電磁気学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電磁気学
科目番号 0057 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 例題と演習で学ぶ電磁気学,柴田尚志,森北出版
担当教員 柏葉 安宏

到達目標

静電界および電流と磁界等の電磁現象に関する理論を習得し、電気・電子工学を履修するために必要な基本的能力を養うことを目標とする。ベクトルの概念を用いて各物理量を表現することができる。 静電界における電荷、電界、電位等を説明でき、それらを計算できる。 導体、誘電体を説明できる。 静電容量を説明でき、それらを計算できる。
電流による磁界を説明でき、各種法則を用いて磁界の計算ができる。磁性体を説明できる。インダクタンスを説明でき、それらを計算できる。 電磁誘導を説明でき、誘導起電力、自己誘導、相互誘導についての計算ができる。ベクトルの概念を用いて各物理量を表現することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
静電界静電界におけるガウスの法則や鏡像法など基礎的な法則が理解でき,応用問題を解くことができる。静電界におけるガウスの法則や鏡像法など基礎的な法則が理解でき,応用問題を補助があれば説くことができる。静電界におけるガウスの法則や鏡像法など基礎的な法則が理解でき,応用問題を解くことができない。
静磁界静磁界におけるビオ・サバールの法則やアンペールの法則など,また動的な電磁界におけるファラデーの法則やマクスウェル・アンペールの法則など基礎的な法則が理解でき,応用問題を解くことができる。静磁界におけるビオ・サバールの法則やアンペールの法則など,また動的な電磁界におけるファラデーの法則やマクスウェル・アンペールの法則など基礎的な法則が理解でき,応用問題を補助があれば解くことができる。静磁界におけるビオ・サバールの法則やアンペールの法則など,また動的な電磁界におけるファラデーの法則やマクスウェル・アンペールの法則など基礎的な法則が理解でき,応用問題を解くことができない。
静電界および静磁界諸現象に関してベクトルを用いた表現を理解し,表現できる。諸現象に関して,補助があればベクトルを用いた表現を理解し,表現できる。諸現象に関して,補助があればベクトルを用いた表現を理解し,表現できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (A) 実践技術者としての高度でかつ幅広い基本的能力・素養

教育方法等

概要:
第3学年の物理の講義において学んだことを基に,クーロンの法則、ガウスの法則,アンペールの法則、ビオ・サバールの法則および物質内部での静電界の性質と磁化現象について学習する。特に、基本法則の数学的な取り扱いを通して,電磁気学における抽象的,論理的,数学的な思考力を養うとともに,電子技術の基礎となる知識の習得を目的とする。
授業の進め方・方法:
目に見えない電磁気現象を自分のイメージとしてとらえることが重要である。ベクトルや微分積分などの数学の知識を駆使する。またエネルギーなどの物理学の知識は必須である。 学んだ知識を確実にするには、実際に問題を解く必要がある。
「事前学習」毎回,授業内容に対応する教科書の範囲を読んでくること。
「事後学習」毎回,授業内容に対応する教科書の問題を解くこと。
注意点:
・詳解電磁気学演習 ,後藤 憲一 山崎 修一郎,共立出版
・電磁気学ノート,藤田 広一,コロナ社
・電気磁気学 ,山田 直平,桂井 誠,電気学会

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 「ガイダンス」,「ベクトル解析の基礎」 ・物理量のベクトル表現ができる。
2週 「ベクトル解析の基礎」,「電荷に働く力(クーロンの法則)と電界」 ・物理量のベクトル表現ができる。
・物理量のベクトル表現ができる。
・物質中の電荷について理解する。
・電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。
3週 「様々な電荷による電界」,「ガウスの法則」 ・直線状・円状・球状など連続・不連続に分布した電荷から電界を求めることができる。
・ガウスの法則を説明でき、電界の計算などに用いることができる。
4週 「ガウスの法則」,「電界と電位,導体の性質」 ・ガウスの法則を説明でき、電界の計算などに用いることができる。
・電位の定義が理解できる。
・電界から電位を計算することができる。
5週 「電界と電位,導体の性質」,「静電容量」 ・静電気における導体の性質が理解できる。
・静電容量の定義が理解できる。
・導体球・円柱・平行平板等の静電容量を計算できる。
6週 「導体を含む系の電界と電位,静電誘導」,「誘電体と誘電分極」 ・導体を含む場合の電界や電位を計算できる。
・導体の静電誘導を理解できる。
・誘電体について説明できる。
・誘電体における分極が理解でき,分極ベクトルや分極電荷を計算することができる。
7週 「誘電体中の電界と電束密度」,「誘電体中の境界条件,電気エネルギー・力」 ・誘電体中の電界を分極ベクトルから計算できる。
・誘電体中の電束密度を計算できる。
・誘電体におけるガウスの法則を理解できる。
・誘電体中の境界条件を理解できる。
・誘電体における静電エネルギーや力を理解でき,これらを計算することができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 「磁界の基礎」,「磁性体と磁化,磁性体中の磁界」,「フレミングの法則とローレンツ力」 ・磁荷や磁荷が作る磁界が理解できる。
・磁性体が理解できる。
・磁化による磁性体中の磁界を計算できる。
・フレミングの法則が理解できる。
・フレミングの法則を使用して次回の計算ができる。
10週 「ビオ・サバールの法則」 ・ビオ・サバールの法則が理解できる。
・ビオ・サバールの法則を使用して次回の計算ができる。
11週 「アンペール周回積分の法則」 ・アンペール周回積分の法則が理解できる。
・アンペール周回積分の法則を使用して次回の計算ができる。
12週 「電磁誘導とファラデーの法則」,「自己誘導と相互誘導」 ・電磁誘導が理解できる。
・ファラデーの法則を使用した電磁誘導の計算ができる。
・電磁誘導のうち自己誘導や相互誘導が理解できる。
・インダクタンスの計算ができる。
13週 「ベクトル解析の基礎2(発散・回転)」,「マクスウェル・アンペールの法則」 ・ベクトルの発散・回転が理解できる。
・ガウスの定理やストークスの定理が理解できる。
・ガウスの法則等の積分形の方程式を微分形で表現できる。
・時間変化する場において,アンペールの法則が成立しないことを理解できる。
・変位電流の考え方を理解できる。
・アンペールの法則に変位電流を導入して修正したマクスウェル・アンペールの法則を理解できる。
14週 「マクスウェルの方程式と電磁波」,「電磁波を用いた諸技術] ・時間変化する場において,アンペールの法則が成立しないことを理解できる。
・マクスウェルの方程式が理解できる。
・マクスウェルの方程式から電磁波に関する波動方程式を導出できる。
・電磁波を用いた諸技術を調査し,世の中で実際に使用されている技術の内容を理解できる。
15週 期末試験
16週 答案返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4前2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前3,前4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前3,前4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4前5,前6
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4前6
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4前7
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4前7
静電エネルギーを説明できる。4前7
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4前9
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4前10
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4前11
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4前9
ローレンツ力を説明できる。4前9
磁気エネルギーを説明できる。4前12
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4前12
自己誘導と相互誘導を説明できる。4前12
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他演習問題合計
総合評価割合800000020100
基礎的能力00000000
専門的能力800000020100
分野横断的能力00000000