化学特論

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学特論
科目番号 0115 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 東京書籍 改定 化学、東京書籍 ダイナミックワイド 図説化学、配布プリント
担当教員 小松 京嗣

到達目標

化学Ⅰ、Ⅱでは扱わなかった物理化学的な取り扱いを理解する。また有機化合物について基礎的な知識を獲得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
気体の法則ボイルの法則、シャルルの法則が3次元的なグラフで表現できることを理解し、それを使うことができる。ボイルの法則など基本的な気体の性質を理解し、計算することができる。気体の示す法則が分子の性質のよることを理解していない。
気体の性質と分子統計熱力学分子を振る舞いと物理法則の関係を理解し、具体的に計算することができる。ボルツマン定数を使って分子のエネルギーを表現できる。分子を振る舞いと物理法則の関係を理解している。気体の示す法則が分子の形状とその振る舞いによって説明できることを理解していない。
ミクロな世界とマクロな世界物質波、粒子と波動の二重性、確率波、不確定性原理、波動方程式と電子の動径関数、電子雲の広がりについて定性的に理解している。ミクロな世界の記述にはマクロな世界とは異なる概念の導入が必要であることを理解している。物質波、粒子と波動の二重性、確率波、不確定性原理について定性的な理解をしている。ミクロな世界とマクロな世界の違いを理解できない。
固体(金属結晶)の構造代表的な金属結晶について、体積充填率の計算ができる。代表的な金属結晶が球体によるモデルで説明できることを理解し、単位格子の一辺の長さと原子半径の関係を求めることができる。身の回りの金属結晶について、代表的な構造を知らない。
イオン結晶の構造イオン半径と結晶の安定性について考察できる。限界イオン半径比を求めることができる。イオン結晶の単位格子の構造と種類について理解している。金属結晶とイオン結晶の違いを述べることができない。
有機化学身の回りの有機化合物の特徴や反応性を、その構造から推測できる。有機化合物について、人間生活と関連付けて理解している。炭化水素の分類、その反応性、構造異性体について理解している。基本的な官能基の性質を理解している。元素分析の計算ができる。有機化合物と無機化合物の区別ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (A) 実践技術者としての高度でかつ幅広い基本的能力・素養

教育方法等

概要:
化学Ⅰ、化学Ⅱの知識を前提として物理化学的なアプローチと有機化学の基礎を講義と実験を通して学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義と演習、実験によって知識を確実なものにする。
事前学習として、前回の内容の復習と、次回の内容に該当する教科書部分に目を通しておくこと。事後学習として、配布する問題を解き理解度を確認すること。
注意点:
化学が物理や数学と密接に関連する学問分野であることに注意が必要。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 気体の性質 ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル・シャルルの法則、理想気体の状態方程式を通し、気体の性質について復習する。
2週 気体の性質と分子統計熱力学 気体の性質が分子の熱運動によることを理解し、分子の熱運動が物理法則によって説明されることを理解する。
3週 気体の性質と分子統計熱力学 分子のエネルギーがその分子構造によって規定されることを理解する。
4週 ミクロな世界とマクロな世界 ニュートン力学では表せないミクロな世界の記述方法(初期量子論)の概略を理解する
5週 ミクロな世界とマクロな世界 物質波、粒子と波動の二重性、確率波、不確定性原理について定性的に理解し、電子の存在が確率的に示されることを理解する。
6週 固体の構造1 結晶の種類、単位格子、配位数を理解する。
7週 固体の構造2 金属結晶の構造(面心立方格子、体心立方格子、六方最密構造)を理解する。
8週 固体の構造3 金属結晶の構造(六方最密構造と立方最密構造)を理解する。
2ndQ
9週 固体の構造4 金属結晶の最密構造の構築手法(モデルの組み立て)の概略を理解する。
10週 イオン結晶の構造1 陽イオンと陰イオンによる格子の組み立てを理解する。
11週 イオン結晶の構造2 イオン半径と結晶の構造を理解する。
12週 イオン結晶の構造3 イオン半径比による結晶の安定性を理解する。
13週 有機化学1 有機化合物の分類を理解する。
14週 有機化学2 炭素間の結合(混成軌道)を理解する。
15週 有機化学3 有機化合物の構造と異性体について理解する。
16週 有機化学4 有機化合物の基礎分析について理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力601070
専門的能力20525
分野横断的能力055