デバイス工学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 デバイス工学
科目番号 0028 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報電子システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 2nd-Q 週時間数 4
教科書/教材 「基礎半導体工学」 小林敏志 他 (コロナ社)
担当教員 今井 裕司

到達目標

固体のバンド理論の概要を理解し,pn接合を説明できる。各種代表的なデバイスの構造を理解し,動作原理が説明できる。デバイスや集積回路の製造プロセスを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体材料の結晶構造とエネルギーバンド構造について理解でき,それらに起因する半導体の特徴と電気伝導機構について系統的に説明できる。半導体材料の結晶構造,エネルギーバンド構造,半導体の特徴,電気伝導機構についてそれぞれ説明できる。半導体材料の結晶構造,エネルギーバンド構造,半導体の特徴,電気伝導機構について説明できない。
評価項目2ダイオードの構造と原理をエネルギーバンド構造を図示しながら説明できる。ダイオードの構造と原理を説明できる。ダイオードの構造と原理を説明できない。
評価項目3トランジスタの構造と原理をエネルギーバンド構造を図示しながら説明できる。トランジスタの構造と原理を説明できる。トランジスタの構造と原理を説明できない。
評価項目4フォトニックデバイスの構造と原理をエネルギーバンド構造を図示しながら説明できる。フォトニックデバイスの構造と原理を説明できる。フォトニックデバイスの構造と原理を説明できない。
評価項目5結晶成長および薄膜形成のメカニズム・方法を図を示しながら説明できる。結晶成長および薄膜形成のメカニズム・方法を説明できる。結晶成長および薄膜形成のメカニズム・方法を図を示しながら説明できない。
評価項目6リソグラフとエッチングの方法を図を示しながら説明できる。リソグラフとエッチングの方法を説明できる。リソグラフとエッチングの方法を説明できない。
評価項目7デバイスの集積化について図を示しながら説明できる。デバイスの集積化について説明できる。デバイスの集積化について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (A) 実践技術者としての高度でかつ幅広い基本的能力・素養

教育方法等

概要:
固体内における物理概念とキャリアのふるまいを念頭に置きながら,半導体デバイスを学ぶ上での基本的な事項を学習する。様々な半導体デバイスの動作原理を理解し,集積回路の製造方法についての概略を把握する。電子材料の分析評価,機械加工,単結晶育成および薄膜作製方法の原理・特徴についても理解を深める。
授業の進め方・方法:
教科書,スライド,配布資料を中心にして進める。成績評価は試験と演習に基づき行う。
事前学習:事前に教科書や授業資料を読み,授業で行う内容と意義を考えて整理しておくこと。
事後学習:教科書の該当箇所の演習問題を解いて,授業で学んだことを振り返り,今後へ活かす方法を考えること。
注意点:
本科で学習した「電磁気」,「化学」,「電子デバイス」,「電子回路」,「半導体工学」などが関連科目で基礎となる。特に,電位,電界,エネルギー等の物理的知識は必須であることに十分に留意すること。これらの科目を自学自習として復習することが望ましい。また,授業中の演習課題は理解して解くことが重要であり,数回のレポート課題も予定している。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
2ndQ
9週 半導体物理
・エネルギーバンド
・キャリアの輸送現象
・エネルギーバンド図を説明できる。
・ドリフトおよび拡散によるキャリアの輸送がわかる。
10週 pn接合
・pn接合の形成,熱平衡状態のバンド図
・電気的特性
熱平衡状態,順バイアスおよび逆バイアスにおけるpn接合のバンド図,ダイオードにおける空乏層容量と整流作用を説明できる。
11週 トランジスタ
・バイポーラトランジスタ,MOSトランジスタ,TFT,関連デバイス
・各トランジスタの動作原理が理解できる。
・トランジスタに関連するデバイスの概要がわかる。
12週 フォトニックデバイス
・発光遷移と光吸収
・発光ダイオード,太陽電池,半導体レーザ
・半導体における遷移を理解し,光のエネルギーとキャリアの生成の関係を説明できる。
・フォトニックデバイスの動作原理がわかる。
13週 結晶成長および薄膜形成
・融液からの結晶成長,エピタキシャル結晶成長
・酸化膜と電極の作製・集積化への挑戦
・結晶および薄膜の作製方法がわかる。
・単結晶,多結晶の違いが説明でき,エピタキシャル成長技術の概要を理解できる。
14週 リソグラフとエッチング
・光学的リソグラフ
・エッチング
リソグラフやエッチングの方法を説明できる。
15週 集積デバイス
・受動素子,バイポーラ技術,MOSFET技術
・集積化への挑戦
半導体デバイスおよび集積回路の作製方法および工程を説明できる。
16週 試験
試験の解説とまとめ
電子デバイスに関して学んだことを振り返り,その概要を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験演習相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力4020000060
専門的能力3010000040