環境分析実験

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 環境分析実験
科目番号 0031 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 マテリアル環境コース 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 書名:マテリアル環境工学科 学生実験書 改訂第4版、著者:仙台高等専門学校 マテリアル環境工学科
担当教員 佐藤 友章,葛原 俊介,伊東 航,森 真奈美,今野 一弥

到達目標

・マテリアルの観察・分析・評価方法を理解して基本操作できることを目標とする。
・実験装置の原理と操作方法を理解し、実験の過程および結果を説明できる能力を養うことを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
レポート作成1. 文章の構成が適切で、読みやすいレイアウトである。 2. 図・写真のキャプション等の表記も適切である。3. 読みやすくするための創意工夫点がある。1. レポート書式として重大な間違いをせず作成できる。1. 締切りが守られていない。2. 基本的なレポートの書式(緒言、方法、結果、考察)から大きく脱落している。3. 盗作・盗用の疑いがある。
結果に対する考察1. 得られた結果に対し、複数の専門書や論文を使い、論理的に考察されている。1. 参考文献値と実験結果の比較を行うなど、分析機器を利用するための基本事項について考察されている。1. 盗作・盗用の疑いがある。2. 考察されていない。
実験中の活動1. 積極的に実験に取り組んだ、または発言し、円滑に実験やグループ活動を進めた。2. PBLでは主体的に課題設定・解決を図った。1. 実験やグループ活動に真摯に取り組んだ。 2. 与えられた課題(実験)に真剣に取り組んだ。1. 無断欠席した。2. 不注意・ふざけのため危険を誘発したり、グループの活動を消極的な言動で停滞させたりした。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
環境負荷の低い材料を開発するためには、環境中の微量物質の成分や含有量を調査する手法を習得する事が極めて重要である。この科目では、機器を用いたいくつかの分析方法について、その原理を学び、さらに具体的な分析評価方法を学ぶ。この科目は企業で実務経験のある教員が、その経験を活かし授業を行う。
授業の進め方・方法:
はじめに実験ガイダンスを行い、加えて各実験テーマの事前説明も行う。その後、6テーマ(原子吸光、赤外分光、走査電子顕微鏡による組織観察と組成分析、核磁気共鳴、磁気測定、電気化学)を6班、2週サイクルで進めていく。実験レポートの提出は開始週から3週目が基本となる。レポートについては、科学技術形式でのグラフ作成、実験結果に対しての考察、および調査内容、など自分で取り組んでいるかで評価する。
注意点:
本科目の内容は、化学的な現象から物理的な現象まで広範囲にわたる。機器分析のほか、化学、物理、応用物理などの復習も必要である。グラフ用紙と関数電卓を携帯し、統計処理によって得られたデータをプロットしながら結果について考察すること。また、実験レポートの作成ために予習・復習をしっかり行うこと。
予習:実験書をよく読み、実験内容を調べてから参加する。 
復習:実験ノートに手順や実験データをきちんと整理した上で解析を行うこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.実験ガイダンス(1) 実習の目標と、心構えがわかる。
災害防止と安全確保のためにすべきことがわかる。
レポートの作成の仕方がわかる。
2週 1.実験ガイダンス(2) 実習の目標と、心構えがわかる。
災害防止と安全確保のためにすべきことがわかる。
レポートの作成の仕方がわかる。
3週 2.赤外分光分析(FT-IR)① 標準試料を用いてFT-IR装置を操作でき、赤外スペクトルを測定することができる。
4週 2.赤外分光分析(FT-IR)② 試料を考慮して適切な測定準備ができ、赤外スペクトルを測定することができる。
5週 2.データ整理とレポートの書き方 FT-IRで得たデータを正しく整理し、理論的な考察を行い、レポートを書くことができる。
6週 3.走査型電子顕微鏡による組織観察と組成分析(SEM, EDX)① 走査型電子顕微鏡による組織観察を行うことができる。
7週 3.走査型電子顕微鏡による組織観察と組成分析(SEM, EDX)② 走査型電子顕微鏡による組成分析を行うことができる。
8週 3.データ整理とレポートの書き方 走査型電子顕微鏡で得たデータを正しく整理し、理論的な考察を行い、レポートを書くことができる。
2ndQ
9週 4.核磁気共鳴(NMR)① NMR測定の原理と1H NMRのデータの解析法を説明できる。
NMRスペクトルのピークを帰属し、化合物の同定ができる。
10週 4.核磁気共鳴(NMR)② 未知試料をNMR測定し、得られたデータを解析し化合物の同定ができる。
複数の化学種が混入した溶液についてNMR測定し、得られたデータを解析し化合物の同定ができる。
11週 4.データ整理とレポートの書き方 NMRで得たデータを正しく整理し、理論的な考察を行い、レポートを作成することができる。
12週 5.磁気測定(VSM)① 磁性材料の磁気測定の原理について説明できる。
VSMを用いて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。
13週 5.磁気測定(VSM)② 磁性材料の磁気測定の原理について説明できる。
VSMを用いて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。
14週 5.データ整理とレポートの書き方 磁気測定の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。
15週 6.電気化学① サイクリックボルタンメトリーの原理を理解して説明できる。
16週 6.電気化学② サイクリックボルタンメトリー測定を行い、データの解析ができる。
後期
3rdQ
1週 6.データ整理とレポートの書き方 サイクリックボルタンメトリー測定で得たデータを正しく整理し、理論的な考察を行い、レポートを作成することができる。
2週 7.高速液体クロマトグラフィー・イオンクロマトグラフィー(HPLC-IC)による定量分析① 液体クロマトグラフィー用の検体および標準試料を調製でき、化学物質またはイオン種の信号を濃度として取得することができる。
3週 7.高速液体クロマトグラフィー・イオンクロマトグラフィー(HPLC-IC)による定量分析② 液体クロマトグラフィー用の検体および標準試料を調製でき、化学物質またはイオン種の信号を濃度として取得することができる。
4週 7.データ整理とレポートの書き方 HPLC-ICで得たデータを正しく整理し、理論的な考察を行い、定量評価のレポートを作成することができる。
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

実験レポート合計
総合評価割合1000100
基礎的能力40040
専門的能力60060
分野横断的能力000