歴史総合

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 歴史総合
科目番号 0030 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『新歴史総合』(第一学習社)
担当教員 朱 琳

到達目標

・日本と世界が過去を通してどのようにつながっていくか、世界の一体化の歩みを把握することができるようになる。
・地図、一次史料、二次史料を通して、歴史と現在の地域紛争・環境問題・移民問題との関係を説明することができるようになる。
・世界の文化や価値観の多様性を認識し、異なる文化圏の人々の立場を理解することができるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
近代化の歩み18世紀~19世紀の近代化と国民国家の形成史、日本が組み込まれていく帝国主義の展開史を理解し、基本用語のみならず、近代化の歴史が現代社会に与えた影響を説明することができる。18世紀~19世紀の近代化と国民国家の形成史、日本が組み込まれていく帝国主義の展開史を理解し、教科書の言葉で関連する基本用語を説明することができる。18世紀~19世紀の近代化と国民国家の形成史、日本が組み込まれていく帝国主義の展開史を理解できず、教科書を使っても基本用語を説明することができない。
国際秩序の変化と大衆社会二回の世界大戦の歴史と国際社会に対する影響を把握し、基本用語のみならず、20世紀における日本を含む国際秩序の変化を説明することができる。二回の世界大戦の歴史と国際社会に対する影響を把握し、教科書の言葉で関連する基本用語を説明することができる。二回の世界大戦の歴史と国際社会に対する影響を把握できず、教科書を使っても関連する基本用語を説明することができない。
現代社会のグロバール化1950年代以後のグロバール社会の形成と現代日本とのかかわりを理解し、基本用語のみならず、国際社会における日本の位置づけを説明することができる。1950年代以後のグロバール社会の形成と現代日本とのかかわりを理解し、教科書の言葉で関連する基本用語を説明することができる。1950年代以後のグロバール社会の形成と現代日本とのかかわりを理解できず、教科書を使っても関連する基本用語を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 4 技術者として社会的役割や責任を自覚して行動する姿勢

