到達目標
・計測の分類法,測定系の性質,計測値の処理法,単位系等,計測の基礎について説明できる。
・電気諸量(電流・電圧・抵抗等)の測定原理,計測システムの構成,アナログ・ディジタル変換について説明できる。
・センサ計測システムの開発動向を調査し,計測システムの新たなニーズについて提案できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
計測の分類法をはじめとする測定系の基本的事項の理解度 | 計測の分類法,測定系の性質について具体例をあげて説明できる。計測値を統計的に処理できる。SI組立単位を示すことができる。 | 計測の分類法,測定系の性質について説明できる。計測値の統計的処理の概要を説明できる。SI組立単位を示すことができる。 | 計測の分類法,測定系の性質について説明できない。計測値の統計的処理の概要を説明できない。SI組立単位を示すことができない。 |
電気諸量の測定原理,計測用電子回路ならびにアナログ・ディジタル変換回路の理解度 | 電気諸量の測定原理を説明できる。計測用電子回路を設計できる。アナログ・ディジタル変換回路の設計できる。 | 電気諸量の測定原理を説明できる。計測用電子回路の原理を説明できる。アナログ・ディジタル変換回路の原理を説明できる。 | 電気諸量の測定原理を説明できない。計測用電子回路の原理を説明できない。アナログ・ディジタル変換回路の原理を説明できない。 |
センサ計測システムの研究動向調査能力 | 先進センサ計測システムの開発動向を調査しその動作原理を説明できる。計測システムの新たなニーズについて提案し,その仕様を策定できる。 | 汎用センサ計測システムの開発動向を調査しその動作原理を説明できる。計測システムの新たなニーズについて提案できる。 | 汎用センサ計測システムの開発動向を調査できない。計測システムの新たなニーズについて提案できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 1 工学分野についての幅広い知識と技術を活用できる実践的な能力
JABEE (A) 実践的技術者としての高度でかつ幅広い基本的能力・素養
教育方法等
概要:
計測法の分類,測定系の性質等の測定の計測の基礎を学び,計測における注意点について改めて認識する。最小二乗法による計測値の処理法や有効数字を考慮した計測値の計算法を学び,計測値を正しく扱える能力を養う。単位の成り立ちを学び,電気諸量の物理的意義を解釈できる能力を養う。代表的な電気諸量である,電圧,電流,抵抗,インピーダンス,電力,電力量の測定法を理解する。センサ計測システムの要素である,センサインタフェース回路,アナログ・ディジタル変換回路の設計法について理解する。センサ計測システムの開発動向について調査し,先進の計測技術についての知識を深めるとともに,新たな計測のニーズを提案できる力を養う。
なお,この科目は企業で医用画像診断装置の開発を担当していた教員が,その経験を活かし,計測技術について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
授業は,教科書は指定せずに配布資料をベースとしてノートを作成するよう進める。授業中に実施する演習については,よく復習して理解するよう努めることが重要である。電子計測に関係する書籍は図書館に多数あるので,大いに活用してほしい。次回の授業内容を確認し、予習としてその範囲の専門用語の意味等を調べ理解しておくこと。復習として,完成した穴埋め形式の配布資料をもう一度確認し,不明な点について明らかにすること。
注意点:
電子計測は,電気回路,電子回路,物理(電気磁気学),「プロジェクト実習」,「第Ⅰ類基礎実験験」などの学生実験と深い関連があり,これらに係る基礎知識を身につけておくことが重要である。卒業研究において正しく実験を進めることができる能力を養成してほしい。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
計測の基礎 |
計測方法の分類,測定系の性質,測定値の統計的分布を説明できる。
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2週 |
計測値の処理 |
最小二乗法,有効数字を考慮した計測値の処理を説明できる。
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3週 |
単位系と計測標準 |
SI単位系における基本単位と組立単位について理解できる。計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。
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4週 |
電圧・電流の測定 |
指示計器の原理を理解し,電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。倍率器・分流器による電圧・電流の測定法を説明できる。
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5週 |
抵抗・インピーダンスの測定 |
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。
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6週 |
電力・電力量の測定 |
有効電力,無効電力,力率の測定原理とその方法を説明できる。電力量の測定原理を説明できる。
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7週 |
計測システムの構成 |
計測システムの構成と計測用電子回路の動作原理を説明できる。
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8週 |
アナログ計測とディジタル計測 |
アナログ計測とディジタル計測を説明できる。アナログ・ディジタル変換の動作原理について説明できる。
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4thQ |
9週 |
センサ計測 |
センサ計測の基本的事項と各種センシングの分類について説明できる。
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10週 |
波形観測 |
オシロスコープの動作原理を説明できる。
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11週 |
センサ計測システムの動向調査と将来構想 |
センサ計測システムの動向を調査し,計測システムの新たなニーズについて提案できる。
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12週 |
センサ計測システムの動向調査と将来構想のまとめ |
センサ計測システムの動向調査結果と計測システムの新たなニーズ提案を資料にまとめることができる
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13週 |
センサ計測システムの動向調査と将来構想の発表 |
センサ計測システムの動向調査結果と計測システムの新たなニーズ提案を発表できる。
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14週 |
センサ計測システムの動向調査と将来構想の発表 |
センサ計測システムの動向調査結果と計測システムの新たなニーズ提案を発表できる。
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15週 |
後期期末試験 |
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16週 |
後期期末試験の解説 |
後期期末試験の答案返却と解説
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 計測 | 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。 | 4 | 後1 |
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 4 | 後2 |
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 4 | 後3 |
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。 | 4 | 後3 |
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。 | 4 | 後4 |
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。 | 4 | 後4 |
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 4 | 後8 |
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 4 | 後5 |
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 4 | 後5 |
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。 | 4 | 後6 |
電力量の測定原理を説明できる。 | 4 | 後6 |
オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 4 | 後10 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 10 | 40 |
専門的能力 | 40 | 20 | 60 |