応用物理B

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理B
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 ロボティクスコース 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「半導体の基礎」 著者:入江泰三 他  出版社: 工学図書
担当教員 舘野 安夫

到達目標

1.原子・分子内の電子の状態について理解し、金属や半導体の物性の理解に役立てられる。
2.半導体デバイスの動作原理を理解し、電子工学システムの理解に役立てられる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電子物性の基礎固体物性が電子の性質によって特徴付けられることを理解し、電子構造と物性を直接結びつけて説明できる。固体物性と電子の性質の関係を理解し説明できる。左の基準に達していない。
半導体デバイスの動作原理半導体特有の電子物性を理解し、各種の半導体デバイスの動作原理を説明できる。さらに電子工学システムの概要が理解できる。半導体特有の電子物性を理解し、各種の半導体デバイスの動作原理を説明できる。左の基準に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
固体中での電子の振る舞いを理解するために量子力学、結晶解析学、統計熱力学の基礎を学び、その応用として電子が関与する物理(半導体物理、半導体工学)の概要を学ぶ。
授業の進め方・方法:
基礎的な教科書に基づき、半導体物理および半導体工学の概要を平易に説明していく。要点をまとめたプリントを作成し配布するので、復習に役立てることを期待する。
注意点:
現代物理の一つである量子力学の入門として、ミクロの世界の新しい概念を学ぶことになる。しかし、これまで学んできた運動方程式の解法に必要な微分方程式の知識や、低学年で学んだ物理・化学の知識が求められることから、これらの科目の復習が必要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 量子論誕生の背景(1) 現代物理学の黎明期。黒体放射。光電効果。光の二重性。
2週 量子論誕生の背景(2) 物質波。電子の二重性。シュレディンガー方程式。
3週 量子力学の基本原理(1) シュレディンガー方程式。固有関数。固有エネルギー。
4週 量子力学の基本原理(2) シュレディンガー方程式の解法。井戸型ポテンシャル。トンネル効果。
5週 水素原子の構造 水素原子のエネルギー準位。s軌道。p軌道。d軌道。
6週 スピンと多電子原子 パウリの排他原理。組み立て原理。フント則。
7週 分子軌道法と化学結合 共有結合。sp3 混成軌道。ダイヤモンド構造。
8週 演習
4thQ
9週 エネルギー帯(1) 自由電子モデル。周期的ポテンシャル。Eとkの関係。状態密度関数。
10週 エネルギー帯(2) Blochの定理。クローニッヒ・ペニーのモデル。エネルギー帯。バンドギャップ。
11週 エネルギー帯(3) 電気伝導現象。キャリア伝導。正孔(ホール)。有効質量。
12週 電子のエネルギー分布 フェルミ・ディラックの分布関数。電子密度。
13週 半導体 真性半導体。不純物半導体。不純物準位。
14週 半導体デバイス(1) pn接合ダイオード。トンネルダイオード。発光ダイオード。
15週 半導体デバイス(2) トランジスタ。FET。MOSFET。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3
原子の構造を説明できる。3
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価合計
総合評価割合10000100
基礎的能力0000
専門的能力10000100
分野横断的能力0000