教育方法等

概要:
未来を切り開くためには、過去を知り、過去から学ぶ必要がある。近代化の始まりから20世紀に至る世界の歴史の流れをたどりながら、現在にも通じる歴史問題の重みを認識し、引き継ぐべき人類の遺産を再確認する。そして、世界の文化や価値観の多様性を認識し、異なる文化圏の人々の立場を理解できるようにしたい。
授業の進め方・方法:
授業の進め方:
 ・授業は講義形式を中心とするが、時には一次史料・二次史料を活用しながら、学生同士でディスカッションする時間を設ける。
 ・毎回事前に予習・復習用の課題シートを配布し、翌週の授業後に回収する。課題シートの提出・完成状況に基づき平常点を評価するので、忘れ物をしないこと。
事前学習:
 ・スライドを使い授業を行うので、事前に教科書を読んだり、関連動画を視聴したり予習すること。
 ・課題シートを完成すること。
事後学習:
 ・国際社会で起きた出来事・問題についてその歴史的背景と関連づけて、その理由・日本との関わりなどを考えること。
注意点:
・授業中に集中し、分からないことがあったら積極的に質問すること。
・歴史の基本用語・人物名などを暗記だけではなく、それに関連する歴史事件の因果関係や後世への影響を理解しようと心掛けること。
・日頃から本や新聞などを読み、過去のできごとと現在の国際社会の諸問題がどのようにつながっているか、常に考える姿勢をもつ。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、歴史の勉強法 授業の進め方を理解する。
歴史的な考え方を知り、様々な史料の特徴・資料の調べ方を学ぶ
2週 18世紀のアジアの繁栄
中国の朝貢貿易と冊封体制、清・日本・朝鮮の経済と社会
18世紀における清を中心とした国際秩序を理解できる。
3週 工業化の進展と国民国家の建設①
太平洋三角貿易、啓蒙思想、産業革命
18世紀以後、ヨーロッパ諸国の世界進出と産業革命の影響を理解できる。
4週 工業化の進展と国民国家の建設②
アメリカ独立革命、フランス革命
アメリカ独立革命とフランス革命の意義を理解できる。
5週 工業化の進展と国民国家の建設③
ウィーン体制と諸国民の春、イギリス帝国の強大化
ナポレオン帝政以後のヨーロッパ国際秩序とナショナリズムの勃興を理解できる
6週 工業化の進展と国民国家の建設④
ロシア・イタリア・ドイツの近代化、アメリカの膨張
19世紀ロシアの専制政治、イタリアとドイツの統一をたどり、「上からの近代化」の意味を理解できる。
7週 結びつく世界と日本の開国①
オスマン帝国、エジプトの動揺と改革、インドの植民地化
ヨーロッパ諸国のアジア進出が現地に与えた影響を理解できる。
8週 前期中間試験
これまでの知識の定着度を確認する。
2ndQ
9週 前期中間試験返却・解説
結びつく世界と日本の開国②
清と日本の開国、日本の近代化
前期中間試験の解説と振り返り
ヨーロッパ諸国のアジア進出が日本と中国に与えた影響を理解できる
10週 結びつく世界と日本の開国③
明治期日本の外交、日本の立憲体制の確立
19世紀の日本と清・朝鮮・ロシアとの関係と外交政策を把握し、日本の立憲体制の多面性を理解できる。
11週 帝国主義とアジア諸国の変容①
第2次産業革命と欧米諸国の世界政策、アジア・アフリカの植民地化
19世紀末の帝国主義の成立とアジア・アフリカの分割を理解できる。
12週 帝国主義とアジア諸国の変容②
日清戦争、日露戦争
明治期の日本・中国・朝鮮の関係を理解できる。
13週 帝国主義とアジア諸国の変容③
中華民国の成立、日本の産業の発展と国民統合
日本の近代化の多面性を理解できる。
14週 第一次世界大戦と大衆社会①
第一次世界大戦と日本の参戦、ロシア革命とシベリア出兵
第一次世界大戦の勃発の原因を把握し、戦時中と戦後における日本と中国・ソ連との関係を理解できる。
15週 前期期末試験 これまでの知識の定着度を確認する。
16週 前期期末試験返却・解説 前期期末試験の解説と振り返り
後期
3rdQ
1週 第一次世界大戦と大衆社会②
ヴェルサイユ=ワシントン体制
第一次世界大戦後の国際秩序を理解できる。
2週 第一次世界大戦と大衆社会③
アメリカの繁栄、日本の政党政治
アメリカと日本を通して、20世紀前期の大衆社会の形成を理解できる。
3週 経済危機と第二次世界大戦①
世界恐慌と各国の対応
世界恐慌とファシズムの台頭との関係を理解できる。
4週 経済危機と第二次世界大戦②
満州事変、日中戦争
20世紀前期におけるファシズムの拡大と日中対立の深刻化を理解できる。
5週 経済危機と第二次世界大戦③
第二次世界大戦の勃発、太平洋戦争
第二次世界大戦と日本との関係を理解できる。
6週 第二次世界大戦後の世界と日本①
第二次世界大戦の終結、冷戦のはじまり
第二次世界大戦の終結と戦後の国際秩序を理解できる。
7週 第二次世界大戦後の世界と日本②
GHQのの日本占領、中華人民共和国の成立、朝鮮戦争
占領下の日本の変化を把握し、東アジアに及んだ冷戦の影響を理解できる。
8週 後期中間試験 これまでの知識の定着度を確認する。
4thQ
9週 後期中間試験返却・解説
第二次世界大戦後の世界と日本③
後期中間試験の解説と振り返り
日本の独立後の変化と平和運動の意義を理解できる。
10週 冷戦と脱植民地化・第三世界の台頭①
アジア・アフリカ諸国の独立、キューバ危機
第三世界の台頭と冷戦期の各国の動きを理解できる。
11週 冷戦と脱植民地化・第三世界の台頭②
日本の高度成長、ベトナム、文化大革命
日本の高度成長の多面性を把握し、20世紀中期の中国・ソ連・アメリカの関係を理解できる。
12週 世界秩序の変容と日本①
石油危機、バブル経済
20世紀後半の中東紛争とイスラーム復興運動との関係を理解できる。
13週 世界秩序の変容と日本②
ソ連の消滅、湾岸戦争、9・11テロ事件
冷戦終結に伴う国際社会の安定化と新たな混乱を生じている現状を理解できる。
14週 世界秩序の変容と日本③
EU・ASEAN・APECなどの成立、現代日本の諸問題
持続可能な社会を実現する重要性と現在直面している課題を理解できる。
15週 後期期末試験 これまでの知識の定着度を確認する。
16週 後期期末試験返却・解説 後期期末試験の解説と振り返り

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。2前1,前4,前6,前7,前9,後1,後12,後13,後14
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3前11,前12,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後8,後16
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3前9,前10,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後10,後12,後13
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。2前2,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後4,後5

評価割合

試験ポートフォリオ合計
総合評価割合8020100
基礎的能力601575
分野横断的能力20525