到達目標
・マテリアルの観察・分析・評価方法を理解して基本操作できることを目標とする。
・実験装置の原理と操作方法を理解し、実験の過程および結果を説明できる能力を養うことを目標とする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
レポート作成 | 1. 文章の構成が適切で、読みやすいレイアウトである。 2. 図・写真のキャプション等の表記も適切である。3. 読みやすくするための創意工夫点がある。 | 1. レポート書式として重大な間違いをせず作成できる。 | 1. 締切りが守られていない。2. 基本的なレポートの書式(緒言、方法、結果、考察)から大きく脱落している。3. 盗作・盗用の疑いがある。 |
結果に対する考察 | 1. 得られた結果に対し、複数の専門書や論文を使い、論理的に考察されている。 | 1. 参考文献値と実験結果の比較を行うなど、分析機器を利用するための基本事項について考察されている。 | 1. 盗作・盗用の疑いがある。2. 考察されていない。 |
実験中の活動 | 1. 積極的に実験に取り組んだ、または発言し、円滑に実験やグループ活動を進めた。2. PBLでは主体的に課題設定・解決を図った。 | 1. 実験やグループ活動に真摯に取り組んだ。 2. 与えられた課題(実験)に金と取り組んだ。 | 1. 無断欠席した。2. 不注意・ふざけのため危険を誘発したり、グループの活動を消極的な言動で停滞させたりした。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
環境負荷の低い材料を開発するためには、環境中の微量物質の成分や含有量を調査する手法を習得する事が極めて重要である。この科目では、機器を用いたいくつかの分析方法について、その原理を学び、さらに具体的な分析評価方法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
はじめに実験ガイダンスを行い、加えて各実験テーマの事前説明も行う。その後、6テーマ(原子吸光、赤外分光、走査電子顕微鏡による組織観察と組成分析、核磁気共鳴、熱分析、電気化学)を6班、3週サイクルで進めていく。実験レポートの提出は開始週から4週目が基本となる。レポートについては、科学技術形式でのグラフ作成、実験結果に対しての考察、および調査内容、など自分で取り組んでいるかで評価する。
注意点:
本科目の内容は、化学的な現象から物理的な現象まで広範囲にわたる。機器分析のほか、化学、物理、応用物理などの復習も必要である。グラフ用紙と関数電卓を携帯し、統計処理によって得られたデータをプロットしながら結果について考察すること。
また、スムーズ実験レポート作成ために予習・復習をしっかり行うこと。
予習:実験書をよく読み、実験内容を調べてから参加する。
復習:実験ノートに手順や実験データをきちんと整理した上で解析を行うこと。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1.実験ガイダンス(1) |
実習の目標と、心構えがわかる。 災害防止と安全確保のためにすべきことがわかる。 レポートの作成の仕方がわかる。
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2週 |
1.実験ガイダンス(2) |
実習の目標と、心構えがわかる。 災害防止と安全確保のためにすべきことがわかる。 レポートの作成の仕方がわかる。
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3週 |
2.原子吸光分析(AAS)による定量分析① |
光吸収について理解し、代表的な分析方法について理解している。 Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。 代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、携帯観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 分析機器を用いて、成分などの定量評価をすることができる。
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4週 |
2.原子吸光分析(AAS)による定量分析② |
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。 分析機器を用いて、成分などの定量評価をすることができる。 特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。 代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、携帯観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。
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5週 |
2.データ整理とレポートの書き方 |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。 光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。 分析機器を用いて、成分などの定量評価をすることができる。 実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。 特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。
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6週 |
3.赤外分光分析(FT-IR)① |
標準試料を用いてFT-IR装置を操作でき、赤外スペクトルを測定することができる。
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7週 |
3.赤外分光分析(FT-IR)② |
試料を考慮して適切な測定準備ができ、赤外スペクトルを測定することができる。
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8週 |
3.データ整理とレポートの書き方 |
FT-IRで得たデータを正しく整理し、理論的な考察を行い、レポートを書くことができる。
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2ndQ |
9週 |
4.走査型電子顕微鏡による組織観察と組成分析(SEM, EDX)① |
走査型電子顕微鏡による組織観察を行うことができる。
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10週 |
4.走査型電子顕微鏡による組織観察と組成分析(SEM, EDX)② |
走査型電子顕微鏡による組成分析を行うことができる。
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11週 |
4.データ整理とレポートの書き方 |
走査型電子顕微鏡で得たデータを正しく整理し、理論的な考察を行い、レポートを書くことができる。
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12週 |
5.核磁気共鳴(NMR)① |
NMR測定の原理と1H NMRのデータの解析法を説明できる。 NMRスペクトルのピークを帰属し、化合物の同定ができる。
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13週 |
5.核磁気共鳴(NMR)② |
未知試料をNMR測定し、得られたデータを解析し化合物の同定ができる。 複数の化学種が混入した溶液についてNMR測定し、得られたデータを解析し化合物の同定ができる。
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14週 |
5.データ整理とレポートの書き方 |
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15週 |
6.熱分析(TG/DTA)① |
熱分析の原理について説明できる。 TG/DTAを用いて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。
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16週 |
6.熱分析(TG/DTA)② |
熱分析の原理について説明できる。 TG/DTAを用いて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
6.データ整理とレポートの書き方 |
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。
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2週 |
7.電気化学① |
サイクリックボルタンメトリーの原理を理解して説明できる。
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3週 |
7.電気化学② |
サイクリックボルタンメトリー測定を行い、データの解析ができる。
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4週 |
7.データ整理とレポートの書き方 |
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5週 |
8.X線回折(XRD)① |
標準試料を用いてXRD測定を行い、物質の構造を同定することができる。
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6週 |
8.X線回折(XRD)② |
未知試料を用いてXRD測定を行い、物質の構造を同定することができる。
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7週 |
8.データ整理とレポートの書き方 |
XRDで得たデータを正しく整理し、論理的な考察を行いまとめることができる。
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8週 |
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4thQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 実験レポート | | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 0 | 40 |
専門的能力 | 60 | 0 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |