到達目標
プロジェクト遂行のためのPDCA(計画-実行-確認-評価)サイクルを理解する。グループ内で協調して作業を進めることができる。学習成果およびプロジェクトの評価を報告書にまとめ,分かりやすいプレゼンテーションができる。あわせて電気回路の基本的な概念が理解できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
マイクロコンピュータを使うことができる。 | 実習テキストに記載された使用方法を適切に理解し、開発ツールを操作し、マイクロコンピュータを正しく動作させられる。 | 開発ツールを操作し、マイクロコンピュータを動作させられる。 | マイクロコンピュータを正しく動作させられない。 |
P(計画)D(実行)C(確認)A(評価)サイクルを理解できる。 | PDCAサイクルの必要性を説明でき、それを実践できる。 | PDCAサイクルの必要性を説明できる。 | PDCAサイクルの必要性を説明できない。 |
グループ内で協調して作業を進めることができる。 | 他の人の意見を聞きながら自分の意見を伝え、目的のための合意形成ができる。 | 他の人の意見を聞きながら自分の意見を伝え、円滑なコミュニケーションができる。 | 他の人の意見を聞いたり、自分の意見を伝えることがあまりできない。 |
報告書を作成できる。 | 自分の意見を効果的に伝えられる報告書を作成できる。 | 書式に則った報告書を作成できる。 | 他の人の意見を聞いたり、自分の意見を伝えることがあまりできない。発表資料が整理されていない。発表の声がよく聞こえない。決められた時間を守ることができない。 |
簡潔で分かりやすいプレゼンテーションができる。 | 文章や図表を効果的に選択して、見やすく分かりやすい発表資料を作成できる。決められた時間内に、よく通る声で、自分の意見を分かりやすく効果的に伝えることができる。 | 見やすい発表資料を作成できる。決められた時間内に、自分の意見を効果的に伝えることができる。 | 発表資料が整理されていない。発表の声がよく聞こえない。決められた時間を守ることができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
1学年の「コンピュータリテラシ」,「総合工学基礎実験」を踏まえ,数週間から数ヶ月の中長期にわたり,学生数人がグループを作り,高専において重要なものづくりの基礎となるプロジェクト型の実習を行う。この実習を通じて,「社会人基礎力」と呼ばれる「職場や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力」について理解し,養うことを目標にする。前期は各コース毎に異なるテーマのプロジェクトに取り組み,後期は電気回路実験を軸に,問題解決型学習へと進める。
授業の進め方・方法:
前期はマイクロコンピュータの実習を中心として授業を進める。講義資料(スライド、サンプルプログラム等)はLMSで提示、または、プリントを配布する。また、毎回の授業ではリフレクションシートの提出を課す。最後に、問題解決型PBLを数名程度のグループにより行う。
(事前学習)授業前にBlackboardにアップロードされている授業資料を読み、予習しておくこと。(事後学習)マイコンシミュレータを用いた復習を行い、理解を深めること。
後期は電気回路実験を行う。最初に本プロジェクトの前提となるオシロスコープの使い方、理解のための電気数学を学び、LCRの周波数特性を実験的に理解する。最後に、問題解決型PBLを4名程度のグループにより行う。
(事前学習)毎回の授業前までに、授業で行う内容を考えて整理しておくこと。(事後学習)毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ活かす方法を考えること。
注意点:
1学年の「コンピュータリテラシ」および「総合工学基礎実験」などで学んだ報告書のまとめ方や発表の仕方をより深めて,担当教員への進捗報告,グループメンバー間の知識共有などグループ作業に活かすことが必要である。また,グループで課題を遂行するので,積極的に討論,作業に加わることが必要である。
授業中はこまめにメモを取り集中して修得に臨み、授業終了時にリフレクションシートを提出すること。なお、実習の時は筆記用具、実習ノート、リフレクションシートと資料を保管するファイル、USBメモリを持参すること。
自学自習時間においては,2学年の「電気回路基礎」で学ぶ直流電気回路の復習をしておくこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
プロジェクト実習の日程、IEコースの実習内容、注意事項を理解する。実習を通してArduinoシミュレータの操作手順を修得する。
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2週 |
プログラミングの基礎1 |
Arduinoシミュレータ上でのLEDとSWを用いた演習を通して、回路設計の注意点や電子部品の電気的特性を理解する。マイクロコンピュータのプログラミングの基礎を理解する。
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3週 |
プログラミングの基礎2 |
Arduinoシミュレータ上で複数のLEDと複数のSWを用いた演習を通して、入出力の概念と条件判断・条件分岐の考え方を理解する。また、Arduinoシミュレータの操作を修得する。
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4週 |
プログラミングの基礎3 |
ブレッドボードの利用法を学び、Arduinoシミュレータ上で電子部品を配置・配線する手順を理解する。LEDの点灯制御を行う演習を通し、繰り返し処理の表記法と動作の特徴を理解する。
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5週 |
プログラミングの基礎4 |
Arduinoシミュレータ上で電子部品を配置・配線する手順を理解する。複数のLEDと複数のSWを用いた点灯制御を行う演習を通し、繰り返し処理の表記法と動作の特徴を理解する。
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6週 |
プログラミングの基礎5 |
プッシュスイッチの電気的特性を学び、Arduinoシミュレータ上で種類の異なるSWを用いたLEDの点灯制御を行う演習を通し、複雑な条件判断・条件分岐の記述法を理解する。
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7週 |
プログラミングの基礎6 |
プッシュスイッチの電気的特性を学び、Arduinoシミュレータ上で種類の異なるSWを用いたLEDの点灯制御を行う演習を通し、複雑な条件判断・条件分岐の記述法を理解する。
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8週 |
Arduinoを用いた実習1 |
ワイヤストリッパの使用法を学び、適切な長さの電線を用意できる。Arduinoプログラミング開発環境の使用法を修得する。LEDとSWを使用する演習を通して、マイクロコンピュータのプログラミング開発手順を修得する。
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2ndQ |
