到達目標
有機化合物についてIUPAC命名法に基づき、構造から名前をつけることができる。また、名前から構造を書くことができる混成軌道を用い結合の種類と分子の形を予想できる。
分子についている官能基と分子の形からその性質を説明できる。付加反応について反応機構を書き、得られる生成物が予想できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安(良) | 未到達レベルの目安(不可) |
命名法 | 命名法に従い、化合物名と構造を正確に変換できる | 命名法に従い、化合物名と構造を変換できる。その際、官能基の位置などが曖昧であっても主鎖の構造が正しく表記されていて、構造・名前を再現することができる | 命名法に従い、化合物名と構造を変換する際、主鎖に誤りがあり、構造を正しく再現できない |
混成軌道 | sp、sp2、sp3混成軌道を用い結合と分子の形を説明できる | sp、sp2、sp3混成軌道を判別できるが、結合や分子の形の説明に曖昧さがある | 混成軌道を用いて結合を説明できない |
分子の性質 | 分子の性質について、官能基と分子の形から論理的な予測ができる | 分子の性質について、説明することができるが、論理性に欠ける | 分子の性質について、説明できない |
反応機構 | 反応について、反応機構を記述し、生成物を予測することができる | 反応について、生成物を予測することができるが、反応機構に間違いがある | 反応について、生成物を正しく予測できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
現在様々な製品に使われているプラスチック材料、新しいディスプレイ材料として使われ始めたOLED(有機EL)、医薬品、塗料などこれらは全て炭素と水素を基本とする有機物質です。
この授業ではこれら有機物質の名前の付け方、性質、化学反応の仕組みについて学びます。この分野の学問を有機化学と言います。
4年生で学ぶ有機化学II、5年生で学ぶ有機材料の基礎となる科目で、これらの科目群を学ぶことで将来、生体関連材料、石油化学、プラスチックなどの化学関連分野の研究を行うために必要な基礎知識と考え方を身につけます。
授業の進め方・方法:
・講義内容として教科書1章「構造と結合」、2章「有機化合物の性質」、3章「有機反応の性質」、4章「アルケンとアルキンの反応」、5章「芳香族化合物」を学び、有機化合物の名称、混成軌道と結合、有機分子の性質、反応機構について基本的な知識と考え方を身につけます。
・授業で用いるスライドはLMS上に公開します。授業ではノートを取ることより議論への参加に集中して下さい。
注意点:
有機化学の学習では、命名法や分子を構成する原子の混成軌道など、はじめに理解し定着させなければならないことが多いと感じる学生も多いことと思います。
それを乗り越えた先に、分子を操る面白さを感じることができるようになると思いますので、途中であきらめずに学習に取り組んでください。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
今後の授業の進め方を理解できる
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2週 |
構造と結合;酸と塩基(1) |
sp3混成軌道とは何かを説明できる sp3混成軌道を含む分子の構造を図示できる
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3週 |
構造と結合;酸と塩基(2) |
sp2混成軌道とsp混成軌道とは何かを説明できる sp2混成軌道とsp混成軌道を含む分子の構造を図示できる
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4週 |
構造と結合;酸と塩基(3) |
電気陰性度とは何か説明できる 分子の形と極性を性質に適用できる 酸と塩基を定義でき、中和反応の化合物を酸と塩基に分類できる
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5週 |
アルカン:有機化合物の性質(1) |
アルカンにIUPAC命名法で名前をつけることができる アルカンの立体配座を説明することができる 骨格構造(線結合構造)でアルカンを書くことができる
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6週 |
アルカン:有機化合物の性質(2) |
シクロアルカンにおけるシス-トランス異性を説明できる シクロアルカンの立体配座を説明できる
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7週 |
アルカン:有機化合物の性質(3) |
シクロヘキサンのイス型配座を立体的に書ける シクロヘキサンのアキシアル結合とエクアトリアル結合を説明できる シクロヘキサンの安定性を立体障害から比較できる
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8週 |
中間試験 |
試験を通して学習を深める
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2ndQ |
9週 |
アルケンとアルキン:有機反応の性質(1) |
アルケンにIUPAC命名法で名前をつけることができる アルケンのシス-トランス異性とE, Z命名法を説明できる
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10週 |
アルケンとアルキン:有機反応の性質(2) |
反応の種類を4つ挙げることができる 反応機構を反応エネルギー図を用いて説明できる 活性化エネルギーとカルボカチオン中間体の関係を説明できる
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11週 |
アルケンとアルキンの反応(1) |
Maokovnikov則とは何か説明できる Maokovnikov則の理由を反応機構と関連づけることができる
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12週 |
アルケンとアルキンの反応(2) |
共役とは何か、構造と性質を説明できる 共鳴構造を書くことができる アルキンへの付加反応とアルキンの合成法を説できる
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13週 |
芳香族化合物(1) |
芳香族化合物をIUPAC命名法で名前をつけることができる 芳香族求電子置換反応の概要を説明できる
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14週 |
芳香族化合物(2) |
Friedel-Crafts反応の反応機構が書ける 芳香族求電子置換反応における置換基効果を説明できる
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15週 |
芳香族化合物(3) |
芳香族化合物の酸化還元とその他の芳香族化合物について生成物を予想できる
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16週 |
期末試験 |
試験を通して学習を深める
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 有機材料 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造と名前の変換ができる。 | 4 | 前5 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 4 | 前1 |
ルイス構造を書くことができ、それを反応に結びつけることができる。 | 4 | 前2,前3,前5 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 4 | 前5,前6 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | 前6,前7 |
構造異性体、幾何異性体、鏡像異性体などについて説明できる。 | 4 | 前6,前7 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 4 | 前6,前7 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 4 | 前10,前11,前12,前13 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 4 | 前9,前11,前12 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 4 | 前10,前11,前12,前14 |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 4 | |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 4 | |
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。 | 4 | |
高分子の熱的性質を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | レポート提出 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |
専門的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 70 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |