到達目標
以下のような能力を修得することを目標とする。1.離散フーリエ変換および高速フーリエ変換の数学的原理について理解できる。2.離散フーリエ変換および高速フーリエ変換を行うことができる。3.周波数領域において信号の性質を説明することができる。4.ディジタルフィルタの動作を理解できる。5.ディジタルフィルタによりフィルタリングを行うことができる。6.ディジタルフィルタの設計を行うことができる。7.計算機により高速フーリエ変換,ディジタルフィルタリングを実行することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
ディジタル信号処理の基礎概念 | ディジタル信号処理の基礎概念を理解し説明できる。 | ディジタル信号処理の基礎概念を理解できる。 | ディジタル信号処理の基礎概念を理解できない。 |
周波数領域における信号の分析・合成 | 周波数領域における信号の分析・合成について理解し説明できる。 | 周波数領域における信号の分析・合成について理解できる。 | 周波数領域における信号の分析・合成について理解できない。 |
ディジタルフィルタの設計法 | ディジタルフィルタの設計法を理解し説明できる。 | ディジタルフィルタの設計法を理解できる。 | ディジタルフィルタの設計法を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE (A) 実践技術者としての高度でかつ幅広い基本的能力・素養
教育方法等
概要:
ディジタル信号処理は科学技術の広い範囲において応用されており,現代の情報通信の基幹技術である。この授業では,ディジタル信号処理の基礎概念と周波数領域における信号の分析・合成およびフィルタの設計法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習としてレポートを課す。また,成績評価の対象として,試験を実施する。
講義の後には,毎回演習を行いレポートとして提出させる。講義を欠席した場合は,自分から担当教員のところへ演習問題を取りに来て,次回の講義までに提出すること。
自学自習として,教科書や配布スライドを読むなどの復習を重視する。演習問題では計算機もしくは手計算(筆算や電卓)により実際に計算を行うことが必須である。
注意点:
本科目は,各学科で学習した「フーリエ解析」「応用数学」「微分積分」「電気回路」等に関連している。フーリエ変換,ラプラス変換,複素積分については本科で学んでいることを前提とする。
現代の情報通信技術やオーディオ・ビデオなどのディジタルメディアに日ごろから関心をもつことが望ましい。
参考書等:
「ディジタル信号処理の基礎」 辻井重男監修(電子情報通信学会)
「ディジタル信号処理の基礎」 樋口龍雄(昭晃堂)
「多次元ディジタル信号処理」 川又政征,樋口龍雄(朝倉書店)
「高度並列信号処理」 樋口龍雄編(昭晃堂)
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
2ndQ |
9週 |
・序論 ・離散時間信号 |
・ディジタル信号処理の概念を理解できる。 ・離散時間信号の性質を説明することができる。
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10週 |
・離散時間フーリエ変換 ・離散フーリエ変換 |
・離散時間フーリエ変換の数学的原理を理解し,変換ができる。 ・離散フーリエ変換の数学的原理について理解し,変換ができる。
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11週 |
・高速フーリエ変換 ・ディジタルフィルタの基礎Ⅰ(たたみこみと差分方程式) |
・高速フーリエ変換の数学的原理について理解し,変換ができる。 ・ディジタルフィルタの動作を理解できる。
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12週 |
・ディジタルフィルタの基礎Ⅱ(周波数応答とz変換) ・ディジタルフィルタの解析(伝達関数と安定性) |
・周波数領域において信号の性質を説明することができる。 ・ディジタルフィルタの安定性を理解することができる。
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13週 |
・周波数選択性ディジタルフィルタ ・FIRフィルタの設計Ⅰ(理想低域フィルタの設計) |
・ディジタルフィルタの周波数特性を説明することができる。 ・ディジタルフィルタの設計仕様を理解することができる。
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14週 |
・FIRフィルタの設計Ⅱ(窓関数法による設計) ・2次元信号とフーリエ変換 |
・ディジタルフィルタの設計を行うことができる。 ・画像に代表される2次元信号の扱いについて理解できる。
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15週 |
・2次元ディジタルフィルタ ・ディジタル信号処理の応用最先端 |
・画像処理に代表される2次元ディジタルフィルタについて説明することができる。 ・ディジタル信号処理の応用事例について理解できる。
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16週 |
・試験 ・試験の返却および解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 25 | 15 | 40 |
専門的能力 | 35 | 25 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |