建築史

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 建築史
科目番号 0012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築デザインコース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『建築史』,実教出版
担当教員 相模 誓雄

到達目標

①日本建築を構成する部位や意匠の名称、役割がわかる。②代表的な日本建築の事例を見て、名称、時代、様式がわかる。③前記に関する知識を用いて日本建築様式の特徴が説明できる。④西洋建築を構成する部位や意匠の名称、効果がわかる。⑤代表的な西洋建築の事例を見て、名称、様式がわかる。⑥前記に関する知識を用いて西洋建築様式の特徴が説明できる。⑦近代建築の国際様式がわかる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1社寺建築の様式及びその特徴を理解している。社寺建築の様式を理解している。社寺建築の様式を理解していない。
評価項目2各時代の住宅建築の間取りや建築構成の特徴を説明できる。住宅建築の変遷を理解している。住宅建築の変遷を理解していない。
評価項目3日本建築に特徴的な構成部材の役割を説明でき、デザインに用いることができる。日本建築に特徴的な構成部材を理解している。日本建築に特徴的な構成部材を理解していない。
評価項目4神殿建築の文明毎の違いを具体的に説明できる。神殿建築の文明毎の違いを理解している。神殿建築の文明毎の違いを理解していない。
評価項目5各時代の教会建築の架構法や建築構成の特徴を説明できる。教会建築の様式を理解している。教会建築の様式を理解していない。
評価項目6西洋建築に特徴的な材料、構成部材の役割を説明でき、デザインに用いることができる。西洋建築に特徴的な材料や構成部材を理解している。西洋建築に特徴的な材料や構成部材を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この科目は企業で建築設計監理を担当していた教員が、その経験を活かし、建築士受験に必要な知識などについて講義形式で授業を行います。
前期:古代から近世までの日本建築の成立と発展について学ぶ。日本建築には、貴族、武家、農家や商家などの住宅や、様々な施設(城、神社、寺院など)がある。これらに見られる様式、空間構成、特徴及び時代的変遷を理解する。また、文化遺産や建築デザインの視点から日本建築を見る目を養う。
後期:古代から近世までの西洋建築の成立と発展について学ぶ。主な西洋建築には、神殿、教会堂、宮廷建築などがある。教会堂に顕著な時代によって異なる様式、その空間構成や特徴を理解する。一方で、同種の建築における国による違いを土地土地の文化的背景や材料・工法から捉える。
授業の進め方・方法:
①教科書を使って学ぶポイントを説明する。②スライドや図版資料を見て理解する。③グループワークや小演習を行って理解を深める。
予習:前回授業で出題、復習:配布資料及び質問票
注意点:
参考書『日本建築史図集新訂版』,『西洋建築史図集三訂版』,彰国社

