工学実験Ⅲ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 工学実験Ⅲ
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械・エネルギーコース 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教科書はありません。各担当教員から配布される資料等が教材となります。
担当教員 石川 信幸,伊藤 昌彦,熊谷 進,奥村 真彦,本間 一平,小松 瞭

到達目標

実験を通じて工学の基礎に係わる知識を理解できる。
実験装置・器具・情報機器等を利用して、基礎的な計測技術を習熟し、目的を達成する手法を理解できる。
自分が行った実験について、実験の過程および結果について工学的に考察しレポートにまとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
実験を通じた工学基礎知識の習得実験において自身とともに周囲に対しても安全を最優先した行動ができ、実験を通じて工学の基礎に係わる知識を学び理解できるとともに、応用例について説明できる。実験において安全を最優先した行動ができ、実験を通じて工学の基礎に係わる知識を学び理解できる。実験において安全を軽視し、実験を通じて工学の基礎に係わる知識を学び、理解することが不十分である。
実験装置・器具・情報機器等の利用習得実験装置・器具・情報機器等の原理、構成、目的について正しく理解でき、操作できるとともに、他者に説明できる。実験装置・器具・情報機器等の原理、構成、目的について正しく理解でき、操作できる。実験装置・器具・情報機器等の原理、構成、目的についての理解、操作が不十分である。
レポートの作成能力実験から得られたデータについて考察し、文章、表、グラフを用いて論理的にレポートを作成できるとともに、目的や課題に対する答え、見解、対策を説明できる。実験から得られたデータについて考察し、文章、表、グラフを用いて論理的にレポートを作成できる。実験から得られたデータについての考察、文章、表、グラフを用いた論理的なレポート作成が不十分である。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 機械工学、電気工学、材料工学の分野にわたるエネルギーシステムに関する体系的な知識と技術を身に付ける
学習・教育到達度目標 2 要素技術や融合・複合システムの設計・分析・評価等の基盤技術を身に付ける
学習・教育到達度目標 3 エネルギー技術と工学の視点に立った論理的かつ実践的思考能力を身に付ける
学習・教育到達度目標 4 エネルギー技術と工学の社会的な役割を理解し、技術的課題を解決できる能力を身に付ける
JABEE C1 日本語 により、記述・ 発表・討論する能力
JABEE D2 専門分野と周辺の工業技術を理解し、デザインに応用展開できる能力
JABEE E1 自主的・継続的に新しい工業技術を学習する能力
学士区分 1 機械系
必修科目 11 機械系
学士区分 2 電気系
必修科目 21 電気系

教育方法等

概要:
専門科目の授業で修得した知識を実験で確認することにより、専門科目への理解を深めて実地応用能力を高める。
機械・エネルギー分野に関連する事柄について実験を行い、機械工学や電気工学、材料工学における基礎的な計測技術に習熟するとともに、データの管理方法や考察の進め方、報告書のまとめ方について修得する。
この科目の中では企業で実務経験のある教員が、その経験を活かして授業を行う。
授業の進め方・方法:
実験はグループ単位で行う。各実験テーマについては、別途示される日程にて進められる。
各担当教員の指示に従って実験を行い、各実験の後にはそれぞれレポートを提出して指導教員よりチェックを受けるとともに、指摘を受けた部分については修正後にレポートを再提出する。
事前学習(予習):毎回の実験前までに、内容と到達目標を考えて整理しておくとともに、テーマにおいて気を付けるべき安全項目について事前に把握しておくこと。
事後学習(復習):毎回の実験後に、学んだことを振り返り、次回以降の実験へ活かす方法を考えること。
注意点:
各実験テーマは事前に設定されたグループ単位で受講するので、協力しながら実験を行うこと。実験中は指導教員の注意を守り事故のないように心掛けるとともに、研究的な態度で臨むこと。
講義で修得した知識を再確認し、各種実験装置の測定原理、データ処理法、物理現象の因果関係の解析手法など、技術者として必要な知識、スキルを身につけられるよう集中して進めること。
本科目は履修単位ですが、積極的に予習・復習を行い、授業の効果を高めるようにして下さい。
また、多数の類似点がみられるレポートについては、その両方を「盗用レポート」とみなし、点数を与えないことがあります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験ガイダンス1・実験上の注意 今後のスケジュール、レポートの提出方法、安全のための禁止事項について把握する。
2週 【レオロジー実験】粘性流体の粘度測定および動粘度の算出を行い、実験についてレポートを作成する。 粘度と動粘度を力学的観点から説明できる。
3週      〃      〃
4週 【熱工学実験】熱機関の性能試験を行い、動力特性を検討する。実験についてレポートを作成する。
実験用エンジンにおいて動力の計測法を理解して負荷性能を調査できる。
5週      〃      〃
6週 【材料工学実験】鉄鋼材料の熱処理を行い、熱処理が素材の機械的性質に及ぼす影響を調査する。実験についてレポートを作成する。 鉄鋼材料の熱処理を行い、熱処理が素材の機械的性質に及ぼす影響を調査する。
7週      〃      〃
8週 【再実験と解説】レポート作成の経過に応じた再実験、および報告書の作成方法について再度解説する。 報告書の作成方法について再度理解する。
一連の実験テーマに関するレポートを作成できる。
2ndQ
9週 実験ガイダンス2・実験上の注意 今後のスケジュール、安全に関する諸注意を再確認し、取組に対する振り返りができる。
10週 【材料強度実験】 シャルピー衝撃試験
11週      〃      〃
12週 【制御工学実験(1)】論理回路に関する実験を行う。ブール代数の基本公式を論理回路で実現できる。実験についてレポートを作成する。

フリップフロップを構成し動作を説明できる。
13週      〃
     〃
14週 【制御工学実験(2)】マイコンプログラムに関する実験を行う。実験についてレポートを作成する。
マイコンによる制御について理解する。
15週      〃
     〃
16週 【再実験と解説】レポート作成の経過に応じた再実験、および報告書の作成方法について再度解説する。 報告書の作成方法について再度理解する。
一連の実験テーマに関するレポートを作成できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。3前12,前13
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。3前12,前13
自動制御の定義と種類を説明できる。3前12,前13,前14,前15
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3前12,前13,前14,前15
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。3前14,前15
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。3前14,前15
伝達関数を説明できる。3前14,前15
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。3前14,前15
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。3前14,前15
電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3前14,前15
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3前14,前15
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。3前14,前15
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。4

評価割合

レポート実験態度合計
総合評価割合9010100
基礎的能力45550
専門的能力45550
分野横断的能力000