マテリアル工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 マテリアル工学実験Ⅰ
科目番号 0014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 マテリアル環境コース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 マテリアル環境工学科実験書 (著:マテリアル環境工学科教員)
担当教員 浅田 格,熊谷 晃一,伊東 航,北川 明生

到達目標

材料工学に関する基礎重要項目について実験を通して実践的に学習する。
実験技術の習得、実験結果の考察、レポートによる実験報告書の作成により、実験・研究の基礎を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
結晶構造解析・組成分析X線の回折パターンを解析し、物質を同定して構造因子でき,これらの結果に関する考察ができる。X線の回折パターンを解析し、構造因子を導出できる。X線の回折パターンから解析できない。
熱電対の検定適切な熱電対を選択し、検定することができる。検定結果から測定誤差について議論できる。適切な熱電対を選択し、検定することができる。熱電対の選択が不適切であり、検定することができない。
熱起電力の測定測定誤差を考慮して、適切に熱起電力を測定できる。情報処理機器を援用して半自動的に熱起電力を短時間で測定できる。適切に熱起電力を測定できる。情報処理機器を援用して半自動的に熱起電力を測定できる。適切に熱起電力を測定できない。情報処理機器を援用して半自動的に熱起電力を測定できない。
状態図の作成情報処理機器を援用して測定結果を適切に組み合わせて正確な状態図を作成できる。測定結果を適切に組み合わせて状態図を作成できる。測定結果を適切に組み合わせて状態図を作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料工学の基礎となる各テーマについて実験を行う。実験の目的・用点を捕え、実験における基本的な方法・手順を実践的に学習して、実験結果を整理しまとめる力を身につける。さらに課題調査などを通して、材料工学に関する研究を行う素養を養う。
授業の進め方・方法:
材料工学に関する基礎重要項目について8種類のテーマをそれぞれ2週に渡って実験を通した実践的な学習を行う。
その後、実験技術の習得、実験結果の考察などに関する事項を実験報告書にまとめる。
注意点:
予習:実験書をよく読み、次回おこなう実験について調べておくこと。
復習:実験ノートに手順や実験データをきちんと書くこと。
・すべての実験に出席すること.欠席の場合は担当教員へ申し出て補講等の指導を受けること.
・8テーマのレポート及びキャリア研修レポートの提出は必須.
・これらレポートに加えて,課題及び実験ノートにより評価点

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験ガイダンス 実験を行う上での目標と、心構えがわかる。
2週 実験のための予備知識(安全講習) 実験中に起こりうる災害防止と安全確保のためにすべきことがわかる。
3週 ベーシックテーマガイダンス(講義,実験機器ガイダンス) 実験原理に関する講義,実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ、安全に実験を行うことができる。
4週 ベーシックテーマガイダンス(講義,実験機器ガイダンス) 実験原理に関する講義,実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ、安全に実験を行うことができる。
5週 グラフ作成&レポートガイダンス エクセルを使って科学技術論文に適切なグラフ作成ができる。
6週 グラフ作成&レポートガイダンス レポート構成や記述方法を理解しレポートを作成できる。
7週 硬さ試験 硬度試験機や万能試験機などを用いて材料の強度特性を評価できる。
8週 硬さ試験 硬度試験機や万能試験機などを用いて材料の強度特性を評価できる。
2ndQ
9週 滴定の基礎 中和滴定を行い,滴定の基礎を習得できる。
10週 滴定の基礎
中和滴定を行い,滴定の基礎を習得できる。
11週 熱分析 熱分析装置を使って,物質の熱的性質を理解し,測定手法を習得できる。
12週 熱分析 熱分析装置を使って,物質の熱的性質を理解し,測定手法を習得できる。
13週 組成分析 蛍光X線分析を行い,元素分析の原理と手法を理解できる
14週 組成分析 蛍光X線分析を行い,元素分析の原理と手法を理解できる。
15週 キャリア研修 在校生によるキャリア講演または進路に関する研修を行い,進路選択について考えることができる。
16週
後期
3rdQ
1週 アドバンステーマガイダンス X線、X線回折の原理を説明できる。
2週 鉄鋼の組織観察 光学顕微鏡で鉄鋼材料を観察し、組織について評価することができる。
3週 鉄鋼の組織観察 光学顕微鏡で鉄鋼材料を観察し、組織について評価することができる。
4週 環境分析の基礎 環境分析を通して定量分析手法を習得できる。
5週 環境分析の基礎 環境分析を通して定量分析手法を習得できる。
6週 キャリア研修 地域企業を見学し,将来の進路選択を考えることができる。
7週 2元合金の状態図作成 任意の組成の2元合金試料を作製し、情報処理機器を援用して実験試料の熱起電力を半自動的に測定できる。
8週 2元合金の状態図作成 任意の組成の2元合金試料を作製し、情報処理機器を援用して実験試料の熱起電力を半自動的に測定できる。
4thQ
9週 X線回折法 X線回折装置を用いて,任意試料の結晶構造を同定できる。
10週 X線回折法 X線回折装置を用いて,任意試料の結晶構造を同定できる。
11週 キャリア研修 卒業生によるキャリア講演または進路に関する研修を行い,進路選択について考えることができる。
12週 スキル確認 実験スキルに関するチェックシートの作成し,習得した技術を確認できる。実験ノートの確認評価を行い,適切な実験ノート作成を理解できる。
13週 プレゼン演習 プレゼンテーション技術を習得できる。
14週 プレゼン演習 プレゼンテーション技術を習得できる。
15週 卒業研究発表聴講 卒業研究発表の聴講を通じて,マテリアルに関する研究活動について理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前3,前9,前10,前11,前12,前13,後9,後10
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前9,前10,前11,前12,前14,前15,後9,後10
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前14,前15,前16,後9,後10
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前8,前11,前12,後9,後10
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前8,前11,前12,後9,後10
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3

評価割合

レポートスキル確認合計
総合評価割合10000100
基礎的能力500050
専門的能力500050