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 日本古代の建築
1-1.神社建築の成立
神明造り、大社造り、住吉造りの特徴がわかる。
2週 日本古代の建築
1-2.飛鳥・奈良時代の仏寺建築
法隆寺の様式、天平の様式がわかる。
3週 日本古代の建築
1-3.都城の制
都城と天皇の住まい、奈良時代の貴族住宅の事例の空間構成がわかる。
4週 日本古代の建築
1-4.古代の住宅建築
平安時代の貴族住宅・寝殿造りの様式がわかる。
5週 日本古代の建築
1-5.平安時代の宗教建築
平安時代を代表する仏寺建築、春日造り、流れ造り、八幡造りの特徴がわかる。
6週 日本中世の建築
2-1.新しい仏寺建築様式
天竺様(大仏様)と唐様(禅宗様)の特徴がわかる。
7週 日本中世の建築
2-2.和様と新様式の影響
和様の特徴、折衷様がわかる。
8週 前半のまとめ+中間試験 古代から中世までの日本建築について到達目標にあげる基本的知識等が身に付く。
2ndQ
9週 日本中世の建築
2-3.中世の住宅
武家住宅の主殿造り、座敷飾りがわかる。
10週 日本近世の建築
3-1.城郭建築
城の形式、用と美がわかる。
11週 日本近世の建築
3-2.近世の住宅
書院造りの特徴がわかる。
12週 日本近世の建築
3-3.数寄屋建築
数寄屋建築の特徴、代表的な茶室の空間構成がわかる。
13週 日本近世の建築
3-4.城下町
城下町の構成や施設、町屋の形式がわかる。
14週 日本近世の建築
3-5.霊廟と宗教建築
権現造り、仏寺建築の近世的特徴や宗派による違いがわかる。
15週 日本近世の建築
3-6.農家の発達
農家の間取りの発達を理解し、その形態の地方による違いがわかる。
16週 後半のまとめ+期末試験 近世の日本建築について到達目標にあげる基本的知識等が身に付く。
後期
3rdQ
1週 西洋古代の建築
1-1.エジプト建築・オリエント建築
エジプト建築の種類、工法がわかる。
2週 西洋古代の建築
1-2.ギリシャ建築
ギリシャ建築のオーダー、神殿の構成部材がわかる。
3週 西洋古代の建築
1-3..ローマ建築①
ローマ建築の工法、公共建築、都市づくりがわかる。
4週 西洋古代の建築
1-4.ローマ建築②
ローマ建築のオーダー、初期キリスト教教会堂の空間構成がわかる。
5週 西洋中世の建築
2-1ビザンチン建築、イスラム建築
ペンデンティブドームの架構方法がわかる。
イスラム建築に特有のアーチ、装飾手法、著名な建築事例がわかる。
6週 西洋中世の建築
2-2.ロマネスク建築
ロマネスク建築の特徴を説明できる。
7週 西洋中世の建築
2-3.ゴシック建築①
ゴシック建築の教会堂の基本構成がわかる。リブボールドが説明できる。
8週 前半のまとめ+中間試験 前半に学習した西洋建築について、到達目標にあげる基本的知識等が身に付く。
4thQ
9週 西洋中世の建築
2-4.ゴシック建築②
後期ゴシック建築における装飾の変化がわかる。
10週 西洋近世の建築
3-1.ルネサンス建築①
ルネサンス建築の建築理論が説明できる。
11週 西洋近世の建築
3-2.ルネサンス建築②
イタリアのマナリズム、フランスやイギリスなどのルネサンス建築の違いがわかる。
12週 西洋近世の建築
3-3.バロック建築①
バロック建築の特徴が説明できる。
13週 西洋近世の建築
3-4.バロック建築②
各国を代表するバロック建築の建築家と作品の優れた点がわかる。
14週 西洋近世の建築
3-5.ロココ建築、ネオクラシシズム建築、ピクチャレスク建築
ロココ建築などの様式的特徴が説明できる。
15週 近代の建築
国際様式
国際様式の特徴が説明できる。
16週 後半のまとめ+期末試験 後半に学習した西洋建築について、到達目標にあげる基本的知識等が身に付く。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野計画・歴史古代(例えば、エジプト、オリエント、エーゲ海、ギリシャ、ローマなど)の特徴について説明できる。4
中世(例えば、ビザンチン、イスラム、ロマネスク、ゴシックなど)の特徴について説明できる。4
近世(例えば、ルネサンス、マニエリスム、バロック、ロココなど)の特徴について説明できる。4
原始(例えば、竪穴住居、高床建築、集落など)の特徴について説明できる。4
古代(例えば、住宅建築、寝殿造、都市計画、神社建築、寺院建築など)の特徴について説明できる。4
中世(例えば、住宅建築、神社建築、寺院建築(大仏様、禅宗様、折衷様など))の特徴について説明できる。4
近世(例えば、住宅建築、書院造、数寄屋風書院、町屋、農家、茶室、霊廟、社寺建築、城郭)の特徴について説明できる。4
日本および海外における近現代の建築様式の特徴について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000