プロジェクト実習Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 プロジェクト実習Ⅰ
科目番号 0019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 各教員が配布する資料を用いる。
担当教員 脇山 俊一郎,岩井 克全,小林 秀幸

到達目標

 プロジェクト遂行のためのPDCA(計画-実行-確認-評価)サイクルを理解する。グループ内で協調して作業を進めることができる。学習成果およびプロジェクトの評価を報告書にまとめ,分かりやすいプレゼンテーションができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
通信とネットワークに関する基本的な実習を行うことができる。実習テキストに記載された項目を適切に理解し、通信とネットワークに関する基本的な実習を行うことができる。通信とネットワークに関する基本的な実習を行うことができる。通信とネットワークに関する基本的な実習を行うことができない。
P(計画)D(実行)C(確認)A(評価)サイクルを理解できる。PDCAサイクルの必要性を説明でき、それを実践できる。PDCAサイクルの必要性を説明できる。PDCAサイクルの必要性を説明できない。
グループ内で協調して作業を進めることができる。他の人の意見を聞きながら自分の意見を伝え、目的のための合意形成ができる。他の人の意見を聞きながら自分の意見を伝え、円滑なコミュニケーションができる。他の人の意見を聞いたり、自分の意見を伝えることがあまりできない。
報告書を作成できる。自分の意見を効果的に伝えられる報告書を作成できる。書式に則った報告書を作成できる。書式に則った報告書を作成できない。
簡潔で分かりやすいプレゼンテーションができる。文章や図表を効果的に選択して、見やすく分かりやすい発表資料を作成できる。決められた時間内に、よく通る声で、自分の意見を分かりやすく効果的に伝えることができる。見やすい発表資料を作成できる。決められた時間内に、自分の意見を効果的に伝えることができる。発表資料が整理されていない。発表の声がよく聞こえない。決められた時間を守ることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 工学分野についての幅広い知識と技術を活用できる実践的な能力
学習・教育到達度目標 4 技術者として社会的役割や責任を自覚して行動する姿勢

教育方法等

概要:
 1学年の「コンピュータリテラシ」,「総合工学基礎」を踏まえ,数週間から数ヶ月の中長期にわたり,学生数人がグループを作り,高専において重要なものづくりの基礎となるプロジェクト型の実習を行う。この実習を通じて,「社会人基礎力」と呼ばれる「職場や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力」について理解し,養うことを目標にする。各コース毎に異なるテーマのプロジェクトに取り組む。
授業の進め方・方法:
 後期に情報通信コースの特徴を理解できるような入門的なプロジェクトを実施する。クラスを半分に分け,A:通信系とB:ネットワーク系の2テーマをそれぞれ7週ずつでまわす。(事前学習)毎回の実習前までに,配布資料を読み,実習で行う内容と意義を考えて整理しておくこと。(事後学習)毎回の実習後に,ワークシートを記入し,実習で学んだことを振り返り,今後へ活かす方法を考えること。
注意点:
 1学年の「コンピュータリテラシ」および「総合工学基礎」などで学んだ報告書のまとめ方や発表の仕方をより深めて,担当教員への進捗報告,グループメンバー間の知識共有などグループ作業に活かすことが必要である。また,グループで課題を遂行するので,積極的に討論,作業に加わることが必要である。
 授業中は担当教員の話をよく聞く他,毎回こまめに実習ノートにメモをとることが大切であり,その習慣を身につけること。各実習テーマ終了後速やかにワークシートを記入し,提出すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
※以降,2グループで,下記テーマA,Bを回す。
実験・実習に関する動機づけが行われる。
2週 実習テーマA: 通信工学実習
(1)無線設備見学
エリア放送やレーダなど,学内の無線設備を見学し,それらの概要について理解する。
3週 実習テーマA: 通信工学実習
(2)無線電波受信実習
ソフトウェア受信機を用いて各種電波を受信し,それぞれの電波の特性や情報伝達のしくみを理解する。
4週 実習テーマA: 通信工学実習
(3)無線通信実習
特定小電力無線機を用いて,無線機の操作方法や業務無線通信での交信方法を習得・実践できる。
5週 実習テーマA: 通信工学実習
(4)無線通信応用実習1
特定小電力無線を使った学内非常通信網を構築するとともに,策定した非常通信のシナリオをもとに通信訓練が行える。
6週 実習テーマA: 通信工学実習
(5)無線通信応用実習2
無線通信応用実習1で実施した特定小電力無線を使った非常通信について,問題点を洗い出しその改善策を講じ,再度通信訓練を行い,評価することができる。
7週 実習テーマA: 通信工学実習
(6)無線通信応用実習3
通信工学実習(3)~(5)で利用した特定小電力無線の通信環境に加え、中継器を利用した環境についても通信実験を行い、中継器利用によるメリットを評価することができる。
8週 実習テーマA: 通信工学実習
(7)通信工学実習のまとめ
実習についての適切なプレゼンテーションが行える。
4thQ
9週 実習テーマB: ネットワーク構築実習
(1)有線ネットワーク接続実習
提示された手順に従って,パソコンをネットワークに有線接続し,インターネット上のWebサイトが閲覧できる。
10週 実習テーマB: ネットワーク構築実習
(2)インターネット空間の識別
IPアドレスとドメイン名の基本を理解するとともに,DNSの役割を説明できる。
11週 実習テーマB: ネットワーク構築実習
(3)インターネットのネットワーク間接続の把握
ルータの役割を理解するとともに,インターネットがどのようにつながっているのかを,適切なコマンドを使いながら調べることができる。
12週 実習テーマB: ネットワーク構築実習
(4)無線ネットワーク接続実習
提示された手順に従って無線ルータを設定し,パソコンをネットワークに無線接続し利用できる。
13週 実習テーマB: ネットワーク構築実習
(5)無線ルータの機能と無線接続の注意点
第10週での学習内容と関連付けながら,無線ルータの各種機能を説明できる。無線接続での注意すべき事柄を説明できる。
14週 実習テーマB: ネットワーク構築実習
(6)ネットワーク構築実習のまとめ1
実習についてのプレゼンテーション資料が作成できる。
15週 実習テーマB: ネットワーク構築実習
(7)ネットワーク構築実習のまとめ2
実習についての適切なプレゼンテーションが行える。
16週 実習テーマA: 通信工学実習と実習テーマB: ネットワーク構築実習予備日 参加できなかった実習テーマAとBの実習が行える。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術工学実験技術実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3後1,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。3
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2後8,後15
基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

報告書課題・レポート合計
総合評価割合6040100
後期6040100