プロジェクト実習

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 プロジェクト実習
科目番号 1018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (前期)教科書は使用せず、講義資料等はLMSで提示する。
担当教員 馬場 一隆,與那嶺 尚弘,林 忠之,鈴木 順

到達目標

 プロジェクト遂行のためのPDCA(計画-実行-確認-評価)サイクルを理解する。グループ内で協調して作業を進めることができる。学習成果およびプロジェクトの評価を報告書にまとめ,分かりやすいプレゼンテーションができる。あわせて電気回路の基本的な概念が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
マイクロコンピュータを使うことができる。実習テキストに記載された使用方法を適切に理解し、開発ツールを操作し、マイクロコンピュータを正しく動作させられる。開発ツールを操作し、マイクロコンピュータを動作させられる。マイクロコンピュータを正しく動作させられない。
P(計画)D(実行)C(確認)A(評価)サイクルを理解できる。PDCAサイクルの必要性を説明でき、それを実践できる。PDCAサイクルの必要性を説明できる。PDCAサイクルの必要性を説明できない。
グループ内で協調して作業を進めることができる。他の人の意見を聞きながら自分の意見を伝え、目的のための合意形成ができる。他の人の意見を聞きながら自分の意見を伝え、円滑なコミュニケーションができる。他の人の意見を聞いたり、自分の意見を伝えることがあまりできない。
報告書を作成できる。自分の意見を効果的に伝えられる報告書を作成できる。書式に則った報告書を作成できる。他の人の意見を聞いたり、自分の意見を伝えることがあまりできない。発表資料が整理されていない。発表の声がよく聞こえない。決められた時間を守ることができない。
簡潔で分かりやすいプレゼンテーションができる。文章や図表を効果的に選択して、見やすく分かりやすい発表資料を作成できる。決められた時間内に、よく通る声で、自分の意見を分かりやすく効果的に伝えることができる。見やすい発表資料を作成できる。決められた時間内に、自分の意見を効果的に伝えることができる。発表資料が整理されていない。発表の声がよく聞こえない。決められた時間を守ることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 1学年の「コンピュータリテラシ」,「総合工学基礎実験」を踏まえ,数週間から数ヶ月の中長期にわたり,学生数人がグループを作り,高専において重要なものづくりの基礎となるプロジェクト型の実習を行う。この実習を通じて,「社会人基礎力」と呼ばれる「職場や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力」について理解し,養うことを目標にする。前期は各コース毎に異なるテーマのプロジェクトに取り組み,後期は電気回路実験を軸に,問題解決型学習へと進める。
授業の進め方・方法:
 前期はマイクロコンピュータの実習を中心として授業を進める。講義資料(スライド、サンプルプログラム等)はLMSで提示、または、プリントを配布する。また、毎回の授業ではリフレクションシートの提出を課す。最後に、問題解決型PBLを4名程度のグループにより行う。
 後期は電気回路実験を行う。最初に本プロジェクトの前提となるオシロスコープの使い方、理解のための電気数学を学び、LCRの周波数特性を実験的に理解する。最後に、問題解決型PBLを4名程度のグループにより行う。
注意点:
 1学年の「コンピュータリテラシ」および「総合工学基礎実験」などで学んだ報告書のまとめ方や発表の仕方をより深めて,担当教員への進捗報告,グループメンバー間の知識共有などグループ作業に活かすことが必要である。また,グループで課題を遂行するので,積極的に討論,作業に加わることが必要である。
 授業中はこまめにメモを取り集中して修得に臨み、授業終了時にリフレクションシートを提出すること。なお、実習の時は筆記用具、実習ノート、リフレクションシートと資料を保管するファイル、USBメモリを持参すること。
 自学自習時間においては,2学年の「電気回路基礎」で学ぶ直流電気回路の復習をしておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス プロジェクト実習の日程、IEコースの実習内容、注意事項を理解できる。実習を通してArduinoシミュレータの操作手順を修得する。
2週 プログラミングの基礎1 Arduinoシミュレータ上でのLEDとSWを用いた演習を通して、入出力の概念と条件判断・条件分岐の考え方を理解できる。また、Arduinoシミュレータの操作を修得する。
3週 プログラミングの基礎2 Arduinoシミュレータ上での複数のLEDと複数のSWを用いた演習を通して、流れ図による処理手順の表記法(フローチャート図)を理解できる。
4週 プログラミングの基礎3 Arduinoシミュレータ上での7セグメントLEDとSWを用いた演習を通して、繰り返し処理の表記法とLEDの点灯制御方式を理解できる。
5週 プログラミングの基礎4 Arduinoシミュレータ上での半固定抵抗を用いた演習を通して、アナログ-ディジタル変換の概念を理解し、PWMによりLEDの明るさを制御する手法を修得する。
6週 Arduinoを用いた実習1 Arduinoプログラミング開発環境の使用法を修得する。複数のLEDと複数のSWを制御する演習を通して、マイクロコンピュータのプログラミング開発手順を修得する。
7週 Arduinoを用いた実習2 7セグメントLEDとSWの演習を通して、複数のLEDの点灯を制御する手法とプログラミングを修得する。
8週 Arduinoを用いた実習3 照度センサとキャラクタ液晶ディスプレイの演習を通して、アナログ信号の利用と、多くの情報を表示する手法を修得する。
2ndQ
9週 Arduinoを用いた実習4 これまでに利用した電子素子を組み合わせた演習に取り組み、マイクロコンピュータのプログラミング技術を修得する。
10週 PBL1 これまでに修得した知識とプログラミング技術を組み合わせて課題に取り組み、グループ内で協調して成果をまとめられる。
11週 PBL2 これまでに修得した知識とプログラミング技術を組み合わせて課題に取り組み、グループ内で協調して成果をまとめられる。
12週 PBL3 これまでに修得した知識とプログラミング技術を組み合わせて課題に取り組み、グループ内で協調して成果をまとめられる。
13週 発表会 PBLの課題についてグループ内で協調して成果をまとめ、発表できる。
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週 ガイダンス。オシロスコープの使い方第1回。 オシロスコープの基本的な操作ができるようになる。
2週 オシロスコープの使い方第2回。 オシロスコープの基本的な操作ができるようになる。
3週 オシロスコープの使い方第3回。 オシロスコープの基本的な操作ができるようになる。
4週 電気数学 直流回路網の電流・電圧を測定し,各部の抵抗値や合成抵抗を求めることができる。
5週 電気数学 直流回路網の電流・電圧・抵抗を測定し,グラフや表にまとめことができる。
6週 報告書のまとめ方 測定データに基づき、グラフ作成や結果をレポートにまとめることができる。
7週 交流素子の基礎実験第1回目 抵抗、コンデンサ、コイルの素子単体をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
8週 交流素子の基礎実験第2回目 抵抗、コンデンサ、コイルの素子単体をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
4thQ
9週 交流素子の基礎実験第3回目 抵抗、コンデンサ、コイルの素子単体をオシロスコープを使って測定し、周波数依存性のグラフを作れる。
10週 グループ毎に提示される課題から1つを選び、測定方法の計画から測定までを行う。第1回目 グループ内で協調して測定計画を立て、実際に測定を行い、結果をまとめることができる。
11週 グループ毎に提示される課題から1つを選び、測定方法の計画から測定までを行う。第2回目 グループ内で協調して測定計画を立て、実際に測定を行い、結果をまとめることができる。
12週 グループ毎に提示される課題から1つを選び、測定方法の計画から測定までを行う。第3回目 グループ内で協調して測定計画を立て、実際に測定を行い、結果をまとめることができる。
13週 グループ毎に提示される課題から1つを選び、測定方法の計画から測定までを行う。第4回目 グループ内で協調して測定計画を立て、実際に測定を行い、結果をまとめることができる。
14週 グループ毎に提示される課題から1つを選び、測定方法の計画から測定までを行う。第5回目 グループ内で協調して測定計画を立て、実際に測定を行い、結果をまとめることができる。
15週 予備/レポートチェック 報告書がまとめられる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3後4,後5
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3後7,後8,後9
計測オシロスコープの動作原理を説明できる。3後1,後2,後3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2後10,後11,後12,後13,後14
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2後10,後11,後12,後13,後14
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2後10,後11,後12,後13,後14
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2後10,後11,後12,後13,後14
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2後10,後11,後12,後13,後14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2後10,後11,後12,後13,後14
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

報告書取り組みの内容態度合計
総合評価割合602020100
前期30101050
後期30101050
0000