応用物理B

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用物理B
科目番号 0047 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械・エネルギーコース 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 書名:固体物性を理解するための統計物理入門  著者:沼居貴陽   出版社:森北出版
担当教員 舘野 安夫

到達目標

・様々な物理現象とそれらの物理用語を理解し、物理的な考え方を身につける。
・基本的な物理的な関係式を、微積分や確率・統計を用いながら理解する。
・基礎的な計算問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
知識・理解学習内容を十分に理解し、知識として身に着けている。学習内容を概ね理解し、基本的な知識が定着している。左の基準に達していない。
関心・意欲・態度授業の度に理解を深め、それ以上の発展問題に積極的に取り組み、関心を深めている。基礎的な問題に主体的に取り組み、関心を高めている。左の基準に達していない。
技能・表現定義・法則などから数学的な規則性を正しく導くことができ、発展的な問題に対処するこ とができる。定義・法則などを理解し、それを利用するところまで導くことができる。左の基準に達していない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE A1 数学・自然科学を理解し、使いこなせる基礎能力

教育方法等

概要:
統計熱力学の導入を目的とする。固体物性や化学を学ぶ上での基礎となる電磁気学、熱力学、量子力学に、さらに統計熱力学を加えることにより、固体物性や化学の更なる理解を目標としている。
なお、後半の一部で原子核および放射線に関する説明を行う。
授業の進め方・方法:
講義および演習形式により授業を進め、基礎的な物理現象の理解と定着を図る。
 予習:次回講義内容についてシラバスを確認し、教科書を読む。
 復習:前回の講義内容に関する教科書や問題集の問題を解く。
注意点:
力学、電磁気学、熱力学、および量子力学の充分な復習を必要とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 量子力学の復習(1) シュレディンガー方程式と波動関数、固有エネルギーの理解。軌道角運動量とスピン角運動量の理解。水素原子の電子構造の理解。
2週 量子力学の復習(2) 電子のエネルギー準位とパウリの排他律の理解。共有結合とバンド理論の理解。
3週 確率・統計の考え方 順列・組合せ、配分の仕方の理解。先験的確率と状態数の理解。
4週 統計熱力学の基礎概念 エルゴート仮説、等確率の原理の理解。統計集団(アンサンブル)の理解。
5週 状態数とエントロピー エントロピーの表現(熱力学、統計力学、情報科学)の理解。
6週 系の熱平衡と分布関数 ボルツマン分布、フェルミ・ディラック分布、ボース・アインシュタイン分布の理解。
7週 演習 教科書の例題・演習問題の説明。
8週 前期中間試験
4thQ
9週 プランクの熱放射公式 黒体放射スペクトルの理解。プランクの熱放射公式の導出過程の理解。量子化説の理解。
10週 材料科学への応用 固体の空孔濃度の計算、合金の不規則状態の計算。バンド理論とフェルミ順位の理解。
11週 演習 教科書の例題・演習問題の説明。
12週 原子核の構成 核子(陽子、中性子)と核力の理解。
13週 原子核の結合エネルギー 結合エネルギー、質量欠損の理解。核分裂と核融合の理解。
14週 原子核の崩壊と放射線 放射性同位体、崩壊の法則の理解。放射線の種類と性質の理解。
15週 核エネルギー 核分裂、連鎖反応、臨界現象の理解。
16週 前期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000