回路実習基礎Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 回路実習基礎Ⅱ
科目番号 0074 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント他
担当教員 矢島 邦昭,川崎 浩司,那須 潜思,小林 秀幸

到達目標

情報工学あるいは電子工学の分野で,人間性豊かなエンジニアとして活躍するための知識を獲得する。
【前期】電子工学に関する基礎的な内容を実験・実習を通じて理解する。
【後期】オペアンプの動作および特性を理解できる。また,オペアンプを含むアナログ電子回路を組み立てて動作させることができるとともに,回路各部の働きについて理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
半導体回路トランジスタ・ダイオードの働きを他人に説明できる.トランジスタ・ダイオードの働きを補助を受けながら説明できる.トランジスタ・ダイオードの働きを補助を受けながらでも説明できない.
オペアンプ回路オペアンプ回路を組み立てて特性測定を行い,基本的な特性および使用法をしっかりと説明できる。オペアンプ回路を組み立てて特性測定を行い,基本的な特性および使用法を説明できる。オペアンプ回路の基本的な特性および使用法への理解が不十分で,説明ができない。
アナログ回路製作オペアンプ増幅回路を含むアナログ回路をブレッドボード上に自力で組立てることができ,回路の動作を十分に理解して,動作不良があれば原因を考察して解決できる。オペアンプ増幅回路を含むアナログ回路をブレッドボード上に組立てることができ,回路各部の動作について説明できる。一人ではオペアンプ増幅回路を含むアナログ回路をブレッドボード上に組立てることができず,回路の動作について理解することができない。
実習レポートの作成実験結果を表やグラフにまとめて考察し,自分を意見を効果的に伝えられる報告書を作成できる。書式に則った報告書を作成できる。書式に則った報告書を作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子工学に関する基礎的な内容について実験実習を通じて現象を知ることから理解へ繋げる。
【前期:半導体回路】授業で学んだ素子,回路について、実際に回路を作成しデータを測定することで,その特性等を理解する。
【後期:アナログ回路】オペアンプ回路の特性測定を通して,オペアンプの特徴や使い方についての理解を深める。また,オペアンプを使ったアナログ電子回路の製作を通じて,アナログ電子回路への理解を深めるとともに,その大切さと面白さを実感してもらいたい。
授業の進め方・方法:
事前学習(予習):講義中心の科目が基礎となっていることから,それらの関連授業資料の振り返りを行い,実習ではそれらを実際に確認できるように準備して臨むことが好ましい。実習によっては講義日が近づくとLMSなどのオンライン上で公開されることもあることから,これらも事前に確認しておくと,より理解が深まる。
事後学習(復習):実習終了後は,早期に提出物作成などを行い,いま一度実験内容を振り返っておくと,身につきやすい。

実験・実習は,電気回路基礎,電気回路,電子回路基礎,電子回路,電気電子計測と関連する。
注意点:
この授業は,様々な実験・実習のオムニバス形式で構成されていることから,所属するグループと実験項目に注意して臨むようにすること。
【前期:半導体回路】グループでの情報共有、個人での管理物がある。報告書の書き方は2年生で学んだ報告書の書き方に従うこと。
【後期:アナログ回路】回路の製作・測定はひとり一人が行うのが基本だが,機材の都合上ペアで協力して行う場合もある。また,工具およびテスターを持参すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス オムニバス方式について理解すること。
グループ分けができること。
2週 安全教育1 通常の生活を含め安全に対する配慮ができるようになること。
3週 安全教育2 校内に準備されている工作機械を含め、指導者のもとで安全な利用ができるようになる。
4週 半導体回路1-1回目 E-Stationを利用できるようになる。
5週 半導体回路1-2回目 ダイオード特性, LED, 整流回路の測定ができる。
6週 半導体回路1-3回目 ダイオード特性, LED, 整流回路の測定ができる。
7週 半導体回路1-4回目 ダイオード特性, LED, 整流回路の測定ができる。
8週 半導体回路1-5回目 ダイオード特性, LED, 整流回路の測定ができる。
2ndQ
9週 半導体回路1-6回目 ダイオード特性, LED, 整流回路の測定ができる。
10週 半導体回路2-1回目 BJTの増幅回路、エミッタフォロワ、MOSFETの増幅回路の測定ができる.
11週 半導体回路2-2回目 BJTの増幅回路、エミッタフォロワ、MOSFETの増幅回路の測定ができる.
12週 半導体回路2-3回目 BJTの増幅回路、エミッタフォロワ、MOSFETの増幅回路の測定ができる.
13週 半導体回路2-4回目 BJTの増幅回路、エミッタフォロワ、MOSFETの増幅回路の測定ができる.
14週 半導体回路2-5回目 BJTの増幅回路、エミッタフォロワ、MOSFETの増幅回路の測定ができる.
15週 半導体回路2-6回目 BJTの増幅回路、エミッタフォロワ、MOSFETの増幅回路の測定ができる.
16週 予備 欠席した学生の追実験などを行う。
後期
3rdQ
1週 (講義)後期ガイダンス,オペアンプの概要,および反転増幅と非反転増幅回路 オペアンプの基本的な概念と特徴,反転増幅,非反転増幅回路の構成法について説明できる
2週 (実習)反転増幅と非反転増幅をブレッドボードで作成し,動作確認を行う 反転増幅回路と非反転増幅回路をブレッドボード上に構成し,特性を確認できる
3週 (講義)増幅回路の周波数特性およびGB積についての学習 増幅回路の周波数特性,GB積について理解できる
4週 (実習)ブレッドボードに非反転増幅回路を構成し,周波数による増幅度の違いを確認 オペアンプの周波数特性およびGB積の意味について理解し,特性を確認できる
5週 (講義)増幅以外のオペアンプの利用として,バッファ,フィルタ,微分・積分回路等についての学習 ハイパスフィルタおよびローパスフィルタの特性を理解できる.また,微分回路および積分回路の動作を理解できる.
6週 (実習)微分回路と積分回路をブレッドボード上に構成し,動作確認を行う フィルタ回路,微分・積分回路の特性を理解し,ブレッドボード上に構成して特性を確認できる
7週 (実習)前回の続き
(講義)まとめと確認テスト
理想オペアンプの特徴を習得し,簡単な増幅回路を設計できる
8週 (講義)空間アナログ光通信回路の各部の動作についての講義 受光部,電圧増幅部,電力増幅部の動作について理解できる
4thQ
9週 (実習)アナログ光通信回路のブレッドボード上での配線と動作確認①
[光信号の送信・受信回路の特性]
アナログ光通信回路における光送信部および光信号の受信再生回路をブレッドボード上で組み立てて,動作確認ができる
10週 (実習)同上 同上
11週 (実習)アナログ光通信回路のブレッドボード上での配線と動作確認②
[受信信号の増幅回路の特性]
アナログ光通信回路における受信信号の増幅回路までをブレッドボード上で組み立てて,動作確認ができる
12週 (実習)同上 同上
13週 (実習)アナログ光通信回路のブレッドボード上での配線と動作確認③
[電力増幅回路と全体の特性]
アナログ光通信回路の電力増幅回路部を完成させ,動作確認ができる
14週 (実習)同上 アナログ光通信回路の回路全体を完成させ,動作確認ができる
15週 (実習)前回の続き
(講義)まとめと確認テスト
受光部,電圧増幅部,電力増幅部の各部の働きについて説明できる
16週 予備日 未完了の課題があれば取り組む

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

実習レポート実験ノート実習ワークシート振り返りテスト合計
総合評価割合35154010100
半導体回路35150050
アナログ回路00401050