ソフトウェア工学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 ソフトウェア工学
科目番号 0032 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報電子システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 3rd-Q 週時間数 4
教科書/教材 保田勝通・奈良隆正:「ソフトウェア品質保証入門」(日科技連)
担当教員 奥村 俊昭

到達目標

・ソフトウェアにおける品質について説明できる。
・ソフトウェア開発の各工程における品質保証の方法について説明できる。
・練習問題を通して、ソフトウェア開発の各工程における成果物のレビューやテストを行い、問題個所の指摘と改善策の提案ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
品質保証の考え方ステークホルダーの立場でソフトウェア品質を考え、ソフトウェア検査の在り方について議論できる。6つのソフトウェア品質特性について説明できる。ソフトウェア品質保証について説明できない。
ソフトウェア開発と品質保証の方法検査計画書が立案でき、各工程におけるレビューと品質管理について実施できる。各工程におけるレビューと品質管理について説明できる。各工程におけるレビューと品質管理について説明できない。
問題個所の指摘と改善策の提案考え得るほぼ全ての問題個所を指摘でき、適切な改善策を提案でき、後工程での手戻りを未然に防ぐことができる。重要な問題個所を指摘でき、改善策を提案できる。重要な問題個所を見逃し、レビューやテストを完遂できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (A) 実践技術者としての高度でかつ幅広い基本的能力・素養

教育方法等

概要:
ソフトウェア開発においてユーザ視点に立った品質とは何かについて理解する。ユーザのニーズを満足し開発工程の手戻りを防ぐためには、各開発工程におけるレビューやドキュメント検査が重要である。本講義では、ソフトウェア品質保証について学習しながら、グループワークによる練習問題を通して重要な問題個所を指摘し改善策を提案できる能力を身に付ける。
授業の進め方・方法:
品質保証に関する考え方について、教科書を基に座学で授業を進める。座学はスライド等を用いて行い、適宜資料を配布する。第3週から第7週は授業の前半を座学とし、後半でグループワークを行う。グループワークでは、開発工程におけるドキュメント類から問題個所の指摘と改善策の提案を行う練習問題を解く。レポートは適宜指示する。期末試験を実施する。
事前学習(予習):毎回の授業前までに、授業で行う内容と意義を考えて整理しておくこと。
事後学習(復習):毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ生かす方法を考えること。自学用の練習問題をいくつか提示するので、問題個所の指摘や改善策の提案についての復習に活用すること。
注意点:
本科目を受講するにあたり、本科のソフトウェア工学に関する授業(例えば「ソフトウェア工学基礎」など)を受講していることが望ましい。学科によっては受講していないこともあるが、第1週にソフトウェア開発工程について復習する。未受講学生は授業開始前までに参考書などで事前学習を行っておくこと。また、専攻科1年次科目の「ソフトウェア論」を履修しておくこと。
【参考書】
1) 高橋直久・丸山勝久:「情報工学レクチャーシリーズ ソフトウェア工学」(森北出版社)
2) 神長裕明・郷健太郎・杉浦茂樹・高橋正和・藤田茂・渡辺喜道:「ソフトウェア工学の基礎」(共立出版)
3) (独)情報処理推進機構:「定量的品質予測のススメ」(オーム社) IPAのサイトからダウンロード可能 https://www.ipa.go.jp/files/000005133.pdf 
4) 山浦恒央・大森祐仁:「ソフトウェア技術者のためのバグ検出ドリル」(日科技連) 練習問題で引用

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ・ソフトウェア開発工程の基礎 ソフトウェア開発工程の基本であるウォータフォールモデルの各工程について説明できる。各種プロトタイピングモデルやアジャイルプロセスモデルについて説明できる。
2週 ・ソフトウェア品質保証の考え方
・ソフトウェア検査の在り方
6つのソフトウェア品質特性について説明できる。ソフトウェア検査とは何か説明できる。
3週 ・開発計画レビューと検査計画
・[グループワーク] 練習問題(1)要求分析フェーズ
開発計画レビューにおいて、品質面の何に着目すべきか説明できる。
グループワークにおいて、重要な問題個所を指摘し、改善策を提案できる。
4週 ・テストと品質管理
・[グループワーク] 練習問題(2)設計フェーズ
テスト工程での不良分析と評価について説明できる。
グループワークにおいて、重要な問題個所を指摘し、改善策を提案できる。
5週 ・レビュー技術とテスト技術
・[グループワーク] 練習問題(3)実装フェーズ
レビューやテストの種類と手順について説明できる。
グループワークにおいて、重要な問題個所を指摘し、改善策を提案できる。
6週 ・品質評価技術
・[グループワーク] 練習問題(4)テストフェーズ
品質評価モデルについて説明できる。
グループワークにおいて、重要な問題個所を指摘し、改善策を提案できる。
7週 ・フィールド保証
・[グループワーク] 練習問題(5)保守フェーズ
運用保守に関する品質保証について説明できる。
グループワークにおいて、重要な問題個所を指摘し、改善策を提案できる。
8週 ・まとめ、振り返り 講義全般について振り返り、科目到達目標への達成度を上げる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポートグループ演習・プレゼンテーション合計
総合評価割合502030100
基礎的能力100010
専門的能力30151560
分野横断的能力1051530