電気機器Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気機器Ⅱ
科目番号 0039 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・エネルギーコース 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「絵ときでわかるパワーエレクトロニクス改訂2版 著者:粉川昌巳 発行所:オーム社」「電気機器概論  著者:深尾 正  発行所:実教出版」
担当教員 山田 洋,若生 一広

到達目標

・パワーエレクトロニクスの意味、意義が理解できる。構成要素である電力用半導体素子とそれらを用いた基本回路について、それぞれの働きとかかわりについて理解できる。
・電気エネルギーの発生、変換および利用に用いられる交流回転機の動作原理と構造を説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
パワーエレクトロニクスの意味、意義パワーエレクトロニクスの意味、意義について理解し、活用事例について説明できる。パワーエレクトロニクスの意味、意義について理解できる。パワーエレクトロニクスの意味、意義についての理解が不十分である。
電力用半導体素子電力用半導体素子の種類、役割、動作原理について理解し、活用方法を説明できる。電力用半導体素子の種類、役割、動作原理について理解できる。電力用半導体素子の種類、役割、動作原理についての理解が不十分である。
パワーエレクトロニクスの基本回路パワーエレクトロニクスの基本回路について、種類、利点・欠点、回路構成を理解し、活用方法を説明できる。パワーエレクトロニクスの基本回路について、種類、利点・欠点、回路構成を理解できる。パワーエレクトロニクスの基本回路について、種類、利点・欠点、回路構成の理解が不十分である。
誘導電動機誘導電動機の種類、役割、動作原理について理解し、活用方法を説明できる。誘導電動機の種類、役割、動作原理について理解できる。誘導電動機の種類、役割、動作原理についての理解が不十分である。
同期機同期機の種類、役割、動作原理について理解し、活用方法を説明できる。同期機の種類、役割、動作原理について理解できる。同期機の種類、役割、動作原理についての理解が不十分である。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 機械工学、電気工学、材料工学の分野にわたるエネルギーシステムに関する体系的な知識と技術を身に付ける
学習・教育到達度目標 2 要素技術や融合・複合システムの設計・分析・評価等の基盤技術を身に付ける
JABEE D1 専門分野に関する工業技術を理解し、応用する能力
学士区分 2 電気系
選択科目 22 電気系

教育方法等

概要:
この科目の前半は企業で電気機器の設計を担当していた教員が、その経験を活かし、電力用半導体素子の種類・構造・特性・動作原理、電力を変換し制御する技術、最新の半導体電力変換回路設計手法等について講義形式で授業を行うものである。半導体電力変換回路は、製造工業はもとより、航空、電力、家庭など広い分野で使用されている。
後半は三相交流、誘導電動機、同期発電機、および同期電動機について、その動作原理、構造、特性を学習し、これら電力応用機器の基礎を理解する。また、基本的計算問題の演習を行い理解を深める。
授業の進め方・方法:
教科書および配布資料を用いて授業を行う。
予習:次週の授業内容について教科書を読み、理解できる点、不明な点を整理すること。
復習:授業で学んだ内容について例題や問、演習問題を解き、理解を深めること。
注意点:
半導体工学、電磁気学、電気回路、電子回路をベースに講義するので、これらの理解を深めておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス シラバスの内容、授業の流れを理解する。
2週 パワーエレクトロニクス
半導体素子の特性(1)
パワーエレクトロニクスの意味、分野、身の回りの技術について説明できる。n型、p型半導体、ダイオードの動作原理、特性について説明できる。
3週 半導体素子の特性(2) バイポーラトランジスタの動作原理、特性、直流電流増幅率について説明できる。MOSFETの動作原理、種類、特性について説明できる。
4週 電力用半導体素子(1) IGBTの動作原理、特性について説明できる。基本的なサイリスタの動作原理、特性について説明できる。
5週 電力用半導体素子(2) サイリスタの種類、それぞれの特性の違いについて説明できる。パワーモジュール、パワーモジュールの特長、IPMについて説明できる。
6週 パワーエレクトロニクスの基本回路(1) 単相半波、全波整流回路の構成、特性について説明できる。3相半波、全波整流回路の構成、特性、各種DCチョッパ回路について説明できる。
7週 パワーエレクトロニクスの基本回路(2) 各種スイッチングレギュレータの構成、特性、インバータ回路の構成、特性について説明できる。PWMについて説明できる。サイクロコンバータ回路の構成、特性について説明できる。
8週 試験
4thQ
9週 三相交流・回転磁界の基礎 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)および回転磁界を説明できる。
10週 三相誘導電動機の基礎と原理 三相誘導機の基礎と原理を説明できる。
11週 三相誘導電動機の構造と等価回路 三相誘導電動機の構造と等価回路が説明できる。
12週 三相誘導電動機の特性 三相誘導電動機の特性が説明できる。
13週 単相誘導電動機の原理と構造 単相誘導電動機の原理と構造が説明できる。
14週 単相誘導電動機の特性 単相誘導電動機の特性が説明できる。
15週 同期機の原理と構造、理論 同期機の原理と構造、理論が説明できる。
16週 試験 合格点以上を取得し、理解度をチェックできる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
電磁気電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3
FETの特徴と等価回路を説明できる。3
電力電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000