工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 工学実験Ⅱ
科目番号 0020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械・エネルギーコース 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 教科書はありません。各担当教員から配布される資料等が教材となります。
担当教員 石川 信幸,渡辺 隆,山田 洋,野呂 秀太,小松 瞭,奥村 真彦,本間 一平

到達目標

実験を通じて工学の基礎に係わる知識を理解できる。
実験装置・器具・情報機器等を利用して、基礎的な計測技術を習熟し、目的を達成する手法を理解できる。
自分が行った実験について、実験の過程および結果について工学的に考察しレポートにまとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
実験を通じた工学基礎知識の習得実験において自身とともに周囲に対しても安全を最優先した行動ができ、実験を通じて工学の基礎に係わる知識を学び理解できるとともに、応用例について説明できる。 実験において安全を最優先した行動ができ、実験を通じて工学の基礎に係わる知識を学び理解できる。実験において安全を軽視し、実験を通じて工学の基礎に係わる知識を学び、理解することが不十分である。
実験装置・器具・情報機器等の利用習得実験装置・器具・情報機器等の原理、構成、目的について正しく理解でき、操作できるとともに、他者に説明できる。実験装置・器具・情報機器等の原理、構成、目的について正しく理解でき、操作できる。実験装置・器具・情報機器等の原理、構成、目的についての理解、操作が不十分である。
データ考察、レポート作成実験から得られたデータについて考察し、文章、表、グラフを用いて論理的にレポートを作成できるとともに、目的や課題に対する答え、見解、対策を説明できる。実験から得られたデータについて考察し、文章、表、グラフを用いて論理的にレポートを作成できる。実験から得られたデータについての考察、文章、表、グラフを用いた論理的なレポート作成が不十分である。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 機械工学、電気工学、材料工学の分野にわたるエネルギーシステムに関する体系的な知識と技術を身に付ける
学習・教育到達度目標 2 要素技術や融合・複合システムの設計・分析・評価等の基盤技術を身に付ける
学習・教育到達度目標 3 エネルギー技術と工学の視点に立った論理的かつ実践的思考能力を身に付ける
学習・教育到達度目標 4 エネルギー技術と工学の社会的な役割を理解し、技術的課題を解決できる能力を身に付ける
JABEE C1 日本語 により、記述・ 発表・討論する能力
JABEE D2 専門分野と周辺の工業技術を理解し、デザインに応用展開できる能力
JABEE E1 自主的・継続的に新しい工業技術を学習する能力
学士区分 1 機械系
必修科目 11 機械系
学士区分 2 電気系
必修科目 21 電気系

教育方法等

概要:
専門科目の授業で修得した知識を実験で確認することにより、専門科目への理解を深めて実地応用能力を高める。
機械・エネルギー分野に関連する事柄について実験を行い、機械工学や電気工学、材料工学における基礎的な計測技術に習熟するとともに、データの管理方法や考察の進め方、報告書のまとめ方について修得する。
この科目の中では企業で実務経験のある教員が、その経験を活かして授業を行う。
授業の進め方・方法:
実験はグループ単位で行う。各実験テーマについては、別途示される日程にて進められる。
各担当教員の指示に従って実験を行い、各実験の後にはそれぞれレポートを提出して指導教員よりチェックを受けるとともに、指摘を受けた部分については修正後にレポートを再提出する。
事前学習(予習):毎回の実験前までに、内容と到達目標を考えて整理しておくとともに、テーマにおいて気を付けるべき安全項目について事前に把握しておくこと。
事後学習(復習):毎回の実験後に、学んだことを振り返り、次回以降の実験へ活かす方法を考えること。
注意点:
各実験テーマは事前に設定されたグループ単位で受講するので、協力しながら実験を行うこと。実験中は指導教員の注意を守り事故のないように心掛けるとともに、研究的な態度で臨むこと。
講義で修得した知識を再確認し、各種実験装置の測定原理、データ処理法、物理現象の因果関係の解析手法など、技術者として必要な知識、スキルを身につけられるよう集中して進めること。
本科目は履修単位ですが、積極的に予習・復習を行い、授業の効果を高めるようにして下さい。
また、多数の類似点がみられるレポートについては、その両方を「盗用レポート」とみなし、点数を与えないことがあります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 実験ガイダンス1・実験上の注意 今後のスケジュール、レポートの提出方法、安全のための禁止事項について把握する。
2週 【振動実験】1自由度系の振動として単純ばねの振動実験から共振曲線を求めて、理論と実験の違いを理解する。実験についてレポートを作成する。 振動解析に用いる機械力学(振動工学)の基礎理論を理解し、共振が生じている系がどのような運動をしているか考察できる。
3週     〃     〃
4週 【熱工学実験】強制対流のもとで生じる伝熱現象を実測して特性を理解する。実験についてレポートを作成する。 強制対流における熱伝達現象と無次元数による特性表現を理解できる。
5週     〃     〃
6週 【計測工学実験】機械加工した金属表面の観察、加工した金属表面の断面曲線の計測および測定顕微鏡を用いた表面の観察を行う。実験についてレポートを作成する。 表面粗さを指標とした加工の指示が利便性、汎用性に優れていることを理解する。また、これらを計測、評価するための計測器の操作ができる。
7週     〃     〃
8週 【再実験と解説】レポート作成の経過に応じた再実験、および報告書の作成方法について再度解説する。 報告書の作成方法について再度理解する。
一連の実験テーマに関するレポートを作成できる。
4thQ
9週 実験ガイダンス2・実験上の注意 今後のスケジュール、安全に関する諸注意を再確認し、取組に対する振り返りができる。
10週 【電気機器実験】電気機器の性質に関する実験を行い、その実験についてレポートを作成する。 変圧器の短絡試験や効率試験、無負荷試験を理解し、実験できる。
11週     〃 サイリスタを理解し、実験できる。
12週 【数値流体解析実験】シミュレーションの方法の理解と各物理量の見方の理解、流れ場の解析を行い、その実験についてレポートを作成する。 流れ場の支配方程式と各物理量、流体計算法について説明できる。出力された結果を論理的に評価できる。
13週     〃     〃
14週 【数値構造解析実験】CAEツールを用いた設計の演習を行う。その数値実験についてレポートを作成する。 3次元のモデルを用いた数値解析の利用方について理解できる。
15週     〃     〃
16週 【再実験と解説】レポート作成の経過に応じた再実験、および報告書の作成方法について再度解説する。 報告書の作成方法について再度理解する。
一連の実験テーマに関するレポートを作成できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4
電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3
共振について、実験結果を考察できる。3
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3
ディジタルICの使用方法を習得する。3

評価割合

レポート実験態度合計
総合評価割合9010100
基礎的能力45550
専門的能力45550
分野横断的能力000