電気回路基礎

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気回路基礎
科目番号 0019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「電気回路の基礎 第3版」 西巻正郎・森武昭・荒井俊彦(森北出版)
担当教員 林 忠之,佐々木 正明

到達目標

・直流回路の合成抵抗,電流,電圧を各種定理を用いて速く正確に計算できる。
・交流回路の極表示,フェーザ表示,複素数表示を理解できる。
・交流回路における抵抗,インダクタンス,キャパシタンスそれぞれの性質を理解し,電流と電圧について計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
直流回路の理解度複雑な直並列回路の合成抵抗,電圧,電流をオームの法則,キルヒホッフの法則,重ねの理,鳳・テブナンの定理を駆使して,自由自在に計算することができる。簡単な直並列回路の合成抵抗,電圧,電流をオームの法則,キルヒホッフの法則,重ねの理,鳳・テブナンの定理を駆使して,自由自在に計算することができる。簡単な直並列回路の合成抵抗,電圧,電流をオームの法則,キルヒホッフの法則の定理を駆使して,計算することができない。
正弦波交流回路の瞬時値,フェーザ表示,複素数表示に関する理解度正弦波交流回路の瞬時値表示,フェーザ表示,複素数表示を理解し,それらを自在に変換できる。正弦波交流回路の瞬時値表示,フェーザ表示,複素数表示を理解できる。正弦波交流回路の瞬時値表示,フェーザ表示,複素数表示を理解できない。
正弦波交流回路における抵抗,インダクタンス,キャパシタンスそれぞれの性質に関する理解度正弦波交流回路における抵抗,インダクタンス,キャパシタンスそれぞれの性質を理解し,各素子における電圧および電流波形から,瞬時値,極表示,および,電圧,電流のフェーザ表示を表現できる。正弦波交流回路における抵抗,インダクタンス,キャパシタンスそれぞれの性質を理解し,各素子における電圧および電流の極表示,および,電圧,電流のフェーザ表示を表現できる。正弦波交流回路における抵抗,インダクタンス,キャパシタンスそれぞれの性質を理解し,各素子における電圧および電流の極表示,および,電圧,電流のフェーザ表示を表現できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気量と回路素子の物理的意味と計算法,直流回路網の合成抵抗,電流,電圧の計算法,キルヒホッフの法則,及び各種定理を用いた計算法を学習する。さらに,交流回路の極表示,フェーザ表示,複素数表示を理解し,インピーダンス,アドミタンスの計算と,その直列接続,並列接続における電流,電圧の計算法も学習する。直流回路・交流回路の諸定理,計算法など電気回路の基礎知識を修得する。
授業の進め方・方法:
[事前学習]次回の授業内容,テキスト内容を確認しておくこと。[事後学習]授業後の復習を毎回欠かさず行うこと。授業は,教科書の内容に基づき,板書によるノートを中心にして進める。授業中に実施する演習の問題の解法については良く復習して,完全に理解するよう努めることが重要である。各章において,まとめのテキストならびに演習問題を解いて回路解析力を養う。毎回の授業前までに、授業で行う内容と意義を考えて整理しておくこと。
注意点:
 基本的な電気回路演習を解くことにより,回路解析法などの理解を深める。三角関数,複素数などの知識も必要である。3年生の「電気回路」,電子回路関連科目に継続されるので,基礎知識をしっかり身につけることが重要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 基礎電気量(抵抗,電流,電圧,電力,電力量) 基礎電気量と回路素子の物理的な意味を理解し,計算ができる。
2週 回路要素の基本的性質 直流と交流の概念,回路要素とその性質,過渡現象の概念が理解できる。
3週 直流回路の基本 直流電源の性質,オームの法則,抵抗の直列接続と分圧を理解できる。
4週 直流回路の基本 抵抗の並列接続と分流を理解できる。
5週 直流回路網 直流回路網の合成抵抗,電流,電圧を理解できる。
6週 直流回路網 直流回路網のΔ-Y変換を理解できる。
7週 演習 直流回路網の合成抵抗,電流,電圧を自在に計算できる。
8週 ホイートストンブリッジ回路 ホイートストンブリッジ回路の平衡条件を理解できる。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 直流回路網の基本定理 キルヒホッフの電流則,電圧則を理解できる。
11週 直流回路網の基本定理 網目電流法を理解できる。
12週 演習 より複雑な直流回路網に関して,キルヒホッフの法則を利用して,電流,電圧を自在に計算できる。
13週 直流回路網の諸定理 重ねの理を理解できる。
14週 直流回路網の諸定理 鳳-テブナンの定理を理解できる
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解説 前期期末試験の答案返却と解説
後期
3rdQ
1週 直流回路網の諸定理 ノートンの定理を理解できる。
2週 交流回路計算の基本 複素数表示,極表示を理解できる。
3週 正弦波交流 正弦波交流において,瞬時値表示を理解できる。
4週 正弦波交流 正弦波交流において,平均値,実効値を理解できる。
5週 正弦波交流のフェーザ表示と複素数表示 正弦波交流において,フェーザ表示を理解できる。
6週 正弦波交流のフェーザ表示と複素数表示 正弦波交流において,複素数表示を理解できる。
7週 演習 交流波形の平均値,実効値が計算できる。
8週 演習 正弦波交流において,瞬時値表示,フェーザ表示,複素数表示を自在に変換できる。
4thQ
9週 後期中間試験 交流回路の抵抗,インダクタンス,キャパシタンスのインピーダンスを計算できる。
10週 交流における回路要素の性質と基本関係式 交流における抵抗の性質が理解できる。
11週 交流における回路要素の性質と基本関係式 交流におけるインダクタンスの性質が理解できる。
12週 交流における回路要素の性質と基本関係式 交流におけるキャパシタンスの性質が理解できる。
13週 演習 インピーダンスの計算ができる。
14週 演習 抵抗,インダクタンス,キャパシタンスの電流,電圧を自在に計算できる。
15週 後期期末試験 後期期末試験の実施
16週 後期期末試験の返却 後期期末試験の答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前8
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3前1
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3後2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3後4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3後5
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3後14
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3後8
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3後5
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3後13
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。2
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3前12
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3
共振について、実験結果を考察できる。3

評価割合

試験演習合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100