コンピュータアーキテクチャ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 コンピュータアーキテクチャ
科目番号 0139 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 テキストは特に定めない。随時講義録として資料を配布する。参考書は「コンピュータの構成と設計ハードウェアとソフトウェアのインタフェース」 第5版 上巻 David A Patterson, John L. Hennessy著、成田光彰訳、日経BP社
担当教員 張 暁勇

到達目標

コンピュータの基本構成と処理方式を理解し,それらを効果的に利用するためのアセンブリ言語や論理設計の技術の修得を目標とします.特に、コンピュータを構成するプロセッサ内部のデータとその制御部に関して,具体的な構成方法と設計の原理を理解します。また、ハードウェアレベルのプログラミング言語であるアセンブラプログラミングについても学び、プロセッサの基本動作を理解します。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
計算機の構成と動作原理,データ表現,2進数演算,ディジタル回路計算機の構成と動作原理,データ表現,2進数演算やディジタル回路を説明できる。計算機の構成と動作原理,データ表現,2進数演算やディジタル回路を理解している。計算機の構成と動作原理,データ表現,2進数演算やディジタル回路を理解することができない。
狭義コンピュータアーキテクチャ概念,RISCとCISC命令セットマイクロプロセッサのアーキテクチャ,RISCとCISC命令セットを説明できる。マイクロプロセッサのアーキテクチャ,RISCとCISC命令セットを理解している。マイクロプロセッサのアーキテクチャ,RISCとCISC命令セットを理解することができない。
MIPSアセンブリ言語プログラミング与えられたMIPSプログラミング課題をプログラムを実装できる。与えられたMIPSアセンブリ言語のサンプルプログラムの動作を説明できる。MIPSアセンブリ言語のサンプルプログラムの動作を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
まず、コンピュータの基本構成、性能評価とコンピューターアーキテクチャの基本的な概念を学習する。次に、本科目に関わる2、3学年の「ディジタル技術」と「コンピューターシステム基礎」を復習しながら、MIPSアセンブリ言語を学習する。また、MIPSのシミュレーターソフトウェアQtSpimを用いた実習を通じて、ソフトウェアおよびハードウェアの両面からコンピューターアーキテクチャを概観し、システムの構成と設計手法を理解する。
授業の進め方・方法:
講義資料は授業前にTeamsで掲示する、授業中に、課題と実習をしながら授業を進める。
○事前学習:次回の授業内容,テキスト内容を確認しておくこと。
○事後学習:授業後の復習を毎回欠かさず行うこと。
注意点:
1.本科目は,2年の「ディジタル技術基礎」,3年の「コンピュータシステム基礎」と関連する,その内容の復習は授業時間外に行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス,計算機システムの概要 コンピューターシステムの構成と動作原理の概要を説明できる。
2週 コンピューターシステムの性能 コンピューターシステムの性能を説明できる。
3週 コンピューターシステムの性能評価 コンピューターシステムの性能評価を説明できる。
4週 MIPSアーキテクチャと命令セット MIPSアーキテクチャと命令セットを説明できる。
5週 MIPSシミュレーターQtSpim実習 MIPSシミュレーターQtSpimを利用できる。
6週 MIPSのデータ転送命令 MIPSのデータ転送命令を説明できる。
7週 MIPSの算術演算と論理演算 MIPSの算術演算と論理演算を説明できる。
8週 MIPS命令の2進数表現 MIPS命令の2進数表現を説明できる。
2ndQ
9週 MIPSの分岐処理 MIPSの分岐処理を説明できる。
10週 MIPSの関数の呼出し MIPSの関数の呼出しを説明できる。
11週 MIPSプログラミング演習1 QtSpimを用いてアセンブリ言語で実装できる
12週 MIPSプログラミング演習2 QtSpimを用いてアセンブリ言語で実装できる
13週 コンピューターにおける算術演算 コンピューターにおける算術演算を説明できる。
14週 コンピューターにおける浮動小数点演算 コンピューターにおける浮動小数点演算を説明できる。
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 全ての問題の正解を解答することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前2
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4
論理式の簡単化の概念を説明できる。4
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。4
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4
組合せ論理回路を設計することができる。4
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。4
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4
順序回路を設計することができる。4
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7525100
基礎的能力501565
専門的能力251035
分野横断的能力000