プロジェクト実習

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 プロジェクト実習
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (前期)教科書は使用せず、講義資料等はLMSで提示する。(後期)配付資料。
担当教員 熊谷 和志,岩井 克全

到達目標

 プロジェクト遂行のためのPDCA(計画-実行-確認-評価)サイクルを理解する。グループ内で協調的して作業を進めることができる。学習成果およびプロジェクトの評価を報告書にまとめ,分かりやすいプレゼンテーションができる。あわせて電気回路の基本的な概念が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
Webページを設計、制作できる。CSSを利用したWebページを、見やすく効果的なものに設計、制作できる。CSSを利用したWebページを設計、制作できる。CSSを利用したWebページを設計、制作できない。
P(計画)D(実行)C(確認)A(評価)サイクルを理解できる。PDCAサイクルの必要性を説明でき、それを実践できる。PDCAサイクルの必要性を説明できる。PDCAサイクルの必要性を説明できない。
グループ内で協調して作業を進めることができる。他の人の意見を聞きながら自分の意見を伝え、目的のための合意形成ができる。他の人の意見を聞きながら自分の意見を伝え、円滑なコミュニケーションができる。他の人の意見を聞いたり、自分の意見を伝えることがあまりできない。
報告書を作成できる。自分の意見を効果的に伝えられる報告書を作成できる。書式に則った報告書を作成できる。書式に則った報告書を作成できない。
簡潔で分かりやすいプレゼンテーションができる。文章や図表を効果的に選択して、見やすく分かりやすい発表資料を作成できる。決められた時間内に、よく通る声で、自分の意見を分かりやすく効果的に伝えることができる。見やすい発表資料を作成できる。決められた時間内に、自分の意見を効果的に伝えることができる。発表資料が整理されていない。発表の声がよく聞こえない。決められた時間を守ることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 1学年の「コンピュータリテラシ」,「総合工学基礎実験」を踏まえ,数週間から数ヶ月の中長期にわたり,学生数人がグループを作り,高専において重要なものづくりの基礎となるプロジェクト型の実習を行う。この実習を通じて,「社会人基礎力」と呼ばれる「職場や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力」について理解し,養うことを目標にする。前期は各コース毎に異なるテーマのプロジェクトに取り組み,後期は電気回路実験を軸に,問題解決型学習へと進める。
授業の進め方・方法:
 前期はWebページ制作を行う。HTML・CSSの基本を学んだ後、5-6名程度のグループに分かれてWebページの制作を行う。3回で基本設計をした後、4回で取材・実装を行う。(事前学習)毎回の授業前までに,授業で行う内容を考えて整理しておくこと。(事後学習)毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ活かす方法を考えること。
 後期は電気回路実験を行う。最初に本プロジェクトの前提となるオシロスコープの使い方、理解のための電気数学を学び、LCRの周波数特性を実験的に理解する。最後に、問題解決型PBLを4名程度のグループにより行う。(事前学習)毎回の授業前までに、授業で行う内容を考えて整理しておくこと。(事後学習)毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ活かす方法を考えること。
注意点:
 1学年の「コンピュータリテラシ」および「総合工学基礎実験」などで学んだ報告書のまとめ方や発表の仕方をより深めて,担当教員への進捗報告,グループメンバー間の知識共有などグループ作業に活かすことが必要である。また,グループで課題を遂行するので,積極的に討論,作業に加わることが必要である。
 自学自習時間においては,前期は1学年の「コンピュータリテラシ」を,後期は1学年の「総合工学基礎実験」および2学年の「電気回路基礎」で学ぶ直流電気回路と交流電気回路の復習をしておくこと。
参考書:HTMLタグ辞典+CSS(アンク著,翔泳社),HTML演習(中島省吾著,(株)SCC)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスおよびHTML・CSS 第1回。HTMLの概要についての講義を行う。さらに、1ページのWebページ作成の演習。 HTML文書の構造を説明できる。
2週 HTML・CSS 第2回。相互リンクを使った複数のWebページについて、講義および演習を行う。 HTML文書間の相互リンクの方法について説明できる。
3週 HTML・CSS 第3回。CSSを用いたレイアウトの調整について、講義および演習を行う。 CSSを利用したWebページ作成について説明できる。
4週 HTML・CSS 第4回。CSSを用いて統一されたデザインを持つ複数のWebページを作成する。 各汎用的技能を用いることができる。
5週 グループ実習第1回。グループごとにWebページを企画・設計する。Webページのテーマを決定する。 合意のための基本的な方法や合意形成のための集団における個々の役割を理解している。
6週 グループ実習第2回。決定したテーマに従い、各ページに載せるコンテンツやレイアウトを決定し、外部設計書の作成に取りかかる。 書式にかなった文書を作成できる。
7週 グループ実習第3回。外部設計書を完成させる。 書式にかなった文書を作成できる。
