電磁気学Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電磁気学Ⅰ
科目番号 0007 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 マテリアル環境コース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 書名:わかりやすい電磁気学 著者:脇田和樹/小田昭紀/清水邦康 発行所:ムイスリ出版
担当教員 熊谷 晃一

到達目標

1. 電磁気学における基本事項の概念について、正しい用語や式を用いて正しく表現できる。
2. 学んだ範囲について理解し、演習問題が解ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ベクトル解析の基礎様々なベクトル演算を理解し、活用できる。基本的なベクトル演算を理解できる。基本的なベクトル演算を理解できない。
静電界の諸現象の理解典型的な電荷の場合の電界・電位を説明できる。電荷とそれによる電界・電位を理解できる。電荷とそれによる電界・電位を理解できない。
導体の諸現象の理解様々な導体の場合の電界・電位を説明できる。導体の電界・電位を理解できる。導体の電界・電位を理解できない。
誘電体の諸現象の理解様々な誘電体の場合の電界・電位を説明できる。誘電体内の電界・電位を理解できる。誘電体内の電界・電位を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「電磁気学Ⅰ」は総合工学の基礎となる重要な物理系専門科目である。3学年次には、まず電磁気現象を一般的に取り扱うことができるようにベクトル解析を学ぶとともに、それを静電界、導体、誘電体に対して適用することにより、より厳密な電磁気学の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
ベクトル解析については、教科書の付録とプリント等を適宜使って参考として授業を行う。ベクトル解析に関する基本知識定着後、教科書を用いて電磁気学Ⅰの授業を行う。
予習:次週の授業内容について教科書等を読み、理解できる点、不明な点を整理する。
復習:授業で学んだ内容について例題や問、演習問題を解き、理解を深める。
授業資料の公開や課題提出のためにブラックボードシステムを援用します。ブラックボードシステムの利用方法を確認しておくこと。授業期間中の一部がTeamsを使った遠隔授業となることもあります。Teamsの利用方法も確認しておくこと。
注意点:
「暗記」に頼らず、各電磁現象を「理解」するように努めること。物理Ⅰ、物理Ⅱ、電気回路Ⅰの関連する内容を復習しておくこと。物理Ⅲや応用物理とも関連するので履修する際に参考とすること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス シラバスの内容、授業の流れを理解する。
2週 ベクトル解析(1) スカラーとベクトルを理解できる。
3週 ベクトル解析(2) スカラー積とベクトル積を理解できる。
4週 ベクトル解析(3) ベクトル界の発散、回転を理解できる。
5週 ベクトル解析(4) 線積分を理解できる。
6週 ベクトル解析(5) ベクトルの発散定理を理解できる。
7週 ベクトル解析(6) ストークスの定理を理解できる。
8週 ベクトル解析(7) 直角座標、円筒座標、極座標を説明できる。
2ndQ
9週 中間試験
10週 中間試験返却、解説 中間試験での出題内容を解説を通じて理解できる。
11週 静電界(1) 電荷・クーロンの法則 電荷、クーロンの法則について説明できる。
12週 静電界(2) 電界 電界を説明できる。
13週 静電界(3) 電気力線 電気力線を説明できる。
14週 静電界(4) 積分・微分形式のガウスの法則 ガウスの法則について説明できる。
15週 静電界(5) 電位 電界中で電荷を運ぶに要する仕事を説明できる。
16週 静電界(6) 電位・電位の勾配 電位、電位差、等電位面と電位の傾きを説明できる。
後期
3rdQ
1週 静電界(7) 電気双極子 電気双極子による電位と電界について説明できる。
2週 静電界(8) ポアソンの方程式とラプラスの方程式 ポアソンの方程式とラプラスの方程式を理解できる。
3週 導体(1) 導体と静電界 静電誘導について説明できる。
4週 導体(2) 導体と静電界 誘導電荷、静電遮へいについて説明できる。
5週 導体(3) 静電誘導と静電界の解析法 静電誘導と静電界の解析法について理解できる。
6週 導体(4) 静電容量とコンデンサ 静電容量、コンデンサについて説明できる。
7週 問題演習 静電界、導体で学習した内容を演習を通じて計算、説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 中間試験返却、解説 中間試験での出題内容を解説を通じて理解できる。
10週 導体(5) 静電容量とコンデンサ 種々のコンデンサの静電容量と直・並列接続したコンデンサの静電容量を求めて説明することができる。
11週 導体(6) 静電エネルギー 静電エネルギーについて説明できる。
12週 誘電体(1) 誘電体の働き・誘電分極 誘電体と誘電分極について説明できる。
13週 誘電体(2) 分極ベクトル・電束密度 分極ベクトルと電束密度について説明できる。
14週 誘電体(3) 誘電率 誘電率について説明できる。
15週 誘電体(4) 分極の機構と強誘電体 分極の機構と強誘電体について説明できる。
16週 問題演習 導体、誘電体で学習した内容を演習を通じて計算、説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3前11,後7
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3前12,前13,前15,前16,後1,後2,後7
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3前14,後7
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3後3,後4,後5,後7,後16
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3後12,後13,後14,後15,後16
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3後6,後7,後10,後16
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3後10,後16
静電エネルギーを説明できる。3後11,後16
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。2
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。2
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。2
磁界中の電流に作用する力を説明できる。2
ローレンツ力を説明できる。2
磁気エネルギーを説明できる。2
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。2
自己誘導と相互誘導を説明できる。2
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000