微分積分Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 微分積分Ⅱ
科目番号 0045 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 「新微分積分 II」 高遠節夫 ほか5名(大日本図書)
担当教員 下田 泰史

到達目標

工学の基本的問題を解決するために必要な数学の知識,計算技術および応用能力を修得させ,この知識および技術等を工学における現象面と関連づけて活用する能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
関数の展開練習問題およびSTEP UPを含む教科書・問題集の殆どの問題を自力で解ける。誘導を与えられることにより、教科書の問レベルの問題の殆どが自力で解ける。誘導を与えても、教科書の問レベルの問題を自力で解けない。
偏微分練習問題およびSTEP UPを含む教科書・問題集の殆どの問題を自力で解ける。誘導を与えられることにより、教科書の問レベルの問題の殆どが自力で解ける。誘導を与えても、教科書の問レベルの問題を自力で解けない。
重積分練習問題およびSTEP UPを含む教科書・問題集の殆どの問題を自力で解ける。誘導を与えられることにより、教科書の問レベルの問題の殆どが自力で解ける。誘導を与えても、教科書の問レベルの問題を自力で解けない。
微分方程式練習問題およびSTEP UPを含む教科書・問題集の殆どの問題を自力で解ける。誘導を与えられることにより、教科書の問レベルの問題の殆どが自力で解ける。誘導を与えても、教科書の問レベルの問題を自力で解けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微分積分の理論を理解し計算ができるようになることを目標とする。理工学の基礎である微分積分の理論のうち2変数関数の偏微分,2重積分を理解し計算ができるようになることを目標とする。基礎的計算力と論理的思考力を身につける。教科書の問と練習問題の70%は自力で解けるようになる。また、補助教科書の60%は自力で解けるようになる。2変数関数の偏微分・重積分および微分方程式の講義と演習を通して,多変数関数の重要性と多様性を理解する。
授業の進め方・方法:
本科目は,直接的には応用数学,フーリエ解析,複素関数論と関連する。工学の問題に数学的な手法を用いる際の基礎になる科目である。1,2年生で学習した数学の内容(基礎数学A,基礎数学B,基礎数学C,微分積分I,代数幾何)が基礎になっているので,履修前に必ずそれらを復習し理解しておくこと。定期的に演習の機会を設けるので積極的に参加すること。
注意点:
自学自習として,次回の授業内容,テキスト内容を確認しておくこと。また学習内容の理解を深めるためには,授業後の復習を毎回欠かさず行うことが肝要である。そのためにも課題の提出は必須で,それ以外にも積極的に章末の練習問題や問題集の問題を解く努力をすること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1章 関数の展開
1.1 多項式による近似(1)
1,2次近似式の持つ意味を理解して,簡単な関数の1次,2次近似式が計算できる。
2週 1.2 多項式による近似(2) n次近似式の持つ意味を理解して,簡単な関数のn次近似式が計算できる。
3週 1.3 数列の極限 基本的な数列の極限が計算できる。等比数列の収束・発散の判定ができる。
4週 1.4 級数 無限級数の持つ意味を理解し,基本的な無限級数の和を求めることができる。
5週 1.5 べき級数とマクローリン展開 いろいろな関数に対してべき級数とマクローリン展開を理解し計算できるようにする。
6週 1.6 オイラーの公式 オイラーの公式を理解し,自由に使えるようにする。
7週 第2章 偏微分
1. 偏微分法
1.1 2変数関数
2変数関数の定義域,グラフ,極限と連続性を理解している。
8週 前期中間試験 これまで講義された基本的事項を理解している。
2ndQ
9週 1.2 偏導関数 偏導関数の定義を理解し,計算できる。
10週 1.3 全微分 全微分の持つ意味を理解し,その計算ができる。
11週 1.4 合成関数の微分法 合成関数の偏微分法を利用した計算ができる。
12週 2. 偏微分の応用
2.1 高次偏導関数
高次偏導関数を理解し,その計算ができる。
13週 2.2 極大・極小 2変数関数の極値の判定条件を理解する。
14週 2.3 陰関数の微分法 陰関数微分を理解し計算できるようにする。
15週 2.4 条件つき極値問題
2.5 包絡線
陰関数微分を活用した極値問題を理解できるようにする。
16週 前期期末試験の返却 前期期末試験の答案返却と解説
後期
3rdQ
1週 第3章 重積分
1. 2重積分
1.1 2重積分の定義
2重積分の定義とそれが持つ意味を理解する。
2週 1.2 2重積分の計算 (その1) 2重積分を累次積分になおして計算できる。
3週 2重積分の計算 (その2) 2重積分を用いて、基本的な立体の体積を求めることができる。
4週 2. 変数の変換と重積分
2.1 極座標による2重積分
平面上の領域を極座標で表すことができる。極座標に変換することによって2重積分を計算することができる。
5週 2.2 変数変換 一般の座標変換とヤコビヤンを理解する。座標変換公式を用いて2重積分を計算できる。
6週 2.3 広義積分 不連続関数に対する広義積分を理解し,その値を計算できる。無限領域に対する広義積分を理解し,ガウス積分に慣れる。
7週 2.4 2重積分のいろいろな応用 基本的な曲面の曲面積を計算することができる。関数の平均を理解し,基本的な平面図形の重心の計算ができる。
8週 後期中間試験 後期のここまで講義された基本的事項を理解している。
4thQ
9週 第4章 微分方程式
1. 1階微分方程式
1.1 微分方程式の意味
1.2 微分方程式の解
微分方程式の意味を理解する。
10週 1.3 変数分離形
1.4 同次形
簡単な変数分離形・同次形の微分方程式を解くことができる。
11週 1.5 1階線形微分方程式 簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。
12週 2. 2階微分方程式
2.1 微分方程式の解
2.2 線形微分方程式
2階微分方程式に現れる概念を理解し,線形微分方程式の持つ性質を理解する。
13週 2.3 定数係数斉次線形微分方程式
2.4 定数係数非斉次線形微分方程式1
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。
14週 定数係数非斉次線形微分方程式2
2.5 いろいろな線形微分方程式
定数係数2階非斉次線形微分方程式を解くことができる。
簡単な連立微分方程式を解くことができる。
15週 2.6 線形でない2階微分方程式 簡単な非線形2階微分方程式を解くことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100