8週 グループ実習第4回。発表。各グループで完成させた外部設計書について発表する。 コミュニケーションにおいて口述、記述、図表、グラフィックス等を効果的に選択することができる。
2ndQ
9週 グループ実習第5回。外部設計書に従って、Webページを制作する。 ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。
10週 グループ実習第6回。外部設計書に従って、Webページを制作する。 ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。
11週 グループ実習第7回。外部設計書に従って、Webページを制作する。 ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。
12週 グループ実習第8回。外部設計書に従って、Webページを完成させる。 ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。
13週 グループ実習第9回。発表。各グループで完成させたWebページについて発表する。また、ピアレビューで相互に評価する。 コミュニケーションにおいて口コミュニケーションにおいて口述、記述、図表、グラフィックス等を効果的に選択することができる。
14週 グループ実習第10回。報告書作成。Webページデータと報告書の提出を行う。 コミュニケーションにおいて口述、記述、図表、グラフィックス等を効果的に選択することができる。
15週 予備/作品詳細閲覧 各グループの作品を詳細に閲覧し合う。
16週 予備/作品詳細閲覧 各グループの作品を詳細に閲覧し合う。
後期
3rdQ
1週 電気数学 直流回路網の電流・電圧を測定し,各部の抵抗値や合成抵抗を求めることができる。
2週 電気数学 直流回路網の電流・電圧を測定し,各部の抵抗値や合成抵抗を求めることができる。
3週 電気数学 直流回路網の電流・電圧を測定し,各部の抵抗値や合成抵抗を求めることができる。
4週 レポートの書き方I 実験内容を事前に実験ノートにまとめられる。
5週 レポートの書き方II 測定したデータを基にグラフを書くことができる
6週 レポートの書き方III 実験について報告書にまとめることができる
7週 レポートの書き方IV 実験について報告書にまとめることができる
8週 オシロスコープの使い方1回目 オシロスコープの基本的な操作ができるようになる。
4thQ
9週 オシロスコープの使い方2回目 オシロスコープの基本的な操作ができるようになる。
10週 オシロスコープの使い方3回目 オシロスコープの基本的な操作ができるようになる。
11週 交流素子の基礎実験第1回目 抵抗、コンデンサ、コイルの素子単体をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
12週 交流素子の基礎実験第2回目 抵抗、コンデンサ、コイルの素子単体をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
13週 交流素子の基礎実験第3回目 抵抗、コンデンサ、コイルの素子単体をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
14週 交流素子の基礎実験第4回目 抵抗、コンデンサ、コイルの素子単体をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
15週 交流素子の基礎実験第5回目 抵抗、コンデンサ、コイルの素子単体をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
16週 RC過渡現象 RC過渡現象が観測できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2後4,後5,後6,後7,後11,後12,後13,後14,後15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2後4,後5,後6,後7,後11,後12,後13,後14,後15
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3後1,後2,後3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3後1,後2,後3
計測オシロスコープの動作原理を説明できる。3後8,後9,後10
情報系分野その他の学習内容少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2後11,後12,後13,後14,後15
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2後11,後12,後13,後14,後15
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2後11,後12,後13,後14,後15
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2後11,後12,後13,後14,後15
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2後11,後12,後13,後14,後15
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2後11,後12,後13,後14,後15
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

報告書課題・レポート発表会合計
総合評価割合553015100
前期25101550
後期3020050