化学工学概論

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 化学工学概論
科目番号 0055 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械・エネルギーコース 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 橋本健治著、ベーシック化学工学 増補版、化学同人(2006) ISBN13:978-4-7598-2047-8
担当教員 石川 信幸

到達目標

化学工学量論(単位、物質収支等)、および単位操作の基本的内容について理解し各種の計算ができる。また、熱機関や化学プラントにおける基本的な装置や単位操作を理解するための基礎を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
物質およびエネルギーの収支に対する理解未知の対象について物質およびエネルギーの収支式を立て、それを解くことができる教科書に載っているような対象について、物質およびエネルギーの収支式を立てることができる物質およびエネルギーの収支式を立てることができない
蒸留の原理および気液平衡に対する理解蒸留の原理について補助なしで整然と説明でき、液相線・気相線を読んでx-y線図を作成できる蒸留の原理について教員と対話しながら説明でき、x-y線図について読み方を人に説明できる蒸留の原理について説明できず、x-y線図の意味も理解していない
蒸留塔の設計に対する理解蒸留塔内における収支式を立て、McCabe-Thiele法によって理論段数を求めることができる蒸留塔内における収支式からMcCabe-Thiele法によって理論段数を求める過程について、式を見ながら説明できる蒸留塔内における収支式を立てることができない
抽出の原理および抽出の計算手法に対する理解抽出の原理について補助なしで整然と説明でき、単抽出による溶質の抽出量を三角図をもとに計算できる抽出の原理について対話しながら説明でき、三角図を読んで溶解度曲線について説明できる抽出の原理について説明ができず、三角図を読むこともできない
伝熱の形態に対する理解伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる 伝熱の基本形態を理解できる伝熱の基本形態が理解できない
燃料と燃焼反応、熱機関に関する理解燃料の種類と性質、熱機関の動作と燃焼過程の関係について理解し説明できる。燃料の種類と性質、熱機関の作動原理を理解し説明できる。燃料の性質と熱機関の作動原理の関係性を説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2 要素技術や融合・複合システムの設計・分析・評価等の基盤技術を身に付ける
学習・教育到達度目標 3 エネルギー技術と工学の視点に立った論理的かつ実践的思考能力を身に付ける
JABEE D2 専門分野と周辺の工業技術を理解し、デザインに応用展開できる能力
学士区分 1 機械系
選択科目 12 機械系

教育方法等

概要:
この授業では、化学工学で取り扱う基礎的な問題に関する解法とその基礎となる理論について学びます。具体的には、物質およびエネルギーの収支、蒸留塔の設計、単抽出操作、一般的な熱交換器の設計、化学プロセスに関与する伝熱・燃焼、熱機関の基礎を取り扱います。
授業の進め方・方法:
毎週講義を行いない、講義内容の計画について変更がある場合は都度お伝えします。適宜課題を課しますので、予習・復習の一環として真面目に取り組んでください。
注意点:
難しい数学は必要としませんが、用語、定数が多数登場します。単位を含め、きちんと理解するようにして下さい。また、この科目は履修単位ですが、授業だけでなく予習・復習を行って理解を深めるように努めて下さい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 「化学工学とは何か?」という質問に対し、妥当な回答ができる。
2週 物質およびエネルギーの収支 簡単なプロセスについて、物質あるいはエネルギー収支の関係を立式できる。
3週 同上 簡単なプロセスについて、物質あるいはエネルギー収支を計算できる。
4週 蒸留(その1) 蒸留によって物質を分離できる原理を理解し、気相線、液相線、x-y線図について読み方を理解する。
5週 蒸留(その2) 単蒸留、フラッシュ蒸留、蒸留塔内で起こる現象を、x-y線図を用いて説明できる。また、McCabe-Thiele法により、蒸留塔の理論段数を求められる。
6週 抽出(その1) 抽出の原理を説明できる。また、3成分系で行う単抽出について、三角図を読み解くことができ、関連する用語についても説明できる。
7週 抽出(その2) 3成分系で行う単抽出について、抽出操作に関係する計算が行える。
8週 中間試験 学んだ内容を用いて問題を解決できる。
4thQ
9週 伝熱 伝熱の基本形態について理解し、性能を計算できる。
10週 伝熱 熱貫流率、熱放射について理解し現象の説明と性能の計算ができる。
11週 伝熱 熱交換器の熱収支について理解し性能を計算できる。
12週 燃料と燃焼反応 燃料の性質となる着火機構、燃焼過程を理解できる。
13週 燃料と燃焼反応 燃焼反応における理論空気量を理解し計算できる。
14週 熱機関 各種熱機関の構造や作動原理を理解し説明できる。
15週 熱機関 熱機関における燃焼過程の特徴を理解できる。
16週 期末試験 学んだ内容を用いて問題を解決できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験(中間・期末)レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力351550
専門的能力351550
分野横断的能力000