電磁気学Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電磁気学Ⅰ
科目番号 0010 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 ロボティクスコース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 わかりやすい電磁気学 脇田和樹/小田昭紀/清水邦康 ムイスリ出版
担当教員 熊谷 晃一,佐藤 拓

到達目標

1. 電磁気学における基本事項の概念について、正しい用語や式を用いて正しく表現できる。
2. 学んだ範囲について理解し、演習問題が解ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ベクトル解析の基礎様々なベクトル演算を理解し、活用できる。基本的なベクトル演算を理解できる。基本的なベクトル演算を理解できない。
静電界の諸現象の理解典型的な電荷分布における電界と電位を説明できる。典型的な電荷分布における電界と電位を理解できる。典型的な電荷分布における電界と電位を理解できない。
導体の諸現象の理解様々な導体の電界と電位を説明できる。様々な導体の電界と電位を理解できる。様々な導体の電界と電位を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

 学習・教育到達度目標  1 ロボティクスの体系的な知識と技術を身に付ける。
学習・教育到達度目標 2  機械・電気・電子・情報等の基盤技術を身に付ける。
学習・教育到達度目標 3 ロボティクスの視点に立った論理的かつ実践的思考力を身に付ける。

教育方法等

概要:
「電磁気学Ⅰ」は総合工学の基礎となる重要な物理系専門科目である。3年次には、まず電磁現象を一般的に取り扱うことができるようにベクトル解析の基礎を学ぶ。ベクトル解析に基づく静電界、導体、誘電体について学び、厳密な電磁気学の基礎を修得する。
授業の進め方・方法:
ベクトル解析については、教科書の付録とオンライン教材等を使って授業を行う。ベクトル解析に関する基本知識修得後、教科書を用いて静電界、導体、誘電体について学ぶ。
予習: 次週の授業内容についてオンライン教材または教科書を読み、理解できる点・不明な点を整理する。
復習: 授業で取り扱った内容について例題や練習問題を解き、理解を深める。
授業期間中の最初はTeamsを使った遠隔授業となります。各自Teamsの利用方法を確認しておくこと。授業資料公開、出欠確認、課題提出のためにWebClassシステムを使用します。WebClassシステムの利用方法を確認しておくこと。
注意点:
「暗記」に頼らず、各電磁現象を「理解」して「説明できる」ように努めること。物理Ⅰ、物理Ⅱ、電気回路Ⅰの関連する内容をよく復習しておくこと。物理Ⅲ、応用物理、電磁気学Ⅱとも関連するので履修する際に参考とすること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス, ベクトル解析1 シラバスの内容と授業の流れを理解する。空間ベクトルの復習として、スカラーとベクトルを説明できる。
2週 ベクトル解析2 スカラー積とベクトル積を説明できる。スカラー場の勾配を説明できる。
3週 ベクトル解析3 ベクトル場の発散と回転を説明できる。
4週 ベクトル解析4 スカラー場及びベクトル場の線積分と面積分を説明できる。
5週 ベクトル解析5 ガウスの発散定理とストークスの定理を説明できる。グリーンの定理を理解できる。
6週 ベクトル解析6 直角座標、円筒座標、球座標を説明できる。
7週 中間試験
8週 1Qの振り返り 1Qで扱った内容を説明できる。
2ndQ
9週 静電界1 電荷, クーロンの法則, 電界 電荷、クーロンの法則について説明できる。電界を説明できる。
10週 静電界2 電気力線, 積分・微分形式のガウスの法則 電気力線を説明できる。ガウスの法則を説明できる。
11週 静電界3 電位 電界中で電荷を運ぶのに要する仕事を説明できる。
12週 静電界4 電位, 電位の勾配 電位、電位差、等電位面と電位の傾きを説明できる。
13週 静電界5 電気双極子 電気双極子を説明できる。電気双極子による電位と電界について説明できる。
14週 静電界6 ポアソンの方程式, ラプラスの方程式 ポアソンの方程式とラプラスの方程式を理解できる。
15週 期末試験
16週 2Q振り返り 2Qで扱った内容を説明できる。
後期
3rdQ
1週 導体1 導体と静電界1 静電誘導について説明できる。
2週 導体2 導体と静電界2 誘導電荷、静電遮蔽について説明できる。
3週 導体3 静電誘導と静電界の解析法 静電誘導について説明できる。静電界の解析法として鏡像法を説明できる。
4週 導体4 静電容量, コンデンサ1 静電容量について説明できる。コンデンサについて説明できる。
5週 導体5 コンデンサ2 種々のコンデンサの静電容量と直・並列接続したコンデンサの静電容量を求めて説明できる。
6週 導体6 静電エネルギー 静電エネルギーについて説明できる。
7週 中間試験
8週 3Q振り返り 3Qで扱った内容を説明できる。
4thQ
9週 誘電体1 誘電体の働き, 誘電分極 誘電体と誘電分極について説明できる。
10週 誘電体2 分極ベクトル, 電束密度 分極ベクトルと電束密度について説明できる。
11週 誘電体3 誘電率 誘電率及び比誘電率について説明できる。
12週 誘電体4 コンデンサ 誘電体を使ったコンデンサを説明できる。
13週 誘電体5 クーロンの法則, 静電エネルギー 誘電体を伴う場合のクーロンの法則と静電エネルギーを説明できる。
14週 誘電体6 分極の機構, 強誘電体 分極の機構を説明できる。強誘電体について説明できる。
15週 期末試験
16週 4Q振り返り 4Qで扱った内容を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3前6
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3前9
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3前10
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3前11,前12
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3前13,前14
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3後2
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3後2
静電エネルギーを説明できる。3後2
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3後5
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。3後9
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。3後10
磁界中の電流に作用する力を説明できる。3後11
ローレンツ力を説明できる。3後11
磁気エネルギーを説明できる。3後12
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3後13
自己誘導と相互誘導を説明できる。3後14
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。3後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000