9週 |
Arduinoを用いた実習2 |
複数のLEDとSWを使用する演習を通して、複数のLEDの点灯を制御する手法とプログラミングを修得する。
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10週 |
Arduinoを用いた実習3 |
CdSセルの電気的特性を理解する。複数のLED、SWとCdSセルを使用する演習を通して、アナログ-ディジタル変換の表記法とプログラミングを習得する。
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11週 |
Arduinoを用いた実習4 |
パルス信号の特徴とPWM信号の電気的特性を理解する。複数のLEDの明るさを制御する演習を通して、PWM信号生成の表記法をプログラミングを習得する。
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12週 |
Arduinoを用いた実習5 |
流れ図による処理手順の表記法(フローチャート図)を理解する。DC小型ファンの回転速度を制御する演習を通して、PWM信号の応用を理解しプログラミングを習得する。
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13週 |
PBL1 |
チャタリングの電気的特性を学び、チャタリングの影響を回避する手法を理解する。これまでに修得した知識とプログラミング技術を組み合わせて課題に取り組み、グループ内で協調して成果をまとめられる。
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14週 |
PBL2 |
これまでに修得した知識とプログラミング技術を組み合わせて課題に取り組み、グループ内で協調して成果をまとめられる。
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15週 |
PBL3 |
これまでに修得した知識とプログラミング技術を組み合わせて課題に取り組み、PBLの課題についてグループ内で協調して成果をまとめられる。
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16週 |
PBL4 |
これまでに修得した知識とプログラミング技術を組み合わせて課題に取り組み、PBLの課題についてグループ内で協調して成果をまとめ、発表できる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
電気数学 |
直流回路網の電流・電圧を測定し,各部の抵抗値や合成抵抗を求めることができる。
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2週 |
電気数学 |
直流回路網の電流・電圧を測定し,各部の抵抗値や合成抵抗を求めることができる。
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3週 |
電気数学 |
直流回路網の電流・電圧を測定し,各部の抵抗値や合成抵抗を求めることができる。
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4週 |
レポートの書き方I |
実験内容を事前に実験ノートにまとめられる。
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5週 |
レポートの書き方II |
測定したデータを基にグラフを書くことができる
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6週 |
レポートの書き方III |
実験について報告書にまとめることができる
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7週 |
レポートの書き方IV |
実験について報告書にまとめることができる
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8週 |
オシロスコープの使い方1回目 |
オシロスコープの基本的な操作ができるようになる。
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4thQ |
9週 |
オシロスコープの使い方2回目 |
オシロスコープの基本的な操作ができるようになる。
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10週 |
オシロスコープの使い方3回目 |
オシロスコープの基本的な操作ができるようになる。
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11週 |
交流素子の基礎実験第1回目 |
抵抗、コンデンサ、コイルの直並列回路をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
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12週 |
交流素子の基礎実験第2回目 |
抵抗、コンデンサ、コイルの直並列回路をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
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13週 |
交流素子の基礎実験第3回目 |
抵抗、コンデンサ、コイルの直並列回路をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
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14週 |
交流素子の基礎実験第4回目 |
抵抗、コンデンサ、コイルの直並列回路をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
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15週 |
交流素子の基礎実験第5回目 |
抵抗、コンデンサ、コイルの直並列回路をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
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16週 |
RC過渡現象 |
RC過渡現象が観測できる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。 | 3 | 後16 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
計測 | オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 3 | 後8,後9,後10 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
評価割合
| 報告書 | 課題・レポート | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
前期 | 30 | 20 | 50 |
後期 | 30 | 20 | 50 |