総合工学基礎

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 総合工学基礎
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 総合工学科Ⅲ類(1年) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 なし
担当教員 伊藤 昌彦,奥村 真彦,佐藤 一志,北島 宏之,権代 由範,飯藤 將之,吉野 裕貴,関戸 大,武田 光博,櫻庭 弘,山田 洋

到達目標

以下のことができるようになること。
①主体的に学ぶことの重要性を理解する。
②継続して主体的に学ぶ。
③失敗しても自信を失わない。挑戦し続ける。
④多様なアイディアを出す。
⑤課題を発見する。
⑥課題解決のために必要な知識や技能を学ぶ。
⑦グループ活動に貢献する。
⑧他者の気持ちや考えを受け止める。

ルーブリック

4321
学習意欲高専の授業で学ぶことを自分の将来と関連づけて主体的に学び続けることができる高専の授業で学ぶことを自分の将来と関連づけて学び続けることができる高専の授業に対し、消極的であるが学び続けることができる高専の授業で学ぶことに意味を見出すことができない
自信失敗を恐れず、どんな時も積極的に新しい経験を求めて挑戦する失敗を恐れず、多くの場合は新しい経験を求めて挑戦しようとする新しい経験を求めて挑戦するよう心がけている自分にはできないと思うことを避けている
創造性あるテーマに対し、自分の知識とスキルを活用して多様なアイデアを考えられるあるテーマに対し、複数のアイデアを考えられる他者の助けがあれば、あるテーマに対し1つ以上のアイデアを考えられるアイデアを考えることができない
主体性 自分にとって新しいアイデアや概念について積極的に関心をもって学ぶ 自分にとって新しいアイデアや概念について学ぼうと努力する 他者の助けがあれば、新しいアイデアや概念について学ぼうと努力する すでに知っていることで満足で、それ以上に学ぼうとしない
課題発見と解決 課題を自ら発見し、その解決のために必要な知識・技能を積極的に学ぶ 自ら課題を発見し、その解決のために必要な知識・技能を学ぼうとする 他者の助けがあれば課題を発見し、その解決のために必要な知識・技能を教わる 課題を発見できず、課題解決のために必要な知識・技能を教わる姿勢が見られない
グループでの課題解決 グループワークに積極的に参加して、高い完成度での課題の達成に多大な貢献ができている グループワークに参加し、課題の達成に貢献できている グループワークに参加して、自分に与えられた作業を実行できる グループワークに参加しておらず、自分に与えられた作業を実行できない
他者への傾聴 "相手の気持ちや考えを聴いて、真剣に受け止める 聴く時間と話す時間のバランスをとる" "相手の気持ちや考えを聴いて真剣に受け止める 聴く時間と話す時間のバランスをとろうと努力する" 相手の気持ちや考えを聞くが、発言には消極的である 相手の気持ちや考えを聞けない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
地域の課題や、企業のビジネスを想定した、もしくは実際のビジネスに展開するためのプロジェクト活動にグループで取り組む。この中で「潜在的ユーザーニーズ」の発見から「イノベーション創出」へ至るプロセスを体験する。その過程で、価値ある「モノ」を作り出すために必要な知識や技術の多様性と、それを学び続ける重要性を学ぶ。逆に、現在ある知識や技能から、生み出せる価値にも多様なものがあることを体験する。総じて、これまで高品質のものを大量に生産することによって価値を生み出してきた方式から大きく転換し、デザイン思考(共感・問題定義・アイデア創出・プロトタイピング・検証)によって価値を創造するこれからの工学の実際を体験し、その基礎となる考え方を学ぶ。

