到達目標
目的:データベースを利用した情報システムを設計・構築できることを目的として、データベース(リレーショナルデータベース)について理解・操作・設計できるようになることを目指す。
目標1:(操作)リレーショナルデータベースをSQL文で操作することができる。
目標2:(設計)リレーショナルデータベースを設計することができる。
目標3:(利用)リレーショナルデータベースを利用するためのプログラムをPHPで製作することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
1:データベースの操作(SQL文) | 複雑な問い合わせも含めてSQL文を記述できる。 | 基礎的な問い合わせについてSQL文を記述できる。 | SQL文を用いたデータベースの操作ができない。 |
2:データベースの設計 | 自分で考えたデータベースの設計ができる。 | サンプルとして与えたデータベースの設計ができる。 | データベースの設計ができない。 |
3:データベースの利用(PHP) | データベースを利用するプログラムに自分なりの工夫を加えることができる。 | サンプルプログラムを利用して、データベースを利用するためのプログラムを製作できる。 | データベースを利用するためのプログラムを製作できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 1 工学分野についての幅広い知識と技術を活用できる実践的な能力
教育方法等
概要:
現在の情報システムの多くはデータベースを利用している。そのような情報システムを設計・構築できるようになるため、データベースについて理解し、SQL文で操作でき、目的とするデータベースを適切に設計でき、さらに、データベースを利用するWebシステムを製作できるようになることを目指す。
授業の進め方・方法:
授業は次の3段階で進める。
1.データベース操作:教科書を自習してデータベースを操作するためのSQLを習得する。教科書の章毎に実習結果と練習問題回答を提出する。実習環境としてUSBメモリ上に構築したXAMPPを用いる。
2.データベース設計:データベース設計に必要な知識を講義し、サンプルデータベースについて設計プロセスを理解する。その後、オリジナルのデータベースを考え、その設計を行う。毎回演習課題を課す。
3.データベース利用:PHPのサンプリプログラムを用いて、動的なWebページ作成方法、さらに、PHPプログラムからデータベースを操作する方法を習得する。その後、サンプルプログラムを基にデータベースを利用するWebシステムを開発する。サンプルプログラムの実行確認を実習課題とする。
【事前学習】次回の授業内容を確認し、学習内容の全体像を把握しておくこと。
【事後学習】毎回の授業で出す実習課題・演習課題を実施し提出すること。
注意点:
・実習環境を構築するためのUSBメモリを用意する。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、データベースとは、実習準備 操作1:(第1・2章)テーブル作成、検索 |
・授業のやり方・評価について理解する。 ・データベースとは何かを例を示して説明できる。 ・実習準備ができる。 ・データベース、テーブルが作成できる。 ・SELECT文で検索ができる。
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2週 |
操作2:(第3章)集約・並べ替え |
・主な集約関数が使える。 ・データの並べ替えができる。
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3週 |
操作3:(第4章)データ更新 |
・データの登録・削除・更新ができる。
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4週 |
操作4:(第5章)複雑な問い合わせ |
・ビュー・サブクリエを用いることができる。
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5週 |
操作5:(第6章・第7章)関数など、集合演算 |
・関数・述語・CASE式が使える。 ・テーブルの足し算・引き算・結合ができる。
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6週 |
操作6:SQLのまとめ、確認テスト1 |
・SQLによるデータベースの問題に答えることができる。
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7週 |
設計1:データモデル(テーブル設計) |
・データモデル(ERモデル)によるテーブル設計ができる。 ・ER図(Chen記法、IE記法)を描くことができる。
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8週 |
設計2:テーブルの正規化 |
・正規化によりテーブルを最適に分割できる。
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2ndQ |
9週 |
設計3:データベース設計の手順 |
・オリジナルのデータベースを考えて設計できる。
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10週 |
利用1:HTMLの基本 |
・HTMLタグを用いてWebページを作成できる。
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11週 |
利用2:PHPの基礎 |
・PHPを使って動的なWebページを作成できる。
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12週 |
利用3:PHPからのデータベース操作 |
・データベースを操作するプログラミングができる。
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13週 |
利用4:Webシステム開発1 |
・データベースを用いたWebシステムを開発できる。
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14週 |
利用5:Webシステム開発2 |
・データベースを用いたWebシステムを開発できる。
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15週 |
全体のまとめ、確認テスト2 |
・データベースの操作・設計・利用についての問題に答えることができる。
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16週 |
予備 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | その他の学習内容 | データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。 | 4 | 前7,前8,前9,前13,前14,前15 |
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前12,前13,前14,前15 |
評価割合
| 実習課題 | 確認試験 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
目標1:データベース操作(SQL) | 30 | 20 | 50 |
目標2:データベース設計 | 12 | 0 | 12 |
目標3:データベース利用(PHP) | 18 | 0 | 18 |
全体 | 0 | 20 | 20 |