融合型PBL

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 融合型PBL
科目番号 0054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 講義資料を適時配布する。
担当教員 千葉 慎二,佐々木 正明,髙橋 晶子

到達目標

目的:社会に貢献できる技術者を目指し、チームで課題発見・課題解決する力を獲得する。
目標1.プロジェクト実施に必要な主体性(自己管理力、責任感)および協調性(コミュニケーション力、合意形成力、チームワークとリーダーシップ力)が向上している。
目標2.社会や身近なところから課題を抽出し、それを解決するためのアイディアを創造できる。この際、課題発見手法およびアイディア整理手法を活用できる。(=課題発見)
目標3.プロジェクトマネジメントに従いプロジェクトを計画・遂行できる。(=課題解決)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目標1:主体性と協調性主体性と協調性が十分に身についている。主体性と協調性がほぼ身についている。主体性と協調性が不十分である。
目標2:課題発見とアイディア創造課題を見つけ、それを解決すするために効果的な/ユニークなアイディアを提案できる。課題を見つけ、それを解決のためのアイディアを提案できる。課題を見つけることができない。解決のためのアイディアを提案できない。
目標3:プロジェクトマネジメントプロジェクトの綿密な計画を作成でき、それに従った活動ができる。必要に応じて計画を調整できる。プロジェクトの計画を作成し、それに従った活動ができる。プロジェクトの計画と遂行ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2 異なる分野を融合させて新しい価値を創出できる創造的な能力
学習・教育到達度目標 4 技術者として社会的役割や責任を自覚して行動する姿勢
JABEE (E) 高度な実践的技術者に求められるチームワーク力,リーダーシップ力,企画調整力

教育方法等

概要:
チーム(5名程度)で、テーマを決めて(=課題発見)プロジェクトを遂行する(=課題解決)ことを通じて、技術者が備えるべき分野横断的能力(MCC規定の汎用的能力と態度・志向性の一部)の向上を目指す。テーマは本授業に参加する企業の抱える課題の解決とし、企業へのヒアリング、企業からのアドバイスを通して課題解決に取り組む。単なるモノづくり、コトづくりではなく、模擬起業によって事業計画、財務、マネージメントなどの会社経営に必要なスキル獲得も目標とする。
授業の進め方・方法:
【チーム】配属研究室を単位としてチーム(3~6名/チーム)を作る。メンバーの少ない研究室は複数研究室でチームを編成する。
【事業内容決定 1~2週】各参加企業より、企業の抱える課題が与えられる。複数チームに同じ課題が与えれらえれるが、その解決策は各チームで独自に検討する。解決策の検討には企業へのヒアリングを実施し、企業の求める課題解決となっているか適時確認しながら事業内容を企画する。
【模擬起業によるチーム運用 3~4週】チームを企業体と見なし、会社に必要な役割を各チームメンバーに割り振り、課題解決を企業の事業として遂行するやり方を習得する。
【モノ・コト・サービスづくり 6~14週】各チームの事業計画に沿って課題解決に取り組む。チーム活動では、授業開始時と終了前にチームミーティングを実施し、その日の予定や成果を共有する。予定通りに進んでいない場合は、日程計画や役割分担を適宜見直す。
【報告会】中間報告会(5週)でプロジェクト企画(計画)を、ピッチコンテスト(第15週)でプロジェクトの成果を発表する。
【その他】毎授業の終わりに日報(Forms)を提出する。
【事前学習】次回のチーム活動内容を確認し、必要な準備をして授業に臨むこと。
【事後学習】授業中に完了できなかった活動について実施して次回に備えること。
注意点:
個人評価は日報と報告書の内容で評価する。
 日報には、今回の授業終了時でのチーム全体での進捗、および個人作業の進捗について具体的に記述すること。日報は原則授業実施日の翌日17時を締切とする。
 報告書は、中間発表、ピッチコンテストのタイミングで、チーム単位で提出する。報告書には各メンバーの担当を明確に示すこと。
チーム評価は、中間報告、ピッチコンテストの実施内容で評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 (全体)参加企業説明(会社概要、事業内容、現状抱える課題)
ファイナンス授業
・授業の目的・目標・スケジュールを説明できる.
・参加企業の事業内容や課題について説明できる.
・ファイナンスの概要を説明できる.
2週 (グループワーク)企業課題WS,事業内容決定 ・企業課題を分析し,課題解決のための事業内容を説明できる.
3週 (全体)企業運営に関する講義 ・経済の仕組みについて説明できる.
・会社とファイナンスについて説明できる.
・財務諸表の見方を説明できる.
4週 (グループワーク)プロジェクト企画立案 ・マーケティング調査,事業計画,資金計画の立案ができる.
5週 (全体)中間発表 ・プロジェクト企画を発表できる.
・他チームの企画について意見を述べることができる.
6週 (グループワーク)モノ・コト・サービスづくり1 ・計画に従いプロジェクトを実行できる.
・状況について報告・連絡・相談できる.
7週 (グループワーク)モノ・コト・サービスづくり2 ・計画に従いプロジェクトを実行できる.
・状況について報告・連絡・相談できる.
8週 (グループワーク)モノ・コト・サービスづくり3 ・計画に従いプロジェクトを実行できる.
・状況について報告・連絡・相談できる.
2ndQ
9週 (グループワーク)モノ・コト・サービスづくり4 ・計画に従いプロジェクトを実行できる.
・状況について報告・連絡・相談できる.
10週 (グループワーク)モノ・コト・サービスづくり5 ・計画に従いプロジェクトを実行できる.
・状況について報告・連絡・相談できる.
11週 (グループワーク)モノ・コト・サービスづくり6
会社設立意向確認および事業継承型スタートアップについて
・計画に従いプロジェクトを実行できる.
・状況について報告・連絡・相談できる.
・プロジェクトの起業について検討することができる.
12週 (グループワーク)モノ・コト・サービスづくり7 ・計画に従いプロジェクトを実行できる.
・状況について報告・連絡・相談できる.
13週 (グループワーク)モノ・コト・サービスづくり8 ・計画に従いプロジェクトを実行できる.
・状況について報告・連絡・相談できる.
14週 (グループワーク)モノ・コト・サービスづくり9 ・計画に従いプロジェクトを実行できる.
・状況について報告・連絡・相談できる.
15週 (全体)ピッチコンテスト ・プロジェクトの成果をわかりやすく発表することができる.
・プロジェクトに関する質問に対して的確に回答することができる.
16週 予備

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前6,前7,前8,前9,前10,前14
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前5,前6,前7,前8,前9,前10,前15
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前14
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前14
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前15
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前14
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前4,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
合意形成のために会話を成立させることができる。3前4,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前4,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前4,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前4,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前4,前5
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前4,前5
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前4,前5
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前4,前5,前6
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前1,前2,前4,前5
複数の情報を整理・構造化できる。3前1,前2,前4,前5,前15
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前1,前2,前4,前5
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前4,前5
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前4,前5
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前4,前5
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前4,前5
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前4,前5
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前4,前5
基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前4,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前4,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
目標の実現に向けて計画ができる。3前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前4,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前1
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3前1
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3前1
創造性・デザイン能力創造性創造性工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前1,前2,前4,前5
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前1,前2,前4,前5
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前4,前5
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前3,前4,前5
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前1,前4,前5
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前1,前4,前5

評価割合

個人評価(日報、報告書)チーム評価(中間発表,ピッチコンテスト)合計
総合評価割合6040100
目標160060
目標2・目標304040