プロジェクト遂行のためのPDCA(計画-実行-確認-評価)サイクルを理解する。グループ内で協調して作業を進めることができる。学習成果およびプロジェクトの評価を報告書にまとめ,分かりやすいプレゼンテーションができる。あわせて電気回路の基本的な概念が理解できる。
概要:
1学年の「コンピュータリテラシ」,「総合工学基礎実験」を踏まえ,数週間から数ヶ月の中長期にわたり,学生数人がグループを作り,高専において重要なものづくりの基礎となるプロジェクト型の実習を行う。この実習を通じて,「社会人基礎力」と呼ばれる「職場や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力」について理解し,養うことを目標にする。前期は各コース毎に異なるテーマのプロジェクトに取り組み,後期は電気回路実験を軸に,問題解決型学習へと進める。
授業の進め方・方法:
前期は情報通信コースの特徴を理解できるような入門的なプロジェクトを実施する。クラスを半分に分け、A:通信系とB:ネットワーク系の2テーマをそれぞれ6週ずつでまわす。
後期は電気回路実験を行う。最初に本プロジェクトの前提となるオシロスコープの使い方、理解のための電気数学を学び、LCRの周波数特性を実験的に理解する。最後に、問題解決型PBLを4名程度のグループにより行う。
注意点:
1学年の「コンピュータリテラシ」および「総合工学基礎実験」などで学んだ報告書のまとめ方や発表の仕方をより深めて,担当教員への進捗報告,グループメンバー間の知識共有などグループ作業に活かすことが必要である。また,グループで課題を遂行するので,積極的に討論,作業に加わることが必要である。
授業中は担当教員の話をよく聞く他,毎回こまめに実習ノートにメモをとることが大切であり,その習慣を身につけること。各実習テーマ終了後速やかにワークシートを記入し,提出すること。
自学自習時間においては,2学年の「電気回路基礎」で学ぶ直流電気回路の復習をしておくこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス ※以降、2グループで、下記テーマA,Bを回す。 |
実験・実習に関する動機づけが行われる。
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2週 |
実習テーマA: 通信工学実習 (1)ラジオの製作 |
簡単なAMラジオの製作を通して、回路素子および回路図の見方を理解する。
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3週 |
実習テーマA: 通信工学実習 (2)ラジオのしくみと信号の観測 |
ラジオの信号を観測し、放送の周波数の測定などを行い、ラジオのしくみについて体験的に理解する。
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4週 |
実習テーマA: 通信工学実習 (3)中波・短波放送受信実習 |
ソフトウェア受信機での夜間の中波・短波の放送受信を疑似体験を通じて、電離層による電波伝搬のしくみを理解する。
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5週 |
実習テーマA: 通信工学実習 (4)無線通信実習 |
特定小電力無線機を用いて、無線機の操作方法や業務無線通信での交信方法を習得・実践できる。
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6週 |
実習テーマA: 通信工学実習 (5)無線通信応用実習 |
特定小電力無線を使った学内非常通信網を構築するとともに、策定した非常通信のシナリオをもとに通信訓練が行える。
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7週 |
実習テーマA: 通信工学実習 (6)通信工学実習のまとめ |
実習についての適切なプレゼンテーションが行える。
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8週 |
実習テーマB: ネットワーク構築実習 (1)有線ネットワーク接続実習 |
提示された手順に従って、パソコンをネットワークに有線接続し、インターネット上のWebサイトが閲覧できる。
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2ndQ |
9週 |
実習テーマB: ネットワーク構築実習 (2)インターネット空間の識別 |
IPアドレスとドメイン名の基本を理解するとともに、DNSの役割を説明できる。
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10週 |
実習テーマB: ネットワーク構築実習 (3)インターネットのネットワーク間接続の把握 |
ルータの役割を理解するとともに、インターネットがどのようにつながっているのかを、適切なコマンドを使いながら調べることができる。
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11週 |
実習テーマB: ネットワーク構築実習 (4)無線ネットワーク接続実習 |
提示された手順に従って無線ルータを設定し、パソコンをネットワークに無線接続し利用できる。
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12週 |
実習テーマB: ネットワーク構築実習 (5)無線ルータの機能と無線接続の注意点 |
第9週での学習内容と関連付けながら、無線ルータの各種機能を説明できる。無線接続での注意すべき事柄を説明できる。
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13週 |
実習テーマB: ネットワーク構築実習 (6)ネットワーク構築実習のまとめ |
実習についての適切なプレゼンテーションが行える。
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス。オシロスコープの使い方第1回。 |
オシロスコープの基本的な操作ができるようになる。
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2週 |
オシロスコープの使い方第2回。 |
オシロスコープの基本的な操作ができるようになる。
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3週 |
オシロスコープの使い方第3回。 |
オシロスコープの基本的な操作ができるようになる。
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4週 |
電気数学 |
直流回路網の電流・電圧を測定し,各部の抵抗値や合成抵抗を求めることができる。
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5週 |
電気数学 |
直流回路網の電流・電圧・抵抗を測定し,グラフや表にまとめことができる。
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6週 |
報告書のまとめ方 |
測定データに基づき、グラフ作成や結果をレポートにまとめることができる。
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7週 |
交流素子の基礎実験第1回目 |
抵抗、コンデンサ、コイルの素子単体をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
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8週 |
交流素子の基礎実験第2回目 |
抵抗、コンデンサ、コイルの直並列回路をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
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4thQ |
9週 |
交流素子の基礎実験第3回目 |
抵抗、コンデンサ、コイルの直並列回路をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
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10週 |
グループ毎に提示される課題から1つを選び、測定方法の計画から測定までを行う。第1回目 |
グループ内で協調して測定計画を立て、実際に測定を行い、結果をまとめることができる。
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11週 |
グループ毎に提示される課題から1つを選び、測定方法の計画から測定までを行う。第2回目 |
グループ内で協調して測定計画を立て、実際に測定を行い、結果をまとめることができる。
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12週 |
グループ毎に提示される課題から1つを選び、測定方法の計画から測定までを行う。第3回目 |
グループ内で協調して測定計画を立て、実際に測定を行い、結果をまとめることができる。
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13週 |
グループ毎に提示される課題から1つを選び、測定方法の計画から測定までを行う。第4回目 |
グループ内で協調して測定計画を立て、実際に測定を行い、結果をまとめることができる。
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14週 |
グループ毎に提示される課題から1つを選び、測定方法の計画から測定までを行う。第5回目 |
グループ内で協調して測定計画を立て、実際に測定を行い、結果をまとめることができる。
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15週 |
予備/レポートチェック |
報告書がまとめられる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 2 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 2 | |
情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。 | 2 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 3 | 後4,後5 |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 3 | 後7,後8,後9 |
計測 | オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
情報系分野 | その他の学習内容 | 少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 2 | 後10,後11,後12,後13,後14 |