到達目標
集合論,計算論,論理学といった情報数学分野の基礎概念を理解し,それらを用いてソフトウェアやコンピュータ(特にアルゴリズム)をモデル化できること。具体的には,プログラムが再帰関数として表わされ,どのように計算されていくかを理解し,プログラム(関数)の性質を帰納法等で証明できるようにすること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
情報数学に関する各種定義を説明できる。 | 情報数学に関する各種定義を具体例を用いて説明できる。 | 情報数学に関する各種定義を説明できる。 | 情報数学に関する各種定義を説明できない。 |
情報数学に関する各種定義を用いてモデル化できる。 | 情報数学に関する各種定義を用いて複雑な対象をモデル化できる。 | 情報数学に関する各種定義を用いて基本的な対象モデル化できる。 | 情報数学に関する各種定義を用いてモデル化できない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE (A) 実践技術者としての高度でかつ幅広い基本的能力・素養
教育方法等
概要:
コンピュータとソフトウェアを理解するには,それらの概念の土台を形成する基本的な数学(情報数学)の知識が重要である。本科目では,計算機科学の分野で基礎となる情報数学分野(集合論,計算論,論理学)について学ぶ。合わせて,ソフトウェアやコンピュータシステムをこれの基礎概念を用いてモデル化し,モデルに基づく理解ができるようになることをねらいとする。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で概念に関し解説し,解説した概念に対する演習を併せて実施する。
事前学習:各回の授業内容,達成項目及び教科書内容を確認しておくこと。
事後学習:学習内容には抽象度の高い概念が多いので,教科書及び参考書に掲載されている例題を基に十分復習すること。理解を確実にするため,各回の授業内容に関連する課題を解くこと。
成績評価は,主に試験により行う.
注意点:
学習内容の大半は新規に登場する抽象度の高い概念である。これらの概念を定着させ,実際に応用するためにも,多くの具体例に習熟するよう留意すること。また,新規に登場した記法は,積極的にそれらを用いて習熟するよう留意すること。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
集合の概念と応用 |
集合に関する基本的な概念を理解し,集合演算を実行できる。これにより,専門的な概念を集合を用いて記述できる。
|
2週 |
写像の概念と応用 |
写像の概念を理解する。専門的な概念を写像を用いて記述できる。
|
3週 |
関係の概念と応用 |
集合の間の関係に関する基本的な概念を説明できる。専門的な概念を関係を用いて記述できる。
|
4週 |
再帰的構造の概念と応用 |
情報数学に関する知識(再帰的構造)がアルゴリズムの設計に利用できることを理解できる。再帰的構造及びその表現方法を理解する。
|
5週 |
小テストとMinのプログラムの意味 |
集合、写像、関係に関する内容を確認する。簡単な手続型プログラミング言語を理解する。
|
6週 |
再帰的関数 |
関数を再帰的に定義する方法を理解し、その計算可能性の概念を理解する。手続型プログラミング言語と関数型プログラミング言語の特徴を理解する。
|
7週 |
帰納法 |
プログラム(関数)の性質を帰納法で証明できることを理解する.プログラム(関数)の簡単な性質を帰納法で証明できる。
|
8週 |
定期試験と解説 |
プログラム意味論、再帰的関数、帰納法に関する内容を確認する。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | 課題・レポート | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |