1.中上級日本語の語彙・表現・読解力を確実なものにし幅広く運用できるようになる。
2.口頭表現(説明・報告・発表・討論など)の力を向上させ、客観的に自分の意見を伝えることができるようになる。
3.実際のレポートや論文の例文に多く触れ、レポートや論文を書くために必要な文法を使い分けることができるようになる。
概要:
日本語能力試験N1レベルの語彙・漢字・表現・文法の力を十分に発揮できることを目指して、4技能(聞く・話す・読む・書く)を関連づけた演習やタスク活動を中心に進める。日本語での情報受信力(聞く・読む)を確実にすると共に、発信力(話す・書く)の向上をはかる。公的・社会的な場面でも通用する日本語運用力を身につけることを目指す。
授業の進め方・方法:
(事前学習)授業では、幅広い分野の日本語に触れ、様々なテーマについて自分の考えを発表するので、あらかじめ資料に目を通し語彙などは確認しておくこと。
(事後学習)授業後はそれぞれのテーマに基づいて更なる情報を集めるなど発表の準備にあたること。
注意点:
開講後、学生の日本語能力を判断した上で、授業内容や教科書を変更することがある。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
・レポート・論文の文法1課-1 書き言葉に統一する -書き言葉の文体と表現-
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・書き言葉の文末と接続表現を用い、レポート・論文にふさわしい文章にする。 ・使用する語彙や表現も書き言葉にすることにより文体を統一する。
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2週 |
・レポート・論文の文法1課-2 ・口頭発表①紹介スピーチ1「わたしの好きなもの(こと)」 |
・自分と関連のあるものを分かりやすく紹介する。
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3週 |
・レポート・論文の文法2課-1 文の意味を明確にする -複文の適切な使い方-
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・同じ接続表現を避け、文の意味を明確にし誤解を与えない文にする。 ・長文を避け、意味を分かりやすくし読みやすい文にする。
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4週 |
・レポート・論文の文法2課-2 ・口頭発表②紹介スピーチ2「わたしの故郷」
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・自分の出身国について客観的に紹介する。
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5週 |
・レポート・論文の文法3課-1 「こと」と「の」を使い分ける -名詞節「こと」と「の」の使い分け-
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・名詞節の「こと」と「の」の適切な使い分けにより文法的な間違いをなくして読みやすくすることが出来、学術的な文章にふさわしいスタイルに出来る。
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6週 |
・レポート・論文の文法3課-2 ・口頭発表③紹介スピーチ3「わたしのおすすめの本」 |
・選んだ理由を考え、著者や内容への興味を具体的にまとめて伝える。
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7週 |
・レポート・論文の文法4課-1 文をシンプルにする -語や節の名詞化-
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・名詞化により前文の表現や「~こと」の重複を避けることが出来る。
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8週 |
・レポート・論文の文法4課-2
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・名詞化を正確に行うことで簡潔で分かりやすい文にする。
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2ndQ |
9週 |
・レポート・論文の文法5課-1 語彙を適切に選択する -レポート・論文でよく使う語彙の使い分け-
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・類義語を文脈によって使い分けたり、漢語を適切に使うことで読み手にわかりやすいレポート・論文にすることが出来る。
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10週 |
・レポート・論文の文法5課-2 ・口頭発表④紹介スピーチ4「わたしの尊敬する人物」
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・自分が尊敬する人について、どのような人か、どんな活動をしているかについて発表する。
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11週 |
・レポート・論文の文法6課-1 文を首尾一貫させる -文頭と文末の呼応-
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・文頭と文末の呼応により自然で理解しやすい文にすることが出来る。 ・疑問詞や副詞との呼応により文の意味を誤解なく伝えることが出来る。
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12週 |
・レポート・論文の文法6課-2 ・口頭発表⑤新聞/雑誌記事紹介 |
・記事を選び、要旨をまとめて発表する。
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13週 |
・レポート・論文の文法7課-1 形が似ている表現を使い分ける -助詞相当語の使い分け-
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・助詞相当語の適切な使い分けにより、事実の情報源、レポートのテーマ、行為の対象などを明確に伝えることが出来る。
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14週 |
・レポート・論文の文法7課-2 |
・助詞相当語の使い分けにより、ある評価や価値判断について、誰が持っているのか、誰・何についてのものか、どのような立場からものかを明確に伝えることが出来る。
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15週 |
試験 |
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16週 |
答案返却とフィードバック |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
・レポート・論文の文法8課-1 「は」と「が」を使い分ける -助詞「は」と「が」の使い分け-
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・「は」と「が」の使い分けにより、主語をはっきりさせ長文でもわかりやすい文にすることが出来る。
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2週 |
・レポート・論文の文法8課-2 ・口頭発表⑤意見の主張1 -賛成(支持の立場から)意見を述べる |
・「なぜそう思うのか」客観的な根拠に基づいて意見を述べる。
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3週 |
・レポート・論文の文法9課-1 書き手の視点を示す -他動詞・自動詞(使役形・受身形)-
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・他動詞・自動詞(使役形・受身形)の使い分けにより、視点が統一された読みやすい文にすることが出来る。
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4週 |
・レポート・論文の文法9課-2 |
・他動詞と自動詞(使役系と受身形)の使い分けによって、レポート・論文全体の中で、解説・背景説明の部分なのか、筆者の行為や出来事の責任者・要因を表す部分なのかを示すことが出来る。
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5週 |
・レポート・論文の文法10課 -1 過去と現在のつながりを示す -ル形・タ形・テイル形・テイタ形-
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・ル形・タ形・テイル形の使い分けにより取り上げる出来事の「時」を正しく表す。
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6週 |
・レポート・論文の文法10課 -2 |
・タ形・テイル形の使い分けにより、出来事の報告なのか参考資料からの引用かの違いをはっきりさせる。
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7週 |
・レポート・論文の文法11課-1 文章の中の語を指し示す ‐指示詞「こ」と「そ」の使い分け‐
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・コ系指示詞とソ系指示詞の使い分けによりレポート・論文の中心的なテーマに関わる語かどうかを表すことが出来る。
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8週 |
・レポート・論文の文法11課-2 ・口頭発表⑥意見の主張2 -反対(支持の立場から)意見を述べる
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・「なぜそう思うのか」客観的な根拠に基づいて意見を述べる。
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4thQ |
9週 |
・レポート・論文の文法12課-1 前後の関係を示す ‐接続詞・接続表現の使い分け‐
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・接続詞・接続表現により、前後の語・節・文がどんな関係かを示すことが出来る。
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10週 |
・レポート・論文の文法12課-2
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・意味や形化似ている接続詞・接続表現を使い分けることで文章をより正確に、論理的に表すことが出来る。
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11週 |
・レポート・論文の文法13課-1 前の文に関係づける-「のだ文」の使い方- |
・「のだ文」によって前の文の内容に関係する文であることを示すことが出来る。 ・「のだ文」によって前の文に対する疑問や、前の文の内容の原因・結果・言い換え・結論・データ解釈、段落のまとめ等を表すことが出来る。
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12週 |
・レポート・論文の文法13課-2 ・口頭発表⑦ディスカッション |
・特定のテーマについて、相手の意見をお互いに理解し合いながら話し合い、「どうしたらいいか」を考える。
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13週 |
・レポート・論文の文法14課-1 効果的に意見を述べる-意見を述べる文末表現の使い分け- |
・ル形、テイル形の使い分けにより自分の意見と他者の意見や一般的な意見を区別できる。
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14週 |
・レポート・論文の文法14課-2 |
・適切な文末表現を使用することで、事実と意見・判断の区別が出来、レポート・論文の論理性や客観性を高めることが出来る。
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15週 |
試験 |
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16週 |
答案返却とフィードバック |
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