電子回路

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子回路
科目番号 0060 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「入門電子回路」 家村道雄 監修(オーム社)
担当教員 今井 裕司

到達目標

(C)情報工学あるいは電子工学の分野で,人間性豊かなエンジニアとして活躍するための知識を獲得すること。

本科目は,無線従事者長期養成課程科目である。

1.ダイオード回路の基本動作を理解できる。
2.トランジスタ増幅回路の増幅率,等価回路等を説明できる。
3.差動増幅回路を理解できる。
4.オペアンプを用いた増幅回路を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ダイオード回路を理解できるダイオード回路の基本動作を理解し,説明できる。ダイオード回路の基本動作を理解できる。ダイオード回路の基本動作を理解できない。
トランジスタ増幅回路を理解できるトランジスタ増幅回路の増幅率を計算し,等価回路等を描いて説明できる。トランジスタ増幅回路の増幅率,等価回路等を理解できる。トランジスタ増幅回路の増幅率,等価回路等を理解できない。
差動増幅回路を理解できる差動増幅回路の等価回路を描いて,定量的な説明ができる。差動増幅回路を理解できる。差動増幅回路を理解できない。
オペアンプを用いた増幅回路を理解できるオペアンプの基本回路,フィルタ回路などの動作原理を理解し,説明できる。オペアンプの基本回路,フィルタ回路などの動作原理を理解できる。オペアンプの基本回路,フィルタ回路などの動作原理を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (A) 実践技術者としての高度でかつ幅広い基本的能力・素養

教育方法等

概要:
電子回路の基礎として,非線形性を有する半導体素子の動作原理,ダイオードを含む回路の動作,トランジスタによる増幅回路の電圧・電流増幅度,hパラメータを用いた等価回路の電圧・電流増幅度・入出力抵抗の計算法,増幅度と利得の関係,低周波小信号増幅回路,オペアンプを用いた回路などについて学習する。
授業の進め方・方法:
3学年までに学習した電気回路,回路実習基礎,第Ⅰ類基礎実験での学習をベースにして講義をすすめる。必要に応じて演習をしながら学習を進める。
事前学習:事前に教科書や授業資料を読み,授業で行う内容と意義を考えて整理しておくこと。
事後学習:授業後に演習を行って,授業で学んだことを振り返り,今後へ活かす方法を考えること。
注意点:
pn接合ダイオードやバイポーラトランジスタは非線形素子であるため,回路をモデル化するとともに,その動作を物理的に理解するよう心がけることが大切である。回路の解析においては,直流と交流信号とで分けて考える事,周波数で分けて考える事,等価回路を適切に用いて考える事など,演習問題を通して,十分に理解するように心がけて欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
pn接合ダイオードとその特性
n型,p型半導体で形成されるダイオード回路の動作原理と特性を理解できる。
2週 トランジスタの基本回路 トランジスタ増幅回路の接地方式,静特性,hパラーメータを理解し,増幅率を求めることができる。
3週 トランジスタの増幅作用 バイアス電圧と動作点,直流負荷線を理解し,簡易等価回路に変換できる。
4週 バイアス回路 固定バイアス回路,自己バイアス回路の動作原理を説明し,設計できる。
5週 バイアス回路 電流帰還バイアス回路の動作原理を説明し,設計できる。
6週 hパラメータを用いた等価回路と基本的な回路計算 hパラメータを用いた等価回路に変換でき,増幅回路の増幅率を求めることができる。
7週 前期中間試験 前期中間試験の実施
8週 前期中間試験の答案返却 前期中間試験の答案返却と解説
2ndQ
9週 CR結合増幅回路 CR結合増幅回路の動作原理を理解し,増幅率を計算できる。
10週 差動増幅回路 差動増幅回路の等価回路から増幅率を計算できる。
11週 オペアンプを用いた増幅回路 オペアンプの基本回路,応用回路の動作原理を理解できる。
12週 電界効果トランジスタ 電界効果トランジスタの動作原理を理解できる。
13週 負帰還増幅回路 負帰還の原理と特徴,エミッタホロワ,負帰還増幅回路の種類と動作原理を理解できる。
14週 発振回路 正帰還の原理と特徴,発振回路の種類と動作原理を説明できる。
15週 前期期末試験 前期期末試験の実施
16週 前期期末試験の返却 前期期末試験の答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4
FETの特徴と等価回路を説明できる。4
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4
演算増幅器の特性を説明できる。4
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。4
発振回路の特性、動作原理を説明できる。4
変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。3

評価割合

試験提出課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050