回路実習基礎Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 回路実習基礎Ⅰ
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント他
担当教員 今井 裕司,岩井 克全

到達目標

並列開講している電気回路基礎の基礎知識をもとに,直流回路,交流回路に関する基礎的な実習を通して,実験機材の安全な使用方法,グラフや表のまとめ方,レポートの作成方法,発表資料の作成とプレゼンテーション方法の習得を目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
直流回路の実習直流回路の基本的な動作と使用方法を十分に理解し,回路構築と回路の動作を十分に考察できる。直流回路の基本的な動作と使用方法を理解し,回路を構築して回路の動作を理解できる。直流回路の基本的な動作と使用方法を理解できず,回路を構築できない。
交流回路の実習交流回路の基本的な動作と使用方法を十分に理解し,回路構築と回路の動作を十分に考察できる。交流回路の基本的な動作と使用方法を理解し,回路を構築して回路の動作を理解できる。交流回路の基本的な動作と使用方法を理解できず,回路を構築できない。
実験機器の使用方法電源,オシロスコープなどの実験機器の使用方法を十分に理解し,安全に実験を進めることが出来る。電源,オシロスコープなどの実験機器を使用し,安全に実験を進めることが出来る。実験機器の使用方法を理解できず,実験を進めることが出来ない。
実習レポートの作成実験結果を表やグラフにまとめて考察し,自分を意見を効果的に伝えられる報告書を作成できる。書式に則った報告書を作成できる。書式に則った報告書を作成できない。
発表資料の作成とプレゼンテーション文章や図表を効果的に用いて,見やすく分かりやすい発表資料を作成できる。決められた時間内に,自分の意思をわかりやすく効果的に伝えることが出来る。見やすく分かりやすい発表資料を作成し,決められた時間内に,自分の意思を効果的に伝えることが出来る。発表資料が整理されていない。発表の声が良く聞こえない。決められた発表時間を守ることが出来ない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 工学分野についての幅広い知識と技術を活用できる実践的な能力

教育方法等

概要:
2学年で並列開講されている「電気回路基礎」,「電気回路演習」の基礎知識をもとに,基礎的な直流回路,交流回路に関する実習を行う。本実習を通じて,電気回路の理解を深めるとともに,電源,オシロスコープなどの計測機器の安全な使用方法を習得する。また,グラフや表のまとめ方,実習レポートの書き方や発表資料の作成方法,発表方法を身に付け,自分の意見を効果的に伝える能力を身に付ける。
授業の進め方・方法:
実習では3~5人一組で班を構成し,実習テーマについて取り組んでいく。実習をすべて完了し実習報告書をまとめることが必須である。実習テーマごとに到達目標を達成できるように実験スキル評価を行い,実習の到達レベルを学生自ら評価する。
事前学習:次回の授業について,実習内容を理解し必要な準備を行うこと。
事後学習:各テーマの実習終了後,実習レポートの作成を行って授業を振り返り理解を深めること。
注意点:
未実施の実習,実習レポート未提出がある場合,不合格となるので計画的に取り組むこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,回路実習の意義 電気,電子系の実験を安全に行うための基本知識を理解できる。実験ノートのまとめ方,実験方法の基礎を理解できる。
2週 直流回路の基礎実験① 電圧,電流,抵抗,電力などの電気諸量の測定,計算ができる。
3週 報告書の書き方講習会 工学的な報告書の書き方を理解できる。
4週 報告書のまとめ(直流回路の基礎実験①) 直流回路の基礎実験①の実験を報告書にまとめることができる。
5週 直流回路の基礎実験② 分圧,分流を利用した電圧,電流測定を行うことができる。
6週 直流回路の基礎実験② 分圧,分流を利用した電圧,電流測定を行うことができる。
7週 報告書のまとめ(直流回路の基礎実験②) 直流回路の基礎実験②の実験を報告書にまとめることができる。
8週 報告書のまとめ(直流回路の基礎実験②) 直流回路の基礎実験②の実験を報告書にまとめることができる。
2ndQ
9週 グラフの描き方講習会 片対数グラフ,両対数グラフを用いてグラフを描くことができる。
10週 直流回路の基礎実験③ 電圧降下法による測定を通じて,電圧計,電流計の内部抵抗の影響を理解できる。
11週 直流回路の基礎実験③ 電圧降下法による測定を通じて,電圧計,電流計の内部抵抗の影響を理解できる。
12週 報告書のまとめ(直流回路の基礎実験③) 直流回路の基礎実験③の実験を報告書にまとめることができる。
13週 報告書のまとめ(直流回路の基礎実験③) 直流回路の基礎実験③の実験を報告書にまとめることができる。
14週 発表方法に関する講習会
発表スライド作成
発表資料の作成方法,発表方法について理解できる。
15週 発表会 作成した発表資料をわかりやすく伝えることができる。
16週 予備日 欠席した学生の追実験などを行う。
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 後期に行う実験内容を理解できる。
2週 オシロスコープの使い方 オシロスコープの基本的な操作ができる。
3週 オシロスコープの使い方 オシロスコープの基本的な操作ができる。
4週 オシロスコープの使い方 オシロスコープの基本的な操作ができる。
5週 オシロスコープの使い方 オシロスコープの基本的な操作ができる。
6週 報告書のまとめ(オシロスコープの使い方) オシロスコープの使い方について報告書にまとめることができる。
7週 交流回路の基礎実験 抵抗,コンデンサ,コイルの各交流素子のインピーダンスおよび周波数特性を測定できる。
8週 交流回路の基礎実験 RL直列回路,RC直列回路のインピーダンス,インピーダンス角および周波数特性を測定できる。
4thQ
9週 交流回路の基礎実験 RLC直列回路のインピーダンス,インピーダンス角および周波数特性を測定できる。
10週 交流回路の基礎実験 RLC直列回路のインピーダンス,インピーダンス角および周波数特性を測定できる。
11週 交流回路の基礎実験 RLC直列回路のインピーダンス,インピーダンス角および周波数特性を測定できる。
12週 過渡現象の観測 RC過渡現象を観測できる。
13週 報告書のまとめ(交流回路の基礎実験,過渡現象) 交流回路の基礎実験,過渡現象の実験を報告書にまとめることが出来る。
14週 発表スライド作成 発表資料の作成方法,発表方法について理解できる。
15週 発表会 作成した発表資料をわかりやすく伝えることができる。
16週 予備日 欠席した学生の追実験などを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2前3,前4,前7,前8,前12,前13,後6
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2前1,前3,前4,前7,前8,前12,前13,後6
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2前3,前4,前7,前8,前9,前12,前13,後6
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2前3,前4,前7,前8,前12,前13,後6
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3前2,前5,前6,前10,前11
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3前2,前5,前6,前10,前11
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3後2,後3,後4,後5
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3前1,前2,前5,前6,前10,前11
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3前5,前6
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3前10,前11
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3後7,後8,後9,後10,後11
共振について、実験結果を考察できる。2後9,後10,後11
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2前14,前15,後14,後15
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2前14,前15,後14,後15
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2前14,前15,後14,後15
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2前14,前15,後14,後15
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2前14,前15,後14,後15
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2前14,前15,後14,後15
他者の意見を聞き合意形成することができる。2前14,前15,後14,後15
合意形成のために会話を成立させることができる。2前14,前15,後14,後15
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2前14,前15,後14,後15
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2前4,前7,前8,前12,前13,後6,後13
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2前4,前7,前8,前12,前13,後6,後13
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2前4,前7,前8,前12,前13,後6,後13
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2前4,前7,前8,前12,前13,後6,後13
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2前4,前7,前8,前12,前13,後6,後13
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2前14,前15,後14,後15
事実をもとに論理や考察を展開できる。2前4,前7,前8,前12,前13,後6
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2前4,前7,前8,前12,前13,後6
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2前2,前5,前6,前10,前11,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2前2,前5,前6,前10,前11,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12
目標の実現に向けて計画ができる。2前2,前5,前6,前10,前11,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2前2,前5,前6,前10,前11,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2前2,前5,前6,前10,前11,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2前2,前5,前6,前10,前11,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2前2,前5,前6,前10,前11,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2前2,前5,前6,前10,前11,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12

評価割合

実習レポート発表合計
総合評価割合7030100
直流回路に関する実習351550
交流回路に関する実習351550