制御工学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 制御工学
科目番号 0076 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「制御基礎理論―古典から現代まで」中野道雄, 美多勉(コロナ社)
担当教員 大場 譲

到達目標

【学習・教育目標】
・システムのふるまいを伝達関数やブロック線図を用いて表現することができる。
・システムの過渡特性、定常特性並びに周波数特性を説明する方法を習得している。
・フィードバックシステムの安定性を判別する方法を習得している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限のレベルの目安(可)未到達レベルの目安
ブロック線図によるシステムの記述与えられたシステムの数学的記述を理解し、対応するブロック線図を記述し、解析しやすい形に変形できる。与えられたシステムの数学的記述を理解し、対応するブロック線図を記述することができる。与えられたシステムの数学的記述から、対応するブロック線図を記述することができる。与えられたシステムの数学的記述から、対応するブロック線図を記述することができない。
伝達関数によるシステムの記述与えられたシステムの数学的記述を理解し、ラプラス変換を用いて伝達関数を作成し状況に応じた式変形ができる。与えられたシステムの数学的記述から、ラプラス変換を用いて伝達関数を作成し状況に応じた式変形ができる。与えられたシステムの数学的記述から、ラプラス変換を用いて伝達関数を作成できる。与えられたシステムの数学的記述から、ラプラス変換を用いて伝達関数を作成できない。
システムの時間応答解析与えられたシステムの伝達関数を変形し、過渡応答、定常応答を推察し、記述することができる。与えられたシステムの伝達関数から時間応答の外形を書くことができる。過渡応答、定常応答の概念を説明できる。過渡応答、定常応答の概念を説明できない。
システムの周波数特性解析システムのボード線図、ナイキスト線図を描画し、その特性の意味を説明できる。システムのボード線図、ナイキスト線図を描画することができる。ボード線図、ナイキスト線図の概念を説明できる。ボード線図、ナイキスト線図の概念を説明できない。
時間領域での安定解析与えられたシステムの時間領域における安定判別ができ、特性多項式、極を用いて応答の具合を解析できる。与えられたシステムの時間領域での安定判別ができ、その安定度の具合を説明できる。与えられたシステムの時間領域での安定判別ができる。与えられたシステムの時間領域での安定判別ができない。
周波数領域での安定解析与えられたシステムの周波数領域での安定判別ができ、位相余有、ゲイン余有の値から安定度の解析ができる。与えられたシステムの周波数領域での安定判別ができ、位相余有、ゲイン余有の値を計算できる。与えられたシステムの周波数領域での安定判別ができる。与えられたシステムの周波数領域での安定判別ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまでに学んだ応用数学や電気回路を復習しながら,これらの知識を使って制御対象,制御システムの解析を行う手法を学ぶ。また,フィードバック制御の必要性と重要性を理解し,制御システムの安定判別から設計に至るまでの解析的手法を学習する。
授業の進め方・方法:
座学による基礎知識の習得を行いながら、適宜演習問題を繰り返し知識習得を行う。定期試験前には理解度確認のため、課題に対するレポートを課することがある。

「事前学習」
・毎回授業前までに、前回授業でアナウンスした数学、物理の基礎知識を復習しておくこと。

「事後学習」
・毎回の授業終了後、授業で学んだことを振り返り、理解できなかった点を解決しておくこと。
注意点:
本科目は、電子計測、ロボティクスと関連する。
3年生までに学んだ「微分・積分」、「応用数学」、「電気回路」、「物理A」が関連している。多くの演習問題を解き、理解を深めることが重要である。また,いくつかの課題に対して,レポートを提出してもらう。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 自動制御の基礎
  自動制御の分類と用語
  制御システムの表記法
制御の概念と,その重要性が理解できる。
制御理論の基本的な用語について説明できる。
2週 微分方程式とラプラス変換
  微分方程式による制御対象の表記
  微分方程式の解法
電気回路・機械システムを例に,制御対象に関して微分方程式を立てることができる。
3週   微分方程式を用いた過渡解析 立てた微分方程式を解くことにより,回路解析を行うことができる。
4週  ラプラス変換,逆変換と基本法則
  ラプラス変換を用いた過渡解析
ラプラス変換の必要性を理解し,各種関数のラプラス変換,逆変換ができる。ラプラス変換を応用して微分方程式を解き,回路解析が行える。
5週 伝達関数とブロック線図
  基本要素と伝達関数,過渡応答
伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。
ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できる。
フィードバック制御系で,定常偏差などの算出ができる。
6週   フィードバック制御系の基本形 0~ 2形の制御系と定常偏差の関係が説明できる
7週 後期中間試験および解説
8週 周波数応答とボード線図
  周波数領域における解析
周波数応答の概念を理解し,周波数伝達関数を説明できる。
4thQ
9週   ナイキスト線図・ボード線図 周波数応答のナイキスト線図,ボード線図による表現を理解し,基本要素のボード線図の概略を示すことができる。
10週 フィードバックシステムの安定判別
  ゲイン余裕・位相余裕
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。
11週   特性根と安定性 特性根と安定性の関係を説明できる。
12週   安定判別法 ボード線図と安定性の関係を説明できる。
ラウス,フルビッツの方法,ナイキストの安定判別法により,安定判別ができる。
13週 現代制御理論
  古典制御と現代制御
  状態空間表現による記述
古典制御と現代制御の違いを説明できる。
14週   可制御正準形・可観測正準形
  状態フィードバック制御系
  状態オブザーバ
制御対象を状態空間表現を用いて記述できる。
可制御正準形・可観測正準形について説明できる。
状態フィードバック制御系の基礎を説明できる。
オブザーバ理論の基礎を説明できる。
15週 後期末試験
16週 後期末試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3後1,後2,後3,後4,後5
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3後1,後2,後3,後4,後5
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3後6
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。2後6
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。3後8,後9
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。3後10,後11,後12

評価割合

試験小テスト相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合702000010100
基礎的能力2010000535
専門的能力3510000550
分野横断的能力150000015