週 原子量・分子量・式量 原子量を説明できる。分子量・式量を説明できる。
4週 アボガドロ定数 アボガドロ定数を説明できる。
5週 物質量 物質量を説明できる。
6週 物質量 物質量を用いて、物質の量を表すことができる。実際の1モルを実感する。
7週 物質量 標準状態の気体の体積と物質量の関係を理解する。
8週 試験
4thQ
9週 溶液の濃度 電離について説明できる。電解質、非電解質を区別できる。質量パーセント濃度、モル濃度を説明、計算できる。
10週 化学反応式 化学反応を反応物、生成物、係数を理解し組み立てることができる。
11週 未定係数法、イオン反応式 複雑な化学反応式の係数決定法を理解し、計算できる。反応に関与するイオンだけを記述することができる。
12週 未定係数法、イオン反応式 電荷を含めた考察から化学反応式の係数を決定できる。
13週 化学反応の量的関係 化学反応式の係数の意味と量的関係を説明できる。
14週 化学反応の量的関係 化学反応式を用いて化学量論的な計算ができる。
15週 化学反応の量的関係 化学反応式を用いて過不足のある化学量論的な計算ができる。
16週 試験返却、解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1
物質が原子からできていることを説明できる。3前2
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前5
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前6
純物質と混合物の区別が説明できる。3前5
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前6
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前7
水の状態変化が説明できる。3前7
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前7
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前2
同位体について説明できる。3前2
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前2
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前3
価電子の働きについて説明できる。3前4
原子のイオン化について説明できる。3前9
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前9
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前10
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前10
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前9
イオン結合について説明できる。3前11
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前11
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前11
共有結合について説明できる。3前12
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前13
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前16
金属の性質を説明できる。3前16
原子の相対質量が説明できる。3後1
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3後2,後3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3後4,後5
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3後6
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3後7
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後10,後11,後12
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後13,後14,後15
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3後9
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3後9
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3後9
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3後6
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3後6
測定と測定値の取り扱いができる。3前1
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前1
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3後6
ガラス器具の取り扱いができる。3後6
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3後6
試薬の調製ができる。3後6
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3前6

評価割合

試験演習合計
総合評価割合8020100
基礎的能力601070
専門的能力20525
分野横断的能力055