授業の進め方・方法:
数人のグループに分かれてのプロジェクト活動を主体的に進める。
プロジェクトのテーマの候補をいくつか用意してあるので、興味のあるテーマを選択する。
自主的なテーマ設定をおこなってもよい。
前期に8週、後期に8週の活動期間がある。それぞれに、中間発表、最終発表が行われる。
事前学習(予習):毎回の授業前までに,授業で行う内容と意義を考えて整理しておくこと.
事後学習(復習):毎回の授業後に,授業で学んだことを振り返り,今後へ活かす方法を考えること。
毎回の授業内容は各プロジェクトにより異なるが、基本的にはデザイン思考(共感・問題定義・アイデア創出・プロトタイピング・検証)が繰り返されるものである。
教員から授業を行うのではなく、学生自らが毎回デザイン思考を深めるためにはなにをしなければならないかを考え、実践する。教員はそれをサポートする。
前期、後期で異なるテーマについてプロジェクト活動を行う。
注意点:
半年の間で一つのプロジェクトに取り組むわけであるが、これは決して長い期間ではない。実際にビジネスシーンに応えるモノを創造するために、毎週の授業時間何に何度でもデザイン思考(共感、問題定義、アイディア創出、プロトタイピング、検証)プロセスがおこなわれなければならない。特にプロトタイピングに関しては、毎週、毎回の中で、できるだけ多くのプロトタイプを生み出すようにしなければならない。
そのために、必要な知識や技術を主体的にとりいれることが必要。逆に、現在ある知識や技術をつかっていかに多くのプロトタイプを生み出すかも重要である。
各個人が得た知識・技術の質や量、出されたアイディアの良しあしは、この授業では評価されない。実際の世の中でビジネスに展開して、価値あるものと判断されなければ意味がないからである。また、少なく、間違いだらけの知識・技術、貧弱なアイディアでは価値を生み出せないことは授業で評価するのではなく各個人が実感すべきものであるからである。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・専攻科生による学内ツアー
・全体ガイダンス
総合工学基礎で実施する内容の概要を理解できる。
2週 講演会 高専で学んでいくための意義を理解でき、主体的に学ぶモチベーションを向上することができる。
3週 テーマガイダンス
テーマ決定
テーマの概要を理解し、PBLで取り組むテーマを決めることができる。
4週 テーマ別PBL① 主体的に学ぶことの重要性を理解することができる。
5週 テーマ別PBL② 継続して主体的に学ぶことができる。
6週 テーマ別PBL③ 失敗しても自信を失わないで挑戦し続けることができる。
7週 テーマ別PBL④ 多様なアイディアを出すことができる。
8週 中間成果発表・講評会 これまで取り組んできた中間成果と今後の予定について発表することができる。
2ndQ
9週 テーマ別PBL⑤ 課題を発見することができる。
10週 PBL振り返り PBLを振り返り進捗状況を把握することができる。
11週 テーマ別PBL⑥ 課題解決のために必要な知識や技能を学ぶことができる。
12週 テーマ別PBL⑦ グループ活動に貢献することができる。
13週 テーマ別PBL⑧ 他者の気持ちや考えを受け止め協働できる。
14週 最終成果発表・講評会の準備 これまで取り組んできた成果を取り纏めて発表の準備ができる。
15週 最終成果発表会 資料と口頭説明により、最終成果を発表する力を身につける。
16週
後期
3rdQ
1週 ・全体ガイダンス 後期に総合工学基礎で実施する内容の概要を理解できる。
2週 講演会 高専で学んでいくための意義を理解でき、主体的に学ぶモチベーションを向上することができる。
3週 テーマガイダンス
テーマ決定
テーマの概要を理解し、PBLで取り組むテーマを決めることができる。
4週 テーマ別PBL① 主体的に学ぶことの重要性を理解することができる。
5週 テーマ別PBL② 継続して主体的に学ぶことができる。
6週 テーマ別PBL③ 失敗しても自信を失わないで挑戦し続けることができる。
7週 テーマ別PBL④ 多様なアイディアを出すことができる。
8週 中間成果発表・講評会 これまで取り組んできた中間成果と今後の予定について発表することができる。
4thQ
9週 テーマ別PBL⑤ 課題解決のために必要な知識や技能を学ぶことができる。
10週 PBL振り返り PBLを振り返り進捗状況を把握することができる。
11週 テーマ別PBL⑥ 課題解決のために必要な知識や技能を学ぶことができる。
12週 テーマ別PBL⑦ グループ活動に貢献することができる。
13週 テーマ別PBL⑧ 他者の気持ちや考えを受け止め協働できる。
14週 最終成果発表・講評会の準備 これまで取り組んできた成果を取り纏めて発表の準備ができる。
15週 最終成果発表会 資料と口頭説明により、最終成果を発表する力を身につける。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。2
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2前2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。2
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。2
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。2
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。2
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。2
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。2
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。2
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。1
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。1
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。2
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。2
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。2
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。2
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。2
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。2
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。1
インターネットの仕組みを理解し、実践的に使用できる。1
情報セキュリティの必要性、様々な脅威の実態とその対策について理解できる。1
個人情報とプライバシー保護の考え方について理解し、正しく実践できる。1
インターネットを用いた犯罪例などを知り、それに対する正しい対処法を実践できる。1
数値計算の基礎が理解できる1
コンピュータにおける初歩的な演算の仕組みを理解できる。1
データの型とデータ構造が理解できる1
技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。3
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解世界の歴史、交通・通信の発達から生じる地域間の経済、文化、政治、社会問題を理解し、技術者として、それぞれの国や地域の持続的発展を視野においた、経済的、社会的、環境的な進歩に貢献する資質を持ち、将来技術者の役割、責任と行動について考えることができる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。3
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。3
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。3
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。3
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。3
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。3
共同教育共同教育高専で学んだ専門分野・一般科目の知識・教養が、企業及び社会でどのように活用されているかを理解し、技術・応用サービスの実施ができる。3
地域や企業の現実の問題を踏まえ、その課題を明確化し、解決することができる。3
問題解決のために、最適なチームワーク力、リーダーシップ力、マネジメント力などを身に付けることができる。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などの必要性を理解できる。2
技術者として、生きる喜びや誇りを実感し、知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことを理解できる。3
技術者として、社会に対して有益な価値を提供するために存在し、社会の期待に十分応えられてこそ、存在の価値のあることを理解できる。2
企業人としても成長していく自分を意識し、継続的な自己研さんや学習が必要であることを理解できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合08002000100
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力08002000100