工学基礎実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 工学基礎実験Ⅱ
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 ロボティクスコース 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 教科書なし/必要に応じてプリントを配布する
参考図書:Arduino電子工作実践講座 改訂第3版、福田和宏、株式会社ソーテック社(2022)
担当教員 佐藤 隆,角館 俊行

到達目標

・アクチュエーション・センシング・プログラミングの概念・知識・技能を実際のロボット作製に応用できる。
・課題を自ら発見し、解決のために必要な知識・技能を積極的に学び、活用できる。
・実験装置・器具・情報機器等を利用して目的を達成する手法を実践できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
アクチュエータの制御マイコンを用いて、センサにより取得する外部情報を基に、アクチュエータを制御できる。マイコンを用いてアクチュエータを制御できる。マイコンを用いてアクチュエータを制御できない。
センサの制御マイコンを用いて、センサにより取得する外部情報を基に、アクチュエータを制御できる。マイコンを用いてセンサを制御できる。マイコンを用いてセンサを制御できない。
オリジナルICTシステム作製した独自のICTシステムをアピールできる。独自のICTシステムを構築できる。独自のICTシステムを構築できない。
課題発見課題を自ら発見し、解決のために必要な知識・技能を積極的に学ぶことができる。他者の助けがあれば課題を発見し、解決のために必要な知識・技能を教わることができる。課題を発見できず、課題解決のために必要な知識・技能を教わる姿勢が見られない。

学科の到達目標項目との関係

 学習・教育到達度目標  1 ロボティクスの体系的な知識と技術を身に付ける。
学習・教育到達度目標 2  機械・電気・電子・情報等の基盤技術を身に付ける。
学習・教育到達度目標 3 ロボティクスの視点に立った論理的かつ実践的思考力を身に付ける。
学習・教育到達度目標 4 ロボティクスの社会的な役割を理解し、技術的課題を解決できる能力を身に付ける。

教育方法等

概要:
マイコンボードのひとつであるArduino UNOを用いた実験を通して、ロボットの基礎であるアクチュエーション・センシング・プログラミングについての概念と実践的スキルについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
・1Qから3Qまで、個別の電子部品やセンサ、モータを用いた実験に個人で取り組む。
・4Qではこれまで培ったスキルを活用して、オリジナルのICTシステム作製を個人またはグループで行う。
・最終週には作製したシステムをアピールするためのプレゼンテーションの機会を設ける。

・事前学習(予習):次回の授業内容について調べ、分からないところを明らかにする。
・事後学習(復習):毎回の授業後に授業内容を振り返り、独自のICTシステム提案への活用を考える。
注意点:
・成績は、各実験の成果物と最終週でのプレゼンテーション内容による評価を行う。
・学生間での教えあいと学びあいを積極的に行ってほしい。
・授業で示される情報だけでなく、多くの参考図書やインターネットの情報を自分で発掘し、活用すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業概要・授業の進め方・成績評価の方法について説明できる。
2週 【ハードウェア】電気電子回路の基礎 ブレットボードを用いて、電源と回路の接続ができる。
カラーコードから抵抗値を求めることができる。
3週 【ハードウェアとソフトウェア】コンピュータシステムの基礎 コンピュータシステムの構成について説明できる。
4週 【ハードウェア】マイコンボードArduino UNOの概要 マイコンボードArduino UNOの構成を説明できる。
5週 【ソフトウェア】プログラム開発環境の基本操作 プログラミング統合環境(Arduino IDE)の基本操作ができる。
6週 【出力】発光ダイオード(LED)の点灯制御 Arduino UNOを用いてLEDの点灯制御(点滅、明るさ変更)ができる。
7週 【出力】フルカラーLEDの点灯制御 Arduino UNOを用いてフルカラーLEDの点灯制御ができる。
8週 【出力】複数のLEDの点灯制御 Arduino UNOを用いて複数のLEDの点灯制御ができる。
2ndQ
9週 【入力】スイッチ、ボタンの状態の読み込み Arduino UNOを用いてスイッチやボタンのON/OFFを読み込むことができる。
10週 【入力】ボリューム変化による電圧変化の読み込み Arduino UNOを用いてボリューム(可変抵抗器)の状態変化に伴う電圧変化を読み込むことができる。
11週 【入力と出力】LEDとスイッチ、ボタン、ボリュームの組み合わせ制御 Arduino UNOを用いてLED、スイッチ、ボタン、ボリュームを組み合わせたシステムを製作し、その制御ができる。
12週 【アクチュエータ】直流(DC)モータの回転方向の制御 Arduino UNOを用いて、DCモータドライバによるモータの正転、停止、反転の制御ができる。
13週 【アクチュエータ】直流(DC)モータの回転速度の制御 Arduino UNOを用いて、DCモータドライバとPWMによるモータの回転速度の制御ができる。
14週 【アクチュエータ】複数の直流(DC)モータの制御 Arduino UNOを用いて複数のモータの回転方向、回転速度の制御ができる。
15週 【アクチュエータ】サーボモータの回転角度の制御 Arduino UNOを用いてPWMによるサーボモータの回転角度を制御できる。
16週 【アクチュエータ】複数のサーボモータの制御 Arduino UNOを用いて複数のサーボモータの回転角度の制御ができる。
後期
3rdQ
1週 【入力とアクチュエータ】モータとスイッチ、ボリュームの組み合わせ制御 Arduino UNOを用いてモータ、スイッチ、ボリュームを組み合わせたシステムを製作し、その制御ができる。
2週 【センサ】透過型光センサによる外界状態の検知 Arduino UNOを用いてフォトインタラプタによる回転検知ができる。
3週 【センサ】反射型光センサによる外界状態の検知 Arduino UNOを用いてフォトリフレクタによる位置検知ができる。
4週 【センサ】赤外線センサによる距離の計測 Arduino UNOを用いて赤外線センサによる距離計測ができる。
5週 【センサ】超音波センサによる距離の計測 Arduino UNOを用いて超音波センサによる距離計測ができる。
6週 【センサ】加速度センサによる傾きの検知 Arduino UNOを用いて加速度センサによる傾き角を求めることができる。
7週 【センサとアクチュエータ】光センサとモータの組み合わせ制御 Arduino UNOを用いて光センサとモータを組み合わせたシステムを製作し、その制御ができる。
8週 【センサとアクチュエータ】距離センサとモータの組み合わせ制御 Arduino UNOを用いて距離センサとモータを組み合わせたシステムを製作し、その制御ができる。
4thQ
9週 【オリジナルICTシステム】課題発見① これまでの学習内容を統合し、独自のシステムを提案できる。
10週 【オリジナルICTシステム】課題発見② これまでの学習内容を統合し、独自のシステムを提案できる。
11週 【オリジナルICTシステム】設計① これまでの学習内容を統合し、独自のシステムを設計できる。
12週 【オリジナルICTシステム】設計② これまでの学習内容を統合し、独自のシステムを設計できる。
13週 【オリジナルICTシステム】作製① これまでの学習内容を統合し、独自のシステムを製作できる。
14週 【オリジナルICTシステム】作製② これまでの学習内容を統合し、独自のシステムを製作できる。
15週 【オリジナルICTシステム】作製③ これまでの学習内容を統合し、独自のシステムを製作できる。
16週 【オリジナルICTシステム】プレゼンテーション 提案・設計・製作した独自のシステムを他者にアピールできる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野(実験・実習能力)電気・電子系分野(実験・実習能力)電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3

評価割合

プレゼンテーション試験相互評価態度成果物その他合計
総合評価割合30000700100
基礎的能力0000000
専門的能力30000700100
分野横断的